学生の誰もが勉強中に、「これって将来の役に立つの?」とつぶやくはず。
中には魚釣りが上手くなるために必要な学問もあるんです。
魚釣りに必要な学問って何?
魚釣りは理系向きだと思う。なぜなら、数字で説明できることが多いから。
例えば、『棚(レンジ)』を説明する時は、「水面から○cm鎮める」と表現できます。
ルアーが「1秒間で○cm/s沈む」みたいな計算をできれば、水に入ることなく、魚が居るレンジに落とすことが簡単になりますよね。これは『Aくんは新幹線でBくんは自動車で移動。目的地αにはそれぞれ何分後に到着するか』みたいな、基礎的な算数で計算できます。
ただし、数字だけで説明できないこともあります。誰かに説明する時は語学力が必要です。
文系と理系に壁を作るな
人はカテゴリー分けが好き。学問でいえば「文系or理系」のこと。多くはどちらか一方を得意とする傾向があります。
文系と理系をなぜ分けるかっていうと、学校で同時に教える時間がないのと、人には必ず適正があるから。
テストや成績には、文理どちらが向いているかの見極めができるし、あなたの得意を見つける簡単な方法といえます。
魚釣りは理系が確かに有利だが、複合した学びがあってこそ一流
魚釣りをやるだけなら、文系も理系も差はあまり出ません。極める場合は両方が必要になります。
「釣れた」「釣れない」を分析する際、なぜ釣れたのか、どのようにして釣れたのか──などをデータ化もしくは言語化しないと、反復学習ができないし、再現ができません。
ただなんとなくエサをつけて糸を垂らすだけでも魚は釣れます。
でもコンスタントに釣ろうとすると、再現性があるメソッドを確立する必要があります。これが自分で作れるのと、他人のメソッドを理解できるのは、大きな利点です。
メソッドを鍛えるのは語彙力
釣りを知らない人に、専門用語だらけで話しても、全く伝わりません。相手に合わせた「解りやすい言葉」を任意で選択できるのが語彙力、になります。
魚釣りを教える場合、実際にやって見せるのと、言葉だけで伝えるのでは、勝手が違うでしょう。
理系は魚釣りに有利といいましたが、文理がそつなく標準レベルであればこそ。どちらも出来てこそ「思考(考える力)」を鍛えることができます。
魚を釣るための思考力を鍛えるにはどうしたらいいのか?
思考力を鍛える学問は、「哲学」「倫理」が近い存在。義務教育では必修項目じゃないし、むしろ中二的な病を発症しちゃった人が学ぶ印象が強いかもしれません。
──哲学の本質は「ある難問を自分で解決し、他人に伝える能力」に集約されます。
例えばこんな問題があるとすれば、あなたはどう考えますか?
問「すぐそこに見える魚を釣ることは簡単だろうか?」
人によって幾つか答えが分かれるはず。
- 「見える魚は釣れない」を信じてあきらめる
- 気配を察知されないようにすればいけるのでは
- 見えるなら掬えばいいじゃない
- 見えるから釣れないなら見えなくなってから釣ればいい
- 銛で刺し穿つ
気づいて欲しいのは、無理難題でも”なんとかしようとする方法”は結構浮かびやすいこと。「何故釣れなかったのか?」の問いに対しては、「何かが足りなかった」が答えになる。
もしかしたらあの場所には魚が居ないかもしれない。だから次は場所を変えてみよう。
もしかしたらルアーやエサが悪いかもしれない。だから次は別のを試してみよう。
もしかしたら時間が悪いのかもしれない。だから次は魚が腹ペコな時間を狙ってみよう。
──「失敗は成功のもと」は、今の方法でダメなら別の方法は成功するかも? という前向きな思考があってこそ。そして、成功するかもしれない方法を考えるのが、思考力の真価だと思う。
終わりに──失敗を分析することで成功に繋がる
今の世は「成功ありき」で失敗が認められないような感じ。
発明には多くのトライ&エラーがつきものだし、それは商品開発のビジネスでも同じこと。失敗したのなら、同じことを繰り返さなければいいだけ。それと違うことをするだけで成功につながっていく……。そう考えれば救われませんか?
世には『失敗学』というジャンルもあります。
名の通り、事故や失敗が起きた原因を解明し、次の発生を未然に防ぐための学問です。自分の失敗は精神的にもキツイですが、他人の失敗を知り、それを改善した道のりを知ることで、もしあなたが同じような状況に陥った時、助けとなるでしょう。
『失敗の科学』という本はおすすめです。「失敗なんて屁でもないぜ!」とはならないだろうけど、困難にぶち当たった時、まず何を考えるべきか、何をするべきかを体系的に学ぶことにはおすすめ。
魚釣りもトライ&エラーの繰り返し。釣れない日に「なぜか」を考えれば、全く同じ状況を回避すればいいだけの話。釣れた日と同じ状況でも釣れなければ、「なぜか」と考えてアプローチを変えてみればいい。
それは意外と、ルアーを変えるだけ、投げる距離・位置を変えるだけ、で解決することもありますしね。