どんな業界も情報は武器になるし、金にもなります。
「◯◯釣れた!」の情報は、釣れないのがイヤな人であれば、常に知りたいでしょう。
でも、昨日は良くても今日は駄目……なんてこと、自然相手ではよくあること。
今回は「第三者の釣り情報をどこまで信じたらいいのか?」ってお話。
釣れた情報をどこまで信じたらいいのか
私は最低でも週1回、静岡県の中・西部の釣果情報は耳にしたり、目にしています。
それは新聞であったり、ウェブだったり、主に団体が発表する情報。
週1回とか定期の発信だから、習慣化しているのもあります。
でもそれは鮮度として古く、「一週間のまとめ」みたいなもの。
だから翌週の参考より、釣れた(であろう)魚と水温を照らし合わせて、シーズンの移り変わりの目安にはしています。
「今週はこれが釣れて、あれが釣れなかったようだから、次はアイツが来るかも?」って感じに。
この週間情報を年間でまとめてから、改めて見直すと気づくかと思います。
「だいたい釣れる魚って決まっているんじゃね?」と。
もちろん地域による──。気候と水中が類似する地域はほぼ無いですから。
旬から次に何が来るかを予測する
生鮮食品には「旬」があります。
これは一番美味しい時期とされていますし、消費も進むので、市場でいうと「出回りやすい=収穫が多い」時期です。
魚でいうと栄養を蓄えるタイミングが旬にあたり、それは産卵期前とされています(該当しない種もある)。
産卵への移行は季節毎で、それは水温がきっかけと結論も出されている。
この時期は産卵場所へ集団で移動をするので、漁もしやすく、漁獲量も安定しやすい。
ようは「習慣化された漁のタイミング」なわけです。
たとえばヒラメでいうと、産卵期は春~夏にかけてとされており、旬といえば冬ヒラメといわれる12~3月ですね。
サーフで狙うなら、産卵で沿岸に寄る春先(4月前後)が最もチャンスがあります。
実際は通年どこかに留まっているけれど、それが釣り人の手が届く範囲とは限らない。
『◯◯が釣れた話』ならば、季節問わずに月イチの定期くらいで耳にすると思います。
でも投げれば釣れる爆釣の話に限ると、年間で2回程じゃないかな。
それを予測するために、1年間のうち「この月はアレが、次の月はコレが」の釣り情報は、ある程度頭に入れておくほうが有利です。
乗り遅れないために信頼できる情報提供者をみつける
とまあ釣れるであろう情報は、分析によってある程度は予測できます。
3年間集めた情報誌を読み返すと、似たような記事がローテーションされているだろうので目につくはず。
そういう情報があっても、ピンポイントで狙い撃つのは難しい。
その日に行けるとは限らないし、データだけでは海況が見えないから。
そんな時は先行者が発する情報が頼りになります。
ただ「釣れたor釣れない」だけではなく、水中の様子まで知れる人が望ましい。
そんな聖人君子のような提供者なんてほぼいませんし「情報を提供する=ポイントが混む」のは必然だから、事後で知らせることが大半。
とある人がコンスタントに魚を釣っていて、そのポイントを公開するかしないかの話となると──これを「保全」と考えるか、「独占」と考えるかに分かれるでしょう。
多少なりとも「もったいぶりやがって」とか、「私だけが釣りたい」など、独占の方向で考える人がいると思われます。
こういう話を頂戴するには、ネットが発達しようがやはり横の繋がりが強い。
コンスタントに釣果だけをあげたいのであれば、「釣れた情報」を共有できる友人ネットワークを構築するのが確実。
漁師は漁期で動かざるをえませんが、釣り人は良い言い方をすれば自由です。
仲間同士の口コミは、昔から確実で新鮮な情報源であり、友人の多さはチャンスを広げる一手となります。
おいしい話には裏がある?
浜名湖は他所からすれば広大で、魚種も豊富だから「釣りが楽しそうだね」とよくいわれます。
現実を知っていると、広いようで生息する魚種はそれほど多くないし、シーズンごとに釣れる魚はだいたい決まっています。
浜名湖の対象魚たちは、釣れないとされる時期以外、どこにいるのでしょうか?
メバルはともかくカサゴは通年岩礁帯にいる。
冬期は根魚の産卵期で釣りが盛んですけど、ぶっちゃけ「根魚以外を狙うのが難しい時期だから」って理由のほうが強いです。
クロダイ・キビレは深場や外洋へ落ちるし、シーバスも親玉は同様に移動している。
それらは全て浜名湖から居なくなるわけじゃないが、盛期に比べれば絶対数は少なくなるし、届かない範囲に居ることが多くなるので、釣りにくいだけってわけ。
シーズンで釣れるかもしれない魚種なら決め打ちができる
ある程度釣れる魚が予測できるのなら、情報も「~であろう」とか、希望的観測で出すことも可能。
サーフでよく経験してますが、ズラーッと横一列に並んでいて、誰か1人でも釣れたら「釣れた」ってなるし、誰も釣れなかったら「渋かった」ですますことが多い気がする。
釣れるであろう情報なら、いくらでも憶測で出せる。
ルアーがかかった魚を写真にとっても、「本当に釣れた魚なのか? 持ち込みじゃないのか?」と捉えられることもある。
私は半永久的に残る記事に書いている以上、やましいことはしていないつもり。
でもそれを『絶対』と、どう証明したものかとも考えます。
見えない部分で不正をやっていないと証明するのは、年間通して第三者委員会に釣行時、常にフル動画撮ってもらうしかないですね。
「でもそれを回してないところでは?」ってなるから、これは信用問題になります。
ひとついえることは……悪いことを悪いと知ってやるなら、いつかボロが出るものですよ。
悪いと知らずにやっているのなら、誰かが窘めてくれるし、リスタートさせてくれるのが社会のルールでもあります。
騙すほうが圧倒的に悪いが、信じすぎるのもよくないって話
投機の情報戦では、仮想通貨が話題です。
株など投資の話で、「宣伝されはじめたら末期」とよくいわれる。これを悪く捉えると、儲かった人達がダメ押しで値を吊り上げて、一斉に売り抜ける手法の前触れだから。
ということは、広告などをみて高値で買った人は間違いなく損をしています。
用心深い人は、「これが最高値ではないのか?」と感じ、下がるまで購入をためらうはず。
余裕がある人は、下がりきったところで「あとは上がるだけだし放っておけばいいや」と寝かせるタイプ。
釣り情報も似たようなものだけど、学問になっている経済学や心理学ほど論理でねじ伏せれるものでもない。
相手は何を考えているか、科学者すらわかってない魚と自然が相手。
「当たるも八卦当たらぬも八卦」といえばそれまでですが、「釣れなくてもいいや」くらいの気楽さで行くのが、趣味の範囲である魚釣りではないでしょうか。