Amazonの釣具カテゴリでルアーを眺めていると、見知ったフォルムだけど、めちゃくちゃ安いのがあるぞ! と気づく。
増えて来ましたねパクリルアー。
安さとブランド、どっちを優先する?
この記事のまとめ
この記事は、Amazonで発見した安価なパクリルアーについて述べています。特に、メタルジグのパクリが多く、例えばDUOのフリッパーに似たルアーが本物の半額以下で販売されています。この記事では、これらのパクリルアーが金欠アングラーにとって助かる商品である一方で、知的財産権の侵害についても触れています。知的財産権は、特許権、意匠権、商標権などが含まれ、これらは企業や個人が生み出す製品を守るための重要な権利です。パクリルアーが訴えられる可能性はありますが、実際には証拠集めや論証が難しく、フルコピーでない限り逃げ切られることが多いです。釣具業界は知的財産権を強化し、法務に力を入れるべきだと提案しています。特に、個人ビルダーやスタートアップを守る制度が必要であり、釣具振興会や協会が代行して支援するべきだと結論付けています。
本物の半額以下!驚異のコスパクリルアー
パクリルアーで最も多いのはメタルジグ。
型を取って鉛を入れるだけでだから楽なのもあるでしょう。
例えばこの商品。
DUOのフリッパーにクリソツだけど、2本セットで価格は半分以下。
……やっべぇな。
探したらスピンビームもどきもあるんですね。
どちらも釣具メーカーなら1本で1kくらいする製品。
細部が違うとはいえ、ほぼ同じ物が2本3本買える値段なんだから、金欠アングラーにとっては非常にタスカル商品ではないでしょうか。
……ところで、これって訴えられないの?
自社製品を守りたいなら知的財産権を学ぶべき
ここで話は法律にシフトします。
個人や企業が生み出すモノは「知的財産権」で守られています。
知的財産権に含まれる”権利”は、良く耳にする特許権をはじめ、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権など。これらは申請することで認められたり、生み出した時点で発生することもあります。
ルアーなり釣具業界で関わるのは、主に特許・実用新案・意匠・商標辺りかな。
パクリルアーを訴えることは可能なのだろうか
先のパクリジグを例にすると──
サーフルアー好きが一見すれば、DUOのフリッパーとシマノのスピンビームを連想するでしょう。
なので、意匠権を侵害している可能性はあります。
しかし、フリッパーが意匠権を持ってなければ効果はありませんし、もしあったとしても、どこか1箇所変えるだけで、訴えることも難しくなります。
知的財産が厄介なのは、フルコピー(全パクリ)で「完全にやってるよね」レベルじゃないと、証拠集めと論証が難航しやすく、泥沼化しやすいからです。
それっぽく作るだけで逃げ切れるから、パクリが横行するわけですね。
デザインを守るなら釣具業界が法務に力を入れるべき
ジャンプライズが過去に、他国が先に国際商標権を取ることで、乗っ取り未遂なんてこともありました。
韓国で人気があったジャンプライズの商品は、いずれ自国に来るだろうと予想し、先に韓国での商標権が取られたため、逆にライセンス料を支払われそうになった……みたいな話。
これはどの釣具メーカーにも起こりうることです。
知的財産の権利は特許庁に申請して認められるため、基本的に国内が先に権利を発動します。グローバル展開をするなら、展開したい国ごとに申請するか、国際登録かEU連合で登録するかになります。
企業は国が守ってくれますが、生み出す物は自ら守る必要があります。それが知的財産権ですし、中小が手を入れにくいところ。
日本の釣具業界はパクリより高い値段で売るなら、知的財産を含む法務にも力を入れるべきではないでしょうか。
釣具振興会とか協会が、代行してあげればいいじゃないかって思う。特に気鋭なデザインが生まれやすい個人ビルダーなりスタートアップを守る制度が欲しいところですね。