今まで最も「この魚なんていうんですか?」と聞かれたのがこの魚。
意外といえば意外、だけど活きている姿を見るのも稀なので、知る機会も少ないのだろう。
答えは「イシダイ」
「サンバソウ」とか「クチグロ」とドヤ顔でいっちゃう人は、かなりの釣り脳である。
これらはいわゆる敬称なので、一般的な考えとしては間違った知識を植えることになってしまう。
”海の賢者”とも呼ばれるイシダイは魚類でも頭のいい部類で、水族館のショーでも活躍することもある。
成魚になると釣るのも難しくなるが、まだ小型のうちは「ワーワーキャーキャー」と堤防周りで遊びまわり、エサ取りとして活発に釣れてきてくれる。
子供のうちは、どんな魚も無邪気でかわいいもの。
魚を誰よりも知ってそうで、誰よりも間違っているのが釣り人
「この魚なんていうんですか?」という問に対して私は、ムスカ風に答えている。
例:「”イシダイ”だよ。釣り人の間では”サンバソウ”とも呼ばれているがね」
旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ。ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね。
さりげに別名も解説してくれるムスカ大佐は、説明上手である。
出世魚の呼び方がマジでめんどくさい
静岡県は関東と東海の狭間に位置しているため、特に小さい「ブリ」の呼び方がカオス。
浜松では「アブコ」と呼ばれるし、中部以東では「イナダ」「ワカナゴ」「ワカシ」が入り乱れる。でも60cm以上になるとどこも「ワラサ」で統一される。
横に広い県のせいもあるけど、西部・中部・東部で方言も変化するため、100km離れればもう別の国の感覚。
まあ様々な名前があるわけですけど、これらは一応”和名”なので、間違いではありません。
でもテストの答えとなると、種の名前としての「ブリ」が選ばれるでしょう。
釣り人は魚を釣ることには興味があるが、魚自体に興味がある人って結構少ない。
自分のやっている釣りの範囲外はサッパリてのも多いし、メインターゲットが一番美味しい魚とも思い込んでいる。
漁師の次に密接な関係ながら、魚自体の知識がおろそかって、悲しいじゃないですか。