「24時間浮くと説明されたライフジャケットが、実は20秒しか浮かばなかった」
景品表示法でお咎めを受けたこの件。
釣具の信頼に関わるインシデントでありますが、悪いのは誰かよりも、「どのように防げばいいか?」が重要かと思います。
記事のまとめ
景品表示法違反のライフジャケット
大阪のレジャー用品輸入販売会社が販売していた子ども用ライフジャケットに、景品表示法違反があったことが判明しました。製品説明には「5kgが24時間浮く」と記載されていたにもかかわらず、実際には5kgの鉄片が20秒しか浮かないことがわかりました。
浮力設定の基準
ライフジャケットには、浮力材で水に浮く設計がされており、安全基準として浮力設定が設けられています。浮力設定は、自分の体重の10%が目安です。つまり「浮力5.0kg」なら、50kg以下の体重なら○時間浮いていられますよって設定です。
ライフジャケットを選ぶ際の注意点
ライフジャケットを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 体重に合った浮力設定のものを選ぶ
- 国土交通省が認定した桜マークのついたものを選ぶ
- 浮力設定が正しく記載されていることを確認する
- 実際に着用して、動きやすいかどうかを確認する
大阪のレジャー用品輸入販売会社が子ども用ライフジャケットの景品表示違反で東京都からお咎めを受ける
件のインシデントは、とあるライフジャケットの説明に「5kgが24時間浮く」とあったのに、実験してみたら、5kgが20秒浮かないじゃないかと。
これは景品表示違反ですねぇ……
と、東京都からお咎めを受けた話。
注意されたのは大阪のレジャー用品輸入販売業者。
製品の製造は中国の業者が担当していたようで、注意された会社はとばっちりを受けた形ですが、”野良の中国製はヤバイ”と改めて感じます。
「そのライジャケ、沈むよ?」と言われたら顔に縦線入っちゃう。
このニュースを見て、ライフジャケットの安全性を改めて調べました。
気になったのは「浮力設定」です。
5kgが浮かない浮力ってどんなだよ。
そんなわけで、多少長いですが、ライフジャケットの浮力設定について書いてみました。
そもそもライジャケの浮力設定の基準って何?
ライフジャケットは浮力材で水に浮く設計であり、安全基準として浮力設定が設けられています。
これが少しわかりにくい。
浮力設定は、自分の体重の10%が目安とされています。
つまり「浮力5.0kg」なら、50kg以下の体重なら○時間浮いていられますよって設定。
本件は5kgの鉄片が20秒浮いて居られなかったから、浮力は1kg以下になりますね。
そもそも5kgの子どもって乳幼児では……?
体重5kgはおおよそ3ヶ月未満の乳幼児が該当します。まだ腕の中でネンネする時期なのに、そんな小さい子向けのライジャケがあるとは知りませんでした。レジャー目的かもしれないし、小児科に行くために船を使う場合もある……かも?
で、幼児向けライジャケを調べてみたら、意外とあるんですね。
こちらの商品は「浮力5.0kg」です。……いくつか見たところ、幼児用ライジャケは、「110cm以下」または「15kg以下」を設定している物が多い。小学校低学年までを想定している感じ。
浮力設定5kgは、5kgの体重が浮くのか50kgまでが浮くのかが曖昧
ECサイトの紹介ページを見ると、ライジャケの説明に浮力設定は9割明記されています。
ここで「浮力5.0kg」とあれば、ほとんどの人は「5kgまで浮くんだ」と認識すると思いませんか?
これ、体重○kgまでとか、小学生以下とか、身長○cm以下と書くほうがわかりやすくない?
むしろ本件の紹介ページには何も明記されていないのに、これで誰が「いいね!」と買うんだろう……。
景品表示の嘘をついたのは中国の業者だが…
渦中にある大阪のレジャー用品輸入会社は、中国の業者に釣具の製造を依頼して、社名ブランドとして釣具の販売を行っているようです。検索するとライジャケ以外にも、竿立てとかロッドケースなど、いくつかの釣具が出てきました。
違反となったライジャケは、製造元が「5kgが24時間浮くよ!」と説明したらしく、それを商品の紹介と安全基準として明記していた。
ところが、調査によると5kgでも20秒浮かなかった、と……。
私としては、”何故調査しようと至ったのか”が気になります。ひょっとすると、実際に着用した子どもが浮かなかったから、消費者が可怪しいと思い行政に相談したのが経緯かもしれない。もしそこで命を落としていれば、記事中で必ず突っ込んでいそう。
この件で最も損をしたのは輸入販売の会社でしょう。
ラムセスは取材に対し、「中国の業者の説明を鵜呑みにしてしまった」などとコメントしています。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20191218-00000087-jnn-soci
じゃあこれを完全に防ぐにはどうしたらいいか?
第三者の監査による透明性が大事だってハッキリわかるんだね
世に販売されている製品は、大抵が第三者機関の監査と検査を受けています。社会ではコンプライアンスと言われていますね。なぜ第三者の監視が必要になるのでしょう?
身内だけで検査していると、なあなあで手抜きをするようになります。検査内容が機密になりブラックボックス化しやすい──。そのために、社外の監査を入れる必要が出てきます。政治で言えば国民や司法、株式会社なら社外取締役や株主がその役目を果たしています。
国内のライフジャケットの安全基準に関しては、国土交通省が認定とガイドラインの制定を行っています。小型船舶の乗船時に、救命胴衣の着用が義務化されたのは記憶に新しい。
浮力 7.5kg以上(体重 40kg未満の小児用は浮力 5kg 以上、体重 15kg未満の小児用は浮力 4.0kg以上)
12歳未満の小児は浮力5.0kg、15kg未満は浮力4.0kgを着用するようにと明記されています(以上は7.5kg)。
この基準を満たした製品には、桜マークがプリントされています。
件のライジャケは中国で製造され、検査を向こうが行った体裁で輸入した物。
日本の安全基準は適用外でも、輸入品販売はできるから、商売上で問題はありません。
これを防ぐには、こちらが検査しにいくしか方法がないですね。──それが普通なんですけど。
向こうのメーカーから輸入販売しているだけならまだよかった。国内企業でブランド化して販売していたから、外国にある自社工場が粗悪品を製造していたことになるため、ラムセスの商品全体がヤバイのではないか? という話に発展します。
──景品表示を改善すればいいですが、正しい表記にすると、「5kgでも20秒は浮きます!」になるから、それで誰が買うんだって話ですね。
HPもSNSもほとんど機能していないのに、釣具販売で運営できるってスゲーな……。
自分の体重に見合ったライフジャケットを選ぼうね
ライフジャケットに記載される「浮力設定」は体重の10%が目安です。
それは説明書だったり、ライジャケの製品タグに「浮力設定○kg/24時間以上」などと記載されています。大人用は7.5kgが多く、これは体重80kgまで対応していることになりますね。
……ふむ、デブは2個つけろってことかな?
ライジャケで浮力が足りないなら、ウェストに装着するインフレータブルも使えばいいじゃない。
メーカーならそう言いかねない。
まあ、脂は水に浮くからセーフ理論なのかな?
会社名が有名なファラオに反応するFGOプレーヤー
ラムセス……ラムセス? どこかで聞いたことがあるな……。
オジマンディアスやん。テラコヤスやん。劇場版で会えるね。