大型連休で激混み必死なシーズン中、遠州灘サーフで比較的空いているポイントはどこにある?
当記事は遠州灘サーフの西部に当たる「愛知県」が中心。静岡県よりエリアは狭いものの、釣れる魚種のバリエーションが多く、バラエティーにも富む面白いポイントです。この地域は”遠州サーフ”よりも、地元では「表浜」と呼ばれています。
連休の遠州サーフ西部地区で釣る!(表浜エリアの特徴)
愛知県の表浜は、「海食崖」と呼ばれる形状をしています。崖が海によって削られ、砂が堆積することで砂浜が産まれました。外洋に面した砂浜として、全国でも珍しい形状です。地形マニアはそれを楽しみに来るのもアリ(ブラタモリ感)。
崖が削られて出来た地形のため、海岸に降りるには山道のような細い道を下る必要があります。普通車のすれ違いが十分な道はごく一部で、大半は軽自動車同士ですら困難な狭い道が多い。そのため車の運転に慣れない人を拒む一面も。
ちなみに、自動車で砂浜へ乗り入れることは全域で禁止。
「じゃあどうやって砂浜間を移動するんだ?」と疑問に思うでしょう。安心してください。砂浜沿いに(一応)車が走れるレベルの道が存在します。オフロード車なら静岡県の湖西市エリアから、愛知県の田原市エリアまで、海岸沿いを移動することも可能です。なので侵入口を区切られている静岡エリアよりも、ポイント間の移動は楽──かもしれない。
海岸の利用者はサーファーが多め。東海地区民が多く訪れるため、夏期は特に混雑します。
それ以外はアングラーの独壇場となりやすく、釣れる情報が出回らない限り、わりと快適な釣りを楽しむことが出来ます。これはエリアが横に広く、移動がしやすいことも手伝っていますね。
各海岸にはトイレと洗い場がほぼ完備されています。これは静岡県側も見習ってほしい。
個人の感想は、「静岡より海岸へ行きづらいが、降りてしまえばどうということはない」ような場所。最大のメリットは、海岸を車で大移動することが可能なこと。走りながら「ベイトいないかなー」とか、「ナブラあるやん!」など、広いながらピンポイントで”釣れそうな場所”を探しやすいのがメリットかと思います。
というわけで、各地を細かく掘り下げていきましょう。
【豊橋地区】道が広めで運転下手に優しいエリアで初心者向け
- 愛知サーフでも釣りが最もやりやすい。初心者向け
- 青物は回遊次第
- フラットは少なめだが地形変化を学びやすい場所
小松原の「王寿園」と、伊古部の「野外教育センター」がある箇所は、海岸までの道が広めです。その代わりに海岸での移動がわりと制限されます。一部で砂が多く堆積しているので、乗用車で突っ込むともれなくスタックするので注意。
駐車場とトイレが完備されているため、オールシーズンでサーファーが多め。休日は車を停めるところがないことも。海岸道路も一部舗装されているため、いろんな意味で初心者向けです。サーフルアーの入門ならここからどうぞ!
釣りをするなら昼から夕方の時間を選ぶのが吉。フラットよりも青物の実績が高め。コノシロが寄る秋~冬にかけては特にブリ(ワラサ)が狙い目です。キスの投げ釣りもオススメ。
地形変化が乏しいため、フラットが着きやすい環境ではないですね。ハイシーズン以外で狙うなら、「俺は釣りをしたいんだ」の気持ちで軽く来るのがいいでしょう。
【田原地区】道は狭いがフラットと青物の狙い所が多い
- 青物の実績が高い
- フラットを狙うなら東側
ここから伊良湖岬までは、「降り口=サーフィンorフィッシング」になるので画像説明は割愛。
田原地区は主要道路に「百々」「浜田」など、海岸への案内板があります。しかし、一方向からしか見えないため、進行方向によっては見逃しやすい。目印になりやすい建物も少ないため、ナビで地点登録をしておく方がいいです。
このエリアは特に道が狭く、所によっては崖崩れで通行止めもワンチャンあります。道幅の平均は普通車1.5台分くらい。交通量は少ないので、すれ違いリスクはあまりないですけど、運転に慣れない人はなるべく避けるのがいいでしょう。
海岸沿いの道路が機能していないので、ポイントを探るのは足が頼り。
夏の終わり頃はワラサ祭りが開催されます。潮に乗って伊勢湾から出てくる奴らなので、伊良湖岬で「釣れた!」の第一報が来てからがチャンス。深めのポイントなので、何も考えず青物コイコイとぶん投げ続けれるのが楽、かな。フラットは百々辺りが狙いやすい。
【赤羽根港周辺】サーファーズパラダイス
- 赤羽根港以外の釣りは難しい
赤羽根はサーフィンポイントとして全国区の知名度。駐車場も完備され、宿泊施設や道の駅もあったりと、海のレジャー客がここに集中するため、夏に釣りをするのは港内以外ほぼ無理です。
この辺から岩肌が目立つようになり、場所によって地磯ぽい雰囲気があります。そのため遠投した先で根がかりもあるのでロストには注意。赤羽根港で釣りをするなら、足場が高めなのでネットが必要。青物を狙うならアリ。ここは県内でも気軽に釣りができる環境なので、休日は釣り人が多めですね。
サーフルアーをやるなら東側のエリアが主になります。○で囲んだ以外の場所なら比較的空いています。多少歩く必要がありますけどね……。それ故に競争率が少ないメリットもあります。
西側は消波ブロックが沖にあるし、サーフィンエリアでもあるため、釣りは向いていません。ベイトボールがあれば選択してもいいかな?
