「リールは右巻きか、それとも左巻きか」
某掲示板で10年近く論争を続けているらしい……。
正直いってどっちでもいいけど、あえて解を投げかけるなら、こんな感じに。
ハンドルの向きで言い争っている理由
リールのハンドルの向きに、異様なまでこだわっているのは、「利き手」があるからです。
ベイトリールは右ハンドルが多く、利き手で巻くことが設計に取り込まれていると推察できます。なぜなら、ハンドルを巻く時にパワーが必要だからですね。
スピニングリールの大半は、ハンドルを左右入れ替えることができます。
使いやすい向きにすればいいので、やさしい世界といえます。
リールは利き手で巻くべきか否か
人間には「利き手」があり、右利きは全体の90%といわれ、左利きは残る10%といわれています。
そう聞くと、右ハンドルは多くの人間に合わせた設計であるし、商売として合理的に感じます。
でも……ロッド操作は利き手じゃないほうでする必要があるんですよね。
やってみるとわかるけど、慣れない手でロッドを小刻みに動かすのは難しい……。
──そう、10年間も論争を繰り広げているワケは、リールの巻きやすさを優先するか、ロッド操作を優先するかにあるわけです。
ベイトに左ハンドルがあるのは左利きへのメッセージ?
ハサミやマウスがそうですけど、右利きに設計された製品は多いです。
慣れない手で使うと、最初はとまどうかもしれませんが、使っているうちに慣れてしまうもの。わざわざ逆でそれを使おうとは考えにくいですしね。
こと魚釣りに限れば、左利きが右ハンドルのベイトタックルを使うのは、慣れるまで時間がかかったのでしょう。
最近は左ハンドルのモデルが最初からあるのも多いし、左利きの人に「忘れてないよ」とメッセージを送っているようにも感じます。
実際、右利きがスピニングに慣れすぎると、左ベイトじゃないと無理な人も居るでしょうね。
左右で売れ行きはどんなもんか気になります。
当然右は圧倒的でしょうけど、10年ベースで分析すると、面白いことがわかる予感がする。
設計上で適した持ち方はあれど、使い方は自由でいいんじゃない?
東京五輪でよく「多様性」のワードが飛び交ってましたが、その意味をざっくりいうと、「みんな違ってみんな良い」のを認めること。
多様性の権化が「ハンドルどっちが正解?!」で揉めている中に飛び込むとすれば──
「リールのハンドル……君は左で使うんだね。僕は右だけど、左で使うのもアリだよね」
みたいな感じで、”中立の意思”になります。
別にハンドルが右だろうが左だろうが、優劣を決める必要はないじゃないか。どっちかじゃないとダメな価値観を、他に押し付けることが、争いのタネなんだ。
私は正直どっちでもいいし、スピニングは左右どちらでも使えます。