当サイトの検索によるアクセスを見ると、
”PEラインの太さを選ぶ方法を知りたい人”が多いことに気付きました。
選ぶ基準はすごく簡単! 釣りたい魚の重さに合わせればいいだけ。
「それが難しいんだよ蹴るぞ」
とぶたれそうですが、そうとしかいいようがないんです。
それを決めきれない人に向け、対象魚やポイントなど”状況に合わせたラインシステム”を題材にまとめてみました。
ショアキャスティングでおすすめのPEラインはYGKの「G-Soul」1号。
この記事のまとめ:
PEラインの選び方について説明しました。PEラインは釣りたい魚の重さに合わせるのが基本で、ポンド表記(lb)に慣れることが重要です。PEラインの耐力強度は、ラインの引っ張り強度を示しており、1ポンド(453g)単位で表記されています。状況に応じてラインシステムを選ぶことが大切で、例えばショアキャスティングではYGKの「G-Soul」1号が推奨され、10kg程度の魚に対応します。ライトタックルや磯、船釣りなど、釣り方によって適切なPEラインの太さと強度を選ぶ必要があります。
PEラインの太さや強さを知る前にポンド表記(lb)になれよう!
PEラインの太さ=強度は、ポンド表記が標準です。
1ポンド(1lb)は「453.592g」。
小数点以下がうざいので、私はざっくり450gで覚えています。
ステーキを頼む時にも役立ちますよ。
「なぜグラム表記じゃないのか?」と、思う人もいるでしょう。そもそもルアーフィッシングは外国発祥。ですから製品の長さや重さの表記は、英国式単位が使われています。
ルアーメンになる第一歩は、横文字単位に慣れることからはじまります。
PEラインにある表記の意味を理解しよう
販売されているPEラインのパッケージには、ポンドで”耐力強度”が表記されています。
これは「この重量までならラインだけで引っ張っても切れないよ!」という指標。
耐力(たいりょく、英: proof stress, offset yield strength)とは、その材料が耐えうる力のこと。
耐力強度に「1lb」と書かれているPEラインは、453g以下の魚には切られることはないが、453g以上の魚には切られる可能性がある──ってこと。
実際の製品によるスペックから強度の指標を学びましょう
次の画像は「シーガーPEX8」のスペック表です。
表を見ると、”最大強力”はポンドとキログラムで表記されています。わかりやすく親切ですね。
魚釣りのラインは”太さ”がありますが、直径に関して規定は特になく、メーカーによって違います。微妙な違いなので無視しても構いません。PEラインは直径が変化せず、撚り本数で強度が変化することもあります。
「PEライン1.0号当たりの太さで10kgまでの魚は耐える!」と憶えていれば、特に困ることはないかと。
2号なら20kg、5号なら50kgという具合でも大体あっています。これは各メーカー共に、”1号相当は20lb前後で設定しているラインが多いため”、ある程度共通するおかげで成立します。
魚とポイントから考えるPEラインの無難な選び方
PE1号なら10kgまでの魚に対応すると、前項で説明しました。でも10kgがそうポンポン釣れる方法も限られています。PEラインの無難な選び方とは