【日本製の釣具】世界に誇れる釣具は日本人のクリエイティビティにある

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世界に誇れる釣具は日本人のクリエイティビティにある

良い記事を見かけたので共有させていただきます。

「笹川平和財団」に投稿された『世界に誇れる日本製の釣具と共に伝えるべきもの』を読みました。

釣具業界に所属する方ならではの視点と、今後の未来とすべてのアングラー達へ、さりげなく宛てたメッセージが伝わる良い記事です。

世界に誇れる日本製の釣具と共に伝えるべきもの

当記事は、テイルウォークに所属する中村宗彦さんによる執筆。

釣具の開発経緯や進化の理由。ルアーフィッシングに重きを置いた視点。締めには環境保護に対する啓発など、隙がない構成になっています。

世界に誇れる日本製の釣具と共に伝えるべきもの | Ocean Newsletter | 海洋政策研究所 - 笹川平和財団
海洋政策研究所は、海洋の総合的管理と持続...

日本の釣具は語るまでもなく世界最高峰ですが、そうなった要因はどこにあるのでしょう? それがわかりやすい一文があります。

結果的に「釣れる釣り場」は激戦区となる。釣り人からのプレッシャーにさらされた魚たちは神経質となり、ルアーへの反応が悪くなる。そんな状況下でも「釣れる道具作り」が求められ、結果的に対象魚やシチュエーションごとに先鋭化された製品が生み出されていく。日本の釣り人のクリエイティビティは高く、前述のようにルアーで狙える対象魚、釣法もどんどんと増えている。そうした日本の釣り文化と、そこから生み出される製品群は世界中の釣り人たちから注目されている。

https://www.spf.org/opri/newsletter/462_3.html?latest=1

日本は全国各地に独自の釣法が存在します。その理由は、全く同じ条件が重なる釣り場が稀だから

魚釣りの基本は、竿と糸と針を使って魚を釣り上げること。魚種によってその方法は変化しますが、より確実に釣ろうとする気概が、様々な釣法を生み出したといえます。

今でもいい技術をより研鑽しようとする魂こそ、日本のクリエイティビティに反映されています。

いい意味で「あいつらマジヤバイ」と畏怖されている日本

日本がクリエイティビティ(創造力)なのは世界が認めている。いっぽう自身達は凄さに気づいていない。

齟齬はどこにあるのだろう?

新技術など、発明する能力は外国が長けています。なぜかというと、面倒な仕事(作業)をより楽したい気持ちが強いから。

日本はその真逆ですよね。結果を早く求めようとするから、新技術を生み出す時間が与えられず、生産性向上の意識が理解されてない

ただし、ある1品に「極限」を付与するのは日本の得意とするところ。これが現在でも産業を支えているのです。

機械遺産Mechanical Engineering Heritage

機械遺産に登録されている「東芝機械(20年4月からSHIBAURA MACHINE)」のマスターウォームホイールは、歯切り加工でピッチ誤差1,000分の4mmというイカレタ精度を、60年も前に作り上げています。現代のオーパーツみたいなものです。

それを外国から見れば、「なんでそこまでやる必要あるの?」と言われる仕事。だが当時だからこそ必要だった精度でもあります。

クリエイティビティの地盤を作った職人たちの魂

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CITIZEN-シチズン時計株式会社オフィシャルサイト404 - ページが見つかりませんのページです。シチズンの腕時計についてご紹介しています。

日本製がブランド化できたのは、緻密かつ精密に、決して手を抜かない「職人」が当たり前だったことが考えられる。

特に超精密な加工技術は日本の独壇場だし、それは宇宙開発でも運用されていることは、よく知られているでしょう。壊れにくい自動車もそうだし、超高精度の機械時計もそうだし、あらゆる魚を釣ろうとする釣具もそう。

ただひとつ勝てなかったのが、簡素で画一化された大量生産による市場支配だけ。ようは「妥協」が許せなかったわけです。

アングラーは挑戦し続けるべきか、それとも妥協するべきか

主観でいうと、現在の釣具と技術は円熟期に入っていると感じます。

ここから1歩先に進むには、新しい金属や工作機械を作る必要がある。すると製造工程のリファインが必要でコストがかかるから、斜陽気味の釣り業界で実現するのは難しい。IT技術で目新しさを求めようにも人材がないし、戦う相手は「物言えぬ魚」だから最適化が難しい……。

魚は遺伝により「スレ」が継承されます。ルアーで釣り続けるためには、魚たちが見たことがない物を生み出し続けるのが近道。だからルアーの進化は早いのです。その極限は「自然界のエサそのもの」に該当しますが、今はエサ釣りでも釣れにくい状況になっていますよね。それはなぜでしょう?

答えは簡単──。魚が減っているだけなんです。

このことに関しても中村さんは語っています。

世界に向けて製品を売り込むと同時に、「せっかく釣った魚をリリースすること」をはじめ、釣り人のマナーについて意識を向けさせるような情報発信を行っていくことも自分の仕事であると感じ始めている。世界で釣りを経験すると、日本での釣りがいかに快適かを実感する。日本は釣りの対象となる魚種が多く、寒すぎず暑すぎない快適な気候の中で釣りを楽しむことが可能だ。こうした自然も含めた釣り環境と、そこで育まれた釣りの文化は世界に誇れるものだと思っている。経験とともにその思いは強くなる一方だ。感謝の気持ちを持って自然と接したい、そう考えるようになった。

https://www.spf.org/opri/newsletter/462_3.html?latest=1

いつでもどこでも釣りができる環境に私達は立っています。

そこから1匹釣って消費すれば、1匹の魚が水域から減るのは当然の話。それが1,000万人規模といわれる釣り人口がくり返すと、1年でどれだけの魚が消費されるのでしょう?

「港内にアジの群が入ってきて、1人あたり100匹の爆釣!」はわりとよく聞く話。でも数日したら釣れにくくなる。それは群が移動した可能性もありますが、釣りすぎで居なくなった──とも考えられる。種の減少を「環境変化」で済ますことが多いですが、古来から乱獲による絶滅がその原因であるほうが多いです。まあどちらにせよ、原因の発端は人間ですよね。

釣り業界の啓蒙活動も、海洋発展と改善も視野にして地道に活動を続ければ、いずれノーベル平和賞を取る方も現れるかもしれません。

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