滋賀県「琵琶湖漁師を年収一千万にできらぁ!」

滋賀県「琵琶湖漁師を年収一千万にできらぁ!」

琵琶湖漁業の存続に向け、10年計画で漁師の年収を一千万円ベースにするらしい。対策のため、滋賀県が3100万円を2021年年度予算に計上したそう。

大抵の人は「無理ぃ~」と思うでしょう。でも、わりと現実的な施策です。

琵琶湖漁師を年収一千万円にするには

漁師年収一千万計画の大筋はこう。

  • 漁業従事者を少数精鋭にする
  • ITを駆使して販路拡大をする

漁業従事者の年収ベースをあげるのは簡単。一定の水準以下を稼げないようにすること

現在までの漁業は、10枚切れのピザ(1切れ1千万)を100人で奪い合うような形。1切れなら1千万でも、1切れを10人で奪い合えば100万くらいにしかなりません。

もし10枚を10人のみで分け合えたなら、年収一千万の漁師が10人生まれることになります。

例えば琵琶湖の水揚げ総額が年間100億円なら、1000人までを従事させることで、年収一千万ベースのみになるってこと。

簡単でしょう? 少数精鋭にするってことは、こういうことです。

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IT技術で販路うんぬんの話は……。まあ、プレゼンのウケ狙いだと思います(辛辣)。

琵琶湖漁師で何人が高年収にありつけるのか

琵琶湖の総水揚げ量と販売額がわかれば、何人が一千万プレーヤーになれるのかがわかります。

滋賀県の水産統計に「琵琶湖漁業魚種別漁獲量」「琵琶湖漁業魚種別生産額」の資料があるので、参考にしてみました。

水産統計|滋賀県ホームページ
琵琶湖漁業魚種別漁獲量の切り抜き

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5223653.pdf

琵琶湖漁業魚種別生産額の推移の切り抜き

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/1012071.pdf

漁獲量と生産額に関しては、平成3年から減少し続けています。

生産額のデータがH20までしかないため、H20年の漁獲量と販売額を参考にして、R時代の生産額を考えてみましょう。

H20の漁獲量は1,816。生産額は1,246。おそらくトンと百万円の単位。

そうするならば、R1の漁獲量は896トンで、販売額を推察するなら8億円前後ってところ

琵琶湖漁業の生産額切り抜き

https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/38802.pdf

表をみると、漁獲量に対して生産額も減っていることがわかるため、年々水産物の単価が下がっていることが読み取れますね。

……ふむ。

もし全員を一千万プレーヤーにするなら、100人程度しか採用できないのでは?

この問題から従事者と数字しか見ない勢の乖離がわかる

数字しか見ない勢──つまり、漁業改革を打診した行政の立場なら、「現在の生産額を一千万ずつ従事者に配れば簡単じゃね?」と思います。

従事者からすれば、「1人だけで漁業やれたら苦労しねぇ!」と反論するでしょう。

仮に、10人が一千万プレーヤーになれる試算とします。

数字しか見ない勢からすれば、10個の会社(個人事業)として立ち上げて、それぞれ一千万円以上の販売実績があれば、この施策は大成功!

従事者からすれば、単身で実現できれば苦労しません。実際は整備代に漁具代などの経費があるし、単身で不可能なら人を雇う必要もでてきます。

年収は一千万でも、経費で九百万かければ、手元には百万円だけですよね?

この場合でも、税務署に「年収一千万」と申告するため、国から一千万プレーヤーと認められます。しかし経費は年収から引く必要はないため、所得は100万円のみ……。月収ベースにすると手取り10万ってことに。

数字だけを調整するなら、簡単でしょ?

琵琶湖の漁業は厳しい状況だ-統計を見て考える | 既定ではないブログ
琵琶湖の魚は美味しいですよね。しかしながら、琵琶湖における漁業は厳しい状況となっています。琵琶湖の漁獲量が減少すると同時に、漁業従事者・就業者が減っています。また、最近はこあゆの漁獲量の減少も問題となっています。

漁業の管理統合を進めるのは資源保護につながる

漁業従事者を少数精鋭にするのは、わりと良い案だと思います。

企業がリストラしてコストカットをするのは、簡単に利益を増やせる手法だから。……同じく、漁業の年収ベースを上げるなら、従事者を一定水準にコントロールするのが簡単。

もしくは、商品価値を上げて単価ベースを強くするか。

しかし、漁業を「やめろ」といわれて「アッハイ」と即答する人は、そうそう居るもんじゃないし、統合するなら若手を新興勢力にするのがベストじゃないかな。

琵琶湖の取り組みは、漁業関係者なら今後に注目するべきでしょう。

いずれ各地の限定水域(漁協管轄)も同じ様になっていくはずです。そうしないと、漁師を守れない段階に入っていますからね。

25年に漁業者160人、漁獲量900トンが目安らしい

現在の漁業者がH30で800人ほど。漁獲量は同年で876トン。

最盛期は1人当たり2トン以上の水揚げがあったけど、現在は1人当たり1トンか未満の年が続いてます。

滋賀県の施策として、最終的に以下を目指す模様。

県は25年時点の目標を漁業者160人、漁獲量900トンと定め、少数精鋭で漁業を継続する目標を立てる。水産課は「ニーズを意識して琵琶湖の水産資源を最大限に活用し、魅力ある漁業に転換していきたい」としている。

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従事者を現在の半分以下にするけど、一人あたりの漁獲量は5トン以上獲れよと。……獲りすぎといわれる時期よりも多いけど、大丈夫か? マジで数字から理想しかいわないメンしか居ないのか。

……決して不可能とまでいわないけど、1人に伸し掛かる作業量を考えると、大企業でリモートしてるほうが絶対楽だってことはわかる。

漁業だけで稼ぐより、副業として多角な働き方をあたり前にするほうが、現代っぽいと思うのですが。自然に在る物だからシーズンも関係しますしね。