放射能汚染で出荷制限がかけられていた「底物」に光が射す。
あれからまだたったの5年だが、東電が凍土壁で間抜けさを再度露呈している隙に、自然界では着々と”あるがまま”の姿を取り戻しつつある。
いわき市漁協の主力である「常磐ヒラメ」が、再び市場を賑わせる時がきた。
福島県沖のヒラメ漁が9月1日から試験操業開始!
沖合での試験採取では基準値以下の個体ばかりであり、国はヒラメの出荷制限自体を既に解除はしている。
先月頃──再び基準値を超えるヒラメが見つかったとの報告で、漁業の復興に水を差す結果だった。が、原発敷地内の港内で発見された物ということで、未だにあそこの復興は進んでいないと実感する。
そのせいで物議を醸していたのが「操業をいつにするか」だった。
漁師は国よりよっぽど慎重な判断をしたといわざるをえない。
なぜ放射能に汚染されたのに基準値以下の個体が増えたのか
原爆と原発による放射能汚染を経験した日本。
チェルノブイリの件もあり、ン万年続くともいわれる放射能汚染から、海洋資源が立ち直ったのは何故なんだぜ?……と思う方も少なからずいると思います。
核燃料の質うんぬんをまともに書くとクッソ長くなるので省きますが、簡単にいうと──
原爆は規定量を空中で爆発四散させ燃え尽きたので、風雨で流れれば地表の汚染はほぼなくなります。
対して原発は核燃料が燃え尽きるまで生み出し続けるから、周囲へ影響を及ぼす期間が段違いになります。
つまり、発生源が存在しないかし続けるかの違いです。
生体のサイクルが一周した説が濃厚?
「底物」は総じて寿命が長い傾向がある……と思われがちですけど、大抵の魚種は5年以上の生存例が多く、ヒラメに至っては10年もザラです。
マグロも20年前後生存するし、「古い個体が死滅して生まれ変わった」と考えるのはちょっと違うんじゃないかなと。
「悪い物は食っても出せば大抵なんとなる」を実践で証明してくれた、とも受け取れます。
これは福島原発による海洋汚染をシミュレーションした画像。
察するに”発生年で汚染物質の流出を完全に防げた場合”を想定していると思われます。原発港内の魚は未だに基準値の100倍はくだらない模様だし、汚染水の流出は完全に防げていないようなので、”May 2016”の状況とは異なるかと思います。
これを”前向き”に考えると、原発港内で汚染はほぼ確実に食い止めることに成功しており、外洋への影響は初期に放出された分だけ──と考えられる。
政府発表では「原発0.3km以内でブロックされている」とのことなので、それを証明している結果とも。
ちなみにそれに対する反対意見も多いのだが、アサヒるを筆頭に香ばしい記事しかないから、闇雲に反論しているだけのように聞こえる。
未だに汚染水を外洋に全力で垂れ流しているならば、いわき漁協が試験操業をすると公言することもないでしょう。
試験採取にも関わっている信憑性が高い記事がこちら。
気になる「5年手付かずの漁場は資源が豊富なのか?」
先のG7会議で水産資源については議論されており、近年ではウナギに続きマグロも保護対象になると示唆されています。
研究では、「3年何も獲らなければ全ての資源は回復する」といわれています。
ということは、福島沖の漁場は(資源量的に)かなり豊かになっているかもしれません。
放射能汚染による奇形はともかくとして、巨大化は単にそうなるまでに獲られなかったためが有力。
……まあ初年度に「でかいの沢山獲れて笑いが止まらねーw」から翌々年、「なんか少なくなってない?(´・ω・`)」まで想像できる。これは今まで何度も繰り返してきたことでもある。
この試験操業を機に、日本の漁業を見直そうとも考えて欲しいものです。
「若者の魚離れ(笑)」とかいってるのに、右肩で漁獲量を増やしていこうとする考えがちょっとおかしい。
釣り人もたくさん釣って近所にタダで配るくらいなら、それを糧としている漁師への配慮も考えて欲しいところです。
自分で処理しきれない量を獲るのは、どちらもただの”乱獲”じゃない?