アングラー(釣り人)について、常々感じていたことがある。
”趣味”としてある程度継続した者が行き着く先は「2つ」あることを。
魚を釣るのを好きか、魚を釣るのが好きか……。言葉ひとつ違うだけで、価値観も変化する。
よってこの二極は相容れない、悲しい存在同士でもある。
「魚を釣るのが好きなタイプ」は特にここがうるさい
☑魚のサイズにこだわる(メジャーを必ず携帯する)
☑環境問題に敏感
☑釣れた場所にこだわる
☑マナーに実は疎い
だいたいこんなところ。
ではそれぞれを、掘り下げてみよう。
魚のサイズにこだわるのは記録したいから
魚を釣るのが好きな人は、必ずメジャーを持っているし、写真を撮ったりして”記録”に残したい欲望がある。
それを”競う合う”ことが好きだから、釣り大会には強い興味を覚える。
単純にいえば「自慢」への渇望だし、「デカイのを釣るほうが、釣りが上手い」と思い込んでいる。
方向性はどうあれ、達成するためには努力を惜しまない。
環境問題に敏感な理由
自然でする”遊び”であるため、環境問題は直結する問題。
定期的に「ゴミ」と「リリース」の問題で揉める釣り人たち。その理由は単純。
深層にあるのは、「ポイントが減るから」と「魚が減るから」であり、矛先として”環境”が標的にされる。
だからこそ”魚を釣りたい人”にとっては死活問題となり、この手の話題は尽きない。
「漁師のほうが──」と矛先を変えることも多く、いってしまえば言い訳を探しているだけ。
あるがままの自然に異物を持ち込んだのは人間であり、環境を破壊するのは結局のところ、人間でしかない。
釣れた場所なら釣れると思っている
魚を釣りたい人は、釣れた場所(ポイント)を知りたがる。
……当然といえば当然だし、有効な手段であることには違いない。
しかし、自分で探そうとしない。
「アレが釣れるみたいだから、釣りに行こう!」──というタイプ。
スタイルが確立しているわけではなく、季節毎に合わせるだけなので、魚釣りの知識は狭くて深くなる。
だから他所の畑を毛嫌いする。
マナーに疎いのは視界が狭いから
端的にいえば、「釣れるポイントを守るためならなんでもする」から。そういう人ほどトラブルを起すことが多い。
マナーの方向性も、”釣りにおける”こととして備わっており、広義の”地球環境”に対しては疎かったりする。
ポイントの奪い合いで揉めるのは、”そこで釣れた”から、そこでやりたいため。
ゴミを持ち込んで仕掛けを投げ込むのも、魚を釣るためを正当化するため。
釣り人目線と、それをしない人の目線は、違うものである。
みんなでワイワイするのが好きな「エンジョイ勢」が多い
釣り情報を共有する、またはしたい過程で仲間が増えていく。
釣りにも複数人で行き、写真を撮ったりと、傍から見れば楽しそうに見え、その世界に踏み入れる”きっかけ”としてなりやすい。
しかしながら、「魚釣りが好きな人」とは馬が合わない。
なぜならば、”価値観が違う”から。
だから正解なんて、無い。
それぞれが思うがままやりたいようにやればいいし、無理することもない。
答えがないからこそ、終わりを決めなければ生涯かけて楽しめる趣味なのである。