寄生虫の代表といえばアニサキス。加熱することが対策になりますが、刺身が美味すぎるせいで、毎年被害者が絶えません。
……マゾかな?
しかし、生の切り身に電流を通すことで、アニサキスを除去できる技術が爆誕!
「パルスパワー」のおかげで、われわれ消費者は安全に食べれるし、提供側も安心して出せるようになりますね。
アニサキスの新たな殺虫方法「パルスパワー」とは?
パルスパワーとは、生の切り身に大電流を瞬間的に流すことで、潜むアニサキスを殺虫できる技術です。
最大のメリットは、鮮度を落とさないこと。
魚を生のまま処理できるのも強いし、従来の寄生虫対策よりも時短になっています。
実験では、三枚おろしにしたアジの切り身にアニサキスを仕込み、容器に入れてパルスパワーを発生させたところ、瞬間的な大電流で死滅した。約3キロの切り身に仕込んだアニサキスを約6分で処理できた。電流による温度上昇は5度程度にとどまり、味や食感などの官能評価や弾性の試験では、処理後も刺し身にする上で適切な品質を保っていた。
もしパルスパワーが商業化すれば、今まで味わっていた刺し身とは違う、より新鮮で臭みのない魚を楽しめる時代が来るかもしれません。
もしかして電流締めの時代くる?
素朴な疑問として……、丸々1匹の鮮魚にパルスパワーを使ったらどうなるのだろう。
例えば養殖魚の水槽にワンパンすれば、殺虫と締めを同時にすることもできるのでは? もし仮死状態にできるなら、長距離輸送もはかどりそうですね。
パルスパワーの使用電力は不明。名称の強さから、一般家庭でやるとブレーカーが落ちそうだし、無資格で使えなさそう。
──もし一般で使えるレベルの装置になれば、釣り人がアニサキスで困ることはなくなるかもしれない。北海道~北陸の日本海側サーフで、サケを電流締めしちゃうアングラーも現れるかもしれない。
アニサキスチェック市場が崩壊するかも
スーパーで売っているブリや鮭の切り身から、アニサキスがにょきっとしていることもあります。
寄生虫リスクがある物は、通常「加熱用」として売りに出されています。「生食用」は対策をしているため、加熱用より鮮度が落ちているのは有名な話。
ど~しても鮮度を落とさず市場に出したい場合。アニサキスの検査装置なんてものもあるんですね。
まあ……見つけたところで、除去するのは手作業になりますけど。
日本は魚を生食したがる文化だから、あたるリスクが一切ない鮮魚が出回るのはいいことです。パルスパワーが出回れば、鮮魚店や寿司店などの提供側も、寄生虫を出して営業停止になるリスクもなくなりますし、ウィンウィンですね。