ボラが高級魚だった時代だってあるんだよ!

 

海面を勢いよく飛び出し、派手な着水音でアピールしている魚がいる。

釣り人だけでなく市場からも忌み嫌われる「ボラ」さんです。

専門に狙う人はほぼ居ないけど、クロダイのダンゴ釣りやサビキ、ルアーに掛かってくるなど、外道として名を馳せています。

 

水質が改善した今でも「クサイ魚」の代表格。

よく脂がのる身はねっとりと甘く、位置づけとしては高級魚であることを、釣り人はあまり知らない。

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ボラに限らず外道は大抵ウマイ

誰もが認め、広く知られる魚は「大衆魚」と呼ばれています。

それに含まれないのは「雑魚」とか、「外道」と呼ばれていますね。

きちんと下処理をしたボラの刺し身を、目隠し状態で食べてもらうと、大方は「なんだこのウマイ魚は!」と悶絶しそう。

 

魚はすべからく臭いと思うのですが、ボラは確かに独特の臭いがあり、「くっさ!」といわざるをえない。

その理由は食性と水質です。

クサい魚になったのは「水質汚染」のせい

ボラの好物はプランクトンに海藻類。

下気味に開く口は「コイ」と瓜二つ。その形状は、水底を吸ったり吐いたりして撹拌し、エサを取り込むのに向いている。

砂泥から植物性のナンタラを、体内の消化器官で上手に分別して食べています。賢い。

 

魚の臭いは人間の体臭と同じく、食性が要因であることが大半。オマケで水質ですね。

雑にいうと、ボラはサラダしか食べないベジタリアンなので、肉食とは違った臭い。──問題は、水底を掘り返して砂泥も食べていること。

プランクトンの死骸や役目を終えた海藻などは、水底に溜まります。それが日光や水温で発酵され、ドブっぽい臭いを出すわけ。

それを取り込むボラさんが臭いのは必然です。

 

ボラは太古から食べられている魚で、東京湾では”江戸前”でもあります。

臭いレッテルを貼られたのは高度経済成長期の頃。汚水がガバガバに放られて、動物たちをむしばむ物質が水底に溜まったり、水中を漂ったりしていました。

そんな環境下にいればボラだけじゃなく、内湾の魚は全て臭くなります。

 

──現在は水が綺麗になりすぎているくらいで、小魚たちのエサも減っているくらい。

磯にいる海藻好きの魚は海苔の香りがしますけど、ボラはそれと違う臭い。

澱んだ水域を好むせいで、外皮にしみ付いちゃうのでしょうね。

「ボラのへそ」は鳥の砂肝と似た器官

砂泥を飲み込んで、必要な食べ物を吟味するフィルターの役割をしているのが「ボラのへそ」。

これは胃の出口が発達した部位で、コリコリの食感が珍味とされています。

 

鳥の砂肝も似たような役割で、発達した筋肉を使い、エサをすり潰す消化器官。

ボラの郷土料理はけっこう多いし珍味もある

店頭に並ぶことはほとんどありません。

臭いで有名だから、「食べられるの?」と疑う人が多いせいで売れにくい。

ならちゃんとした所で食べてみるのはどうでしょう。

ボラ飯|香川県

ボラ茶漬け|石川県

ボラ雑炊|愛知県

有名所だとこのくらい。探せばもっとあるでしょう。

 

有名な「カラスミ」は、ボラの卵巣を塩漬けにして乾燥させた物。

産卵期である冬季に作られることが多く、冬はボラの旬です。

冬季は外洋にいる個体が多いため、臭いも少なく脂も適度で、食べやすい時期ですね。

 

珍味は文字通り”珍しい味”なだけで、別格に美味しいわけでもないです。カラスミは料理のアクセントに使うのが順当。

フレンチの魚料理によく使われていたりします。

外道のボラを本命で狙いに行くススメ

姿は見かけるけど、いざ釣ろうとすると難しい。

水中の埃を食べているようなものだから、1cmを超えるエサを単品で見せても素通りされます。

 

ボラが釣れやすいのは、クロダイのダンゴ釣り(の外道)。

水ではらはら溶けるダンゴに寄り、つっついて食べる時に、偶然エサが口に入って釣れることが多い。

 

次点がサビキ釣りで、白皮タイプを使えば撒き餌なしでも釣れます。

アジサバの小物狙いでも容赦なく襲ってきますが、仕掛けとタックル自体が弱いので、こちらの道具を奪っていく怪盗みたいな立ち位置。

釣りやすいのはせいぜい50cmくらいまで。2匹かかるとスリリング。

ガチ狙いなら、ハリスは1.5号以上が望ましい。それにタモを用意しておくこと。

50cm以上は大型魚ランディングのいい練習台になる

魚雷みたいなフォルムで、外洋や河川の急流をものともしない遊泳力。

引く力は強いほうで、魚体も大きく重くなるから、スポーツフィッシングとして楽しい部類になる。

普段は海面をぽんぽん飛び出ているくせに、ファイト中は真っ直ぐな泳ぎがメイン。

だからやりとりはロッドを右に左に倒すだけでいいから楽です。

 

ボラは80cm以上にも育つので、それだと「引きが優しいブリ」くらいの感覚。

でも専門に狙うのが面倒な魚だから、やりとりテクを磨くなら、淡水管釣りで60cmくらいのレインボー相手にするほうが効率はいいです。

 

ダンゴ釣りで大きく弧を描いている釣り人がいたら、少し観察すると魚がわかる。

クロダイは表面積が広く反転するため、ロッドをガンガン叩かれる感じになります。一方でボラやアイゴだと、ひたすら泳いで逃げるので、(ドラグを出すなら)ロッドが一定に曲がります。

それを知って何を得るのか──まあ何も得ないヨネ。

 

ちなみにボラがなぜ派手に飛ぶかは、あまりわかっていません。

体についた寄生虫を落とすためだとか、空気を吸うためだとか諸説ありますが、解明されていなかったりする。

魚を知る
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海釣りがメインで、たまに淡水もやります。2018年は身近な浜名湖で、ポイントを転々と釣り歩いてマッピングしたい所存。
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