センスは天賦の才ではなく、引き出しの多さ(応用力)と思っています。
魚釣りでも「1匹を引き出すセンス」とか、意識高いルアーメンがよく使っている気がする。
それを磨く、または鍛えるためにはどうしたらいいのだろう?
──を書いてみました。
魚釣りのセンスってなんだろう
魚釣りでセンスが問われる場面というと……
- エサ・ルアーの選択
- 海況に合った道具と仕掛け(リグ)の選択
- 棚(レンジ)を合わせる
- 釣れる場所・瞬間を見極める
大雑把にこんなところでしょうか。
ある程度やったことのある人なら、必要なのは「経験」と語るでしょう。
経験は「積む・研鑽する・重ねる・得る」などと表現され、体験によって蓄積された教養であるといえます。
教養は自分で書き込んでいく辞書みたいなもの。
記憶は知識で身につけるより、体験して身につけるほうが引き出せやすい。それをエピソード記憶といいます。
記憶を教養とすると、そこから必要な情報を取り出す早さが応用力。
それらを選別する能力が「センス”であると思います。
ある魚に対して、それだけしか釣れない専用のルアーは、ほぼ存在しません。
シーバス用でもヒラメは釣れるし、クロダイだって釣れる。タイラバでも根魚は釣れるし、マダイだけしか釣れないことはない。
専用の括りは、固定観念みたいなもの。
それを場面によって使い分けれるのが、釣りにおける「センス」ではないでしょうか。
視覚的にわかりやすい教養と応用力の重要さ
応用力を説明するのに適しているのが、光の三原色である『RGB』
赤・青・緑の三色で表現できる色数は、いくつなのか知っていますか?
最大で1677万色です。
基本の三色だけなのに、濃淡だったり組み合わせたりで、これだけの色を表現できます。
でも基本を知らないと、1677万全てを表現するのは無理な話。
つまりセンスとは、基本となる教養がないと、成り立たないものなんです。
魚釣りのセンスの磨き方
ストイックに1魚種を狙う人は多いし、1箇所に通い続ける人も多く感じます。
こういう人は安定した釣果を稼ぎやすいですが、他所に行くと意外に平凡以下になります。
そうなる理由としては、ポイントに対して最適なタックルは存在する、というわけです。
ソルトとフレッシュ問わず、どんなポイントでも共通項が存在します。
それを見いだせるのは経験。
「ここはあそこに似てるなー」とか。
最短で最適なタックルを選ぶには、センスが問われます。
センスを磨くには、3箇所の違うポイントでシーバスを釣ってみよう
応用力を鍛えるのに適しているのは、おそらく「シーバス」と「ブラックバス」です。
シーバスは海だけじゃなく川にも居るし、ほぼ全国に分布しているため、地域ごとに特化した釣法も存在するほど。
知能も高いとされ、攻め方も絡めれば、メソッドは無限大になります。
何故3箇所にしたのかは、説明のしやすさもあります。
3箇所で釣りあげると、だいたい共通する点について理解できるためです。
3箇所を別々に、そこだけで釣りをした場合は、こんな感じで独立した経験・知識となりやすい。
流れのほぼない港湾だけを経験していると、流れの強い磯や河川は、すんなり対応するのは難しい。
向いているルアーも変わるし、生息しやすい場所も変化するので、自分の常識を覆される気分になるかもしれません。
しかし、3箇所それぞれ経験すると、見えてくる共通点があります。
それは「対象魚(の生態)は変化しない」こと、「狙うべき場所はだいたい決まっている」こと。
3箇所のどこでもボイルは発生するし、流れが変化する場所(ヨレや潮目)は存在するし、水色と表層を見ればおおよその水深はわかるようになるし──などなど。
魚さえ変わらなければ、ポイントががらりと変わっても、共通するメソッドは思っているより多いものです。
「あの時は雨だったけど爆釣したなぁ」とか、「ベイトに合わせなくても釣れるなぁ」など、他所で経験したことは、どこでも可能性はあるってこと。
そこを見いだして、即座に対応するのが、魚釣りにおけるセンスであると考えます。
センスを磨きたければこだわりを捨てよう
こだわりを持つことは悪いことではないです。
──が、新しい何かを生み出すには邪魔になります。
釣れやすいルアーは存在しますけど、ある一定の条件が重なった上だから、どこでも通用するわけじゃあない。
ホームのポイントで使っている、釣れやすいルアーがあったとして、それを好んで使い続けても、成長はしません。
たまには違うルアーを使うだけでも、進化はしていきますよ。
「これで釣れたなら似た物を使ってみよう」とか「別の方法を試してみよう」という意識を持つだけで、センスは進化していくし、引き出しが多くなっていきます。
ひとつにこだわらず、色々な魚を狙ってみて欲しい
成長できる人とは、探究心と好奇心をあわせ持ち、決して完璧と思わない人です。
シーバスのランカーを求め続けるとしても、釣れやすい条件と場所こそ知識で得ることはできますが、実際には通うことでしか理解できないし、結果は出せません。
釣具店のコーナーで、普段ルアーしか見ていないのならば、エサ釣りの棚を見てみましょう。
今のリグで満足していないのであれば、何か変化する”きっかけ”が、そこにあるのかもしれませんよ?
誰もが「無駄」と感じることほど、新しい手法が眠っているものです。