【渥美地区】岩礁帯が目立つテクニカルなエリア(中級以上向け)
- シングルフック推奨(メタルジグ推奨)
- 競争率が低く居付きのフラットを狙うならここ
一帯がほぼ岩礁帯のため、まずサーファーは来ません。そして岩が多く釣りがしづらいため、アングラーも比較的少ない快適なエリア。瀬戸内に面したサーフだと同じような場所があるため、全国で戦いたいサーフルアーメンが実力をつけるにはいい選択かもしれない。
フラット狙いのメソッドである「ボトムをとればいい」のやり方だと、すぐ根がかりしてルアー無くして意気消沈もあります。このエリアは魚を何度も掛けていますが、道中の根にやられて姿を見てはいないという、私にとってはツイテナイ場所だったりする。
西側の「堀切海岸」は普通の砂浜です。サーフシーバスで有名ですね。わりと深めで季節風が強い厳寒期は風裏になるため、表浜全域でも釣りがしやすいほう。そのため釣り人が年中多めです。ただし、駐車場は少ないです。
表浜の釣果は大体ここがメインですね。
【伊良湖岬】秋は鉄火場。夏は大アサリを食べる場所
- 年間通してガチ勢が集まるエリア(コワイ)
- 大型イッパツを狙うならここ
- 岬の先端はランディングネットやギャフがあると多少楽
岬の先端は遠州サーフでも屈指の好ポイント! ブリやシーバスで有名です。
ただし手前が岩場のためランディングは難しい。西部エリアでもガチすぎるアングラー達が集まる場所なので、初心者がいきなり入るとたじろぐかもしれません。とはいえ、近年は砂が堆積して浅くなっており、でかいシーバスを狙うなら「船からやるほうが早い」って状況。
岬は一発狙いが集まります。その手前にある恋路ヶ浜と湾内側は、ほぼ砂地のためフラット狙いがいいでしょう。伊勢湾から外洋に落ちるブリの通り道だから、釣れだすと遠州灘沿岸屈指の鉄火場になります。徹夜待機組も居るくらいで、ハイシーズンは初見バイバイなポイントでもあります。
釣りがしづらいなら観光するのもアリでしょう。渥美半島は「どんぶり街道」なる取り組みがあって、丼物料理のスタンプラリーが楽しめます。
全部1日で周るのが無理ゲーすぎますけど……。
表浜サーフを攻めやすいルアーチョイスとは?
表浜は「岩礁」「遠浅」「ドン深」「急流」と地形が選り取りみどり。エリアによって攻めやすいルアーが違うため、向いているルアーをちょっと紹介します。
フラット狙いならジグヘッド・メタルジグ
全体の8割は「遠浅の砂浜」なので、ヒラメを狙うならチョイスはそれほど困らない。
フラットの実績は「ワーム」が最も多く、勢力を伸ばしているのが「飛びすぎダニエル」かな。地形変化に富んでピンで狙いやすい西側はワーム。馬の背が少なく水深も一定気味あ東側で飛びすぎダニエルが向いています。フォローでメタルジグと鉄板バイブがあれば、特に困ることはないでしょう。
ジグヘッドとワームがセットになっている、「BWハウル」や「浜王」なんかがオススメ。東側なら根がかりの心配もまずないため、ここから”地形に着くフラットを狙う”ことを学び、腕を磨きましょう。
青物とシーバスならメタルジグ系とシンペンで
正直いって……、「飛びすぎダニエル」ひとつあればいいんじゃないかな?
20gを早めに巻いて青物とシーバス狙い。30gを遅く巻いてフラット狙い。そんな感じで切り替えが上手くできます。岩礁帯は落としすぎに注意すべきだけど、早巻きで上のレンジを狙うなら関係ないですしね。
これで食わなければアピールが強すぎるか、動きが早すぎるかに絞られるため、重めのシンペンを使い、フォール主体で攻めましょう。これで表浜はどこでもなんとかなります。
大型連休中に釣りをするなら表浜をオススメしたい理由
遠州サーフの愛知県エリアは、道に混む理由がないので(失礼)、大型連休中でも移動しやすいことがメリットです。しかし高速道路からアクセスが悪いため、どっちもどっちですね!(諦め)
宿泊するつもりなら、事前に予約するのを勧めます。旅館や民宿など、料理が出る前提の宿を選びましょう。なんといっても、周りに飲食店がほぼないから。素泊まりを選ぶと食事に困るハメになります。そのため、家族連れで旅行と釣りを楽しみたいなら、静岡県側が向いていますね。御前崎とか──。