冷凍保存は「まずくなる」と思われがち。
でも現在の生鮮輸送には、冷凍技術がふんだんに使われており、「冷凍はまずい」の常識は通用しません。
冷凍保存も正しい方法なら、熟成もできるんです。
それが「塩フリージング」と呼ばれる手法。
やり方はとても簡単ですよ!
塩フリージングに必要なのは「袋」と「塩」だけ
塩フリージングに必要な道具は意外と少ない。
- 保存する魚
- 密閉しやすい袋(ジップロックとか)
- 塩(食塩でも岩塩でもクレイジーでも好みで)
これだけです。道具が少ないからハードルも低いでしょう? やり方なんてもっと簡単! 魚に塩をまぶして冷凍保存するだけ!
塩フリージングのやり方
簡単な手順は以下の順で。
- 魚の水気を切る
- 保存するには切り身でもいいし、鱗がついた丸々でも可能
- 塩をガッツリまぶす(塩水に漬けても可)
- 密閉できる袋に入れ冷凍庫にイン
基本は”材料に塩をまぶして密閉し冷凍するだけ”。
魚だけじゃなく、肉や野菜でも可能です。特別なコツをしいていうなら、余分な水分をなるべく排除すること。
鱗つきの魚はそのままでも熟成できますが、少量の塩では身まで浸透しないため、新巻鮭みたいに塩で固めるくらいで。
冷凍前に水気はできるだけ切りましょう。水は凍ると膨張し、細胞組織を破壊する原因になります。これがドリップの出る原因。ひどいと食感がダメダメになりますから、水気は限りなくゼロまで処理しましょう。
冷凍することで寄生虫対策にもなる!
最強の寄生虫「アニサキス」は、冷凍でも倒すことができます。
その条件は-20度で48時間以上凍らせること。
48時間は家庭用冷凍庫での話。業務用の強力な冷凍庫なら24時間で可能な物もあります。家庭用は-20度に行かないモデルもありますので、事前にマニュアルで確認しておくのをおすすめします。
まぁ冷凍しなくても、加熱したほうが寄生虫対策は楽なんですけどね……。でもそれじゃ鮭のルイベは作れない。──そういうことです。
刺し身用の解凍柵は、生より味が落ちることは確かですけど、安全に食べるための方法と考えましょう。
近年は冷凍技術も向上し、瞬間冷凍で組織をなるべく壊さず保存できるため、生と冷凍の違いは昔ほど顕著じゃなくなっています。ありがとう水産業!
解凍はじっくり時間をかける「自然解凍」が正義
冷凍された生鮮食品は、常温か冷蔵庫内でじっくり溶かす「自然解凍」をしましょう。
レンジの解凍機能や流水を使うのは基本的にNG。レンジだと内部に熱が入るため、生臭さが増すこともあります。流水の解凍は水にうまみ成分が溶け出しやすくなるし、身が水っぽくなってしまいます。
解凍はあせらずじっくり。食べたい2日前から、冷蔵室でじっくり溶かすのがベスト。それか調理数時間前に常温下で放置しておきましょう。
▼関連商品:書籍で学ぶ塩フリージング
塩フリージングを紹介する書籍は多くありますが、第一人者に近いのはこちら。
書籍はやり方だけでなく、レシピが豊富なのがいいですね。