鰆(サワラ)は”春”の字が入っている魚。
旬は春だけど釣りは1年通して楽しめます。回遊魚なので岸から狙うのはすこし難しい。……だがそこがいい。
サワラの回遊タイミングはだいたい決まっています。
効率よく釣りたいなら、サワラを知ることが一番!
今更聞けないサワラの生態
鰆(以下サワラ)は焼いておいしい大衆魚。
日本全国の沿岸で狙うことができるし、群れで入るから数釣りも可能。引き味もなかなかで、大きさは最大で1m前後になります。
春から夏にかけては、50cm以下の”サゴシ”サイズがメイン。
秋から冬にかけては、60cm以上の”サワラ”サイズがメイン。
サワラは日本の沿岸を巡る回遊魚です。水温の変化で生息地を南から北へと移動します。沿岸で釣るなら、年に2回ほどチャンスが訪れるわけです。
サワラの回遊を予想するには?
サワラの産卵期は春。深場で耐える冬を越し、産卵に向けて食べ物を探しに沿岸へ近寄ります。
「冬→春」の変化でもっとも早く訪れるのは西日本エリア。ちなみに香川県の県魚はサワラで、春を告げる魚と愛されています。
気温があがっていくにつれ、生息地を西日本から東日本へと広げていき、夏の終わり頃には、全国の沿岸で当歳魚のサゴシサイズが釣れだす流れ。
回遊を予想するには、水温変化と釣り情報が要になります。
回遊タイプは「釣れた」の第一報を聞いてからじゃあ遅い。回遊は天気と同じように西からはじまりやすいため、あなたの住む地域から離れた情報を集めておくと参考になります。
海水温は気象庁のHPで知ることができます。
サワラの適正水温は12~24℃と幅広いですが、沿岸部の基準でいうと15℃あたりが(シーズンイン)狙い目でしょう。
サワラをショアジギングで狙うなら何時がいい?
サワラが釣れやすい時期をまとめると、冬から春は深場で大型狙い、夏から秋は回遊の数狙い……という感じ。
サワラサイズは船で深場を狙うと、年中どこかで釣ることはできます。沿岸なら西日本の春が有利になりますね。
サゴシサイズは秋頃に回遊がみられます。小型の数釣りは西日本が有利で、東日本は回遊次第の感じ。サーフなら太平洋側と日本海側でも、時期にズレがある程度で、秋頃はどちらでも狙えます。
サワラを釣るためのルアー選び
サワラは肉食性なので、ミノーやメタルジグなどのルアー釣りが有効。
主にイワシを食べているため、イワシに似せたルアーが効果的。カラーよりもサイズ感が大事で、おすすめは7~10cmくらいのメタルジグ。
回遊魚は「運が良ければ近くにくる」が鉄則。
必ずしも射程範囲に来るとは限りません。──が、ルアーは遠くに飛ぶほど有利に働くのも確か。
メタルジグは楽に飛ばせるし、沈むからサワラがいるレンジまで落としやすいので、最適なルアーといえます。
シマノの「サゴシジグ」は、対象魚を絞っているだけあって、サワラ狙いに最適なメタルジグといえます。
細身のジグは激しく動かすことで、弱ったイワシに近い動きをします。水中でヒラヒラ動かすことが大事で、サゴシジグはその動きを巻くだけで実現します。
サワラが釣れたらどう料理するべきか
サワラが人気の対象魚であるのは、味の良さがあるからです。
雑味がない白身魚で、大型は身も厚くなるため食べごたえもあります。煮るよりも焼くほうが、クセのない味を存分に楽しむことができます。
サワラといえば「西京焼き」が有名。
新鮮なサワラに西京味噌をつけて、熟成を経るからこそ、西京焼きは極上の料理となるわけです。
釣魚で鮮度が確かなら、無理に西京焼きにしないでもいいわけで……。
おすすめはシンプルに「塩焼き」か、鮮度のいい魚を手に入れた特権で「刺し身」がいいと思います。特に刺し身はスーパーで売っていることも少ないですからね。
静岡サーフだとサゴシは秋のショアジギングシーズンを告げる魚
遠州灘サーフに訪れるサワラは、サゴシサイズがメインになります。
今までの経験上、遠州灘サーフに来るサゴシは、9~10月頃が多く、駿河湾のほうがちょっと早い感じ。
サゴシが通過すると、次に愛知県の伊勢湾からブリ・ワラサが外洋へ旅立っていくため、愛知エリアのサーフがお祭り騒ぎになる流れですね。
1年の中で何が釣れやすいかは、過去のデータを集めておくと、次に何がくるのかを予想しやすくなりますよ。