「この魚なんていうの?」「食べれるんすか?」──そう釣り場で聞かれることは多い。
昔は図鑑で調べて教養にする必要がありましたが、今は魚を写真に撮って、「変な魚釣れた!」とSNSにアップすればどこからともなく知識人が訪れ、「○○ですよ(こんなのも知らねーのか)」と教えてくれます。
AIの画像認識が発達した現在、そのやり取りも必要ないほどの時代になりました。
紹介する「LINNÉ LENS」をはじめ、魚をスマホカメラで撮影するだけで名前を教えてくれるアプリが多数登場しています。ふーん、便利じゃん。
かざすAI図鑑アプリ「LINNNÉ LENS」
「LINNÉ LENS」はスマホのカメラ機能を使い撮影、もしくは”かざす”だけで魚種名を教えてくれるアプリ。TVでも紹介され話題となりました。
かざすAI図鑑の通り、カメラ越しに対象物を見るだけで、画面に名前が表示されます。それも複数同時に(ここ重要)。
魚種を判別するには写真を利用して、画像を認識・解析するタイプが大半。それだと写真を撮ってから、アプリに「この魚なに?」と聞く必要があるし、工程がある分……面倒になります。
なら人に聞くほうが対話できるしよくね? と。
LINNÉ LENSの優れたところは、スマホをかざすだけで判別できる簡単さと、他のデバイスと連携すれば、水族館のバーチャル案内とかが捗りそうなところです。
VRと音声合成が合わした水族館ができそう
LINNÉ LENSはスマホのカメラ越しに魚を見るだけで、画面内に表示される魚たちの名前が表示されます。このメリットはなんといっても、大きな水槽にたくさんいる状態で、「あれ何ていうの?」「それ何て魚?」とか、どこ指さしてんの──みたいなやり取りを省けるところ。
これの行きつく先は、VRゴーグルをつけて水族館を歩き、気になった魚をタップして名前が表示されたり、音声案内が流れるとか、疑似体験のサードパーティーが豊富になるところですね。
健常者は「ふーん、実際行けばいいよね」で済むけど、VRは歩けない人や病人の娯楽として注目されているデバイスでもあります。
部屋から一歩も出ずに水族館疑似デートも可能やで。
都合よくiPhoneがあるからLINNÉ LENSを試してみた
LINNÉ LENSはiOSとAndroidに対応しています。なのでほとんどのスマートフォンで使うことができます。カメラさえあれば。ちょうど先日iPhoneⅩにしたので、インストールして試してみました。
泳ぐ魚を用意することができないし、近場に水族館もないので、モニタ越しのお魚さん画像に対して使ってみた結果──。
普通に認識してくれますね。でも対象が小さすぎると無理のようです。画面に表示される個体が小さいと、文字表記もゴチャるから仕方ないですね。いつかは水族館で試してみたいものです。
LINNÉ LENSは基本無料のアプリ。無料版は1日10種までの制限があるため、水族館で使うとマッハ。 「これなんて魚?」に使う程度なら無料のままで十分。 過去は月額制でしたが、今はPRO版を480円で購入すれば、制限なしで使えるためお得感があります。
登録されているのは約10,0000種。図鑑というだけあって、これから更に増えていくことでしょう。分厚い魚図鑑をスマホに収めると考えれば、コンパクトだし索引も速いし便利ですね。
AIが画像認識して魚の名前を教えてくれるタイプのアプリ
LINNÉ LENS以前のデジタル魚図鑑は、写真(画像)を元にAIが解析をして、名前を教えてくれるタイプが主流でした。それより便利なのは、画像さえあれば魚種判別ができるところ。
ようはネットで知らない魚の画像を見つけて、「これ何?」の疑問を自己解決したい時に便利です。──ずいぶん特殊な条件ですが、一応紹介しましょう。
「フィッシュ」は深層学習(ディープラーニング)を利用した、画像から魚種を判別できるアプリ。深層学習なので登録魚種が少ないのがネックです。
しかし誰かが魚の画像をアップし続けて、それにみんなで答えを出していけば、ゆくゆく世界に棲む──いや、宇宙に存在する全種を網羅することも可能なのが利点。データベースがしんじゃう!
同じタイプで「魚みっけ」というアプリもあります。…………うん、LINNÉのほうが便利だな!(iPhoneならね)
AR水族館が販売されている時代とは……
VRは自ら仮想現実に飛びこむシステムですが、ARは現実に仮想現実を表現するシステムです。
どちらも”カメラ越しに違う世界を見る”ことは変わりないんですけど、ARはレンズ越しの現実空間に非現実を表現するため、拡張現実(Augmented Reality)といいます。絵本を飛び出させるか、それとも入り込むか、の違いです。
「ARすいぞくかん」はスマホごしに見ると、そこに実物大の魚が立体映像で見ることができます。触れないのが残念ですが、魚たちが目の前で動く姿を見ることで、小さい子たちの興味はうなぎのぼりになるでしょう。
これが伊達メガネ越しで実現できるようになると、ページをめくるたびに魚たちがポンポン眼前に飛び出してきて、かなり楽しくなりそうですね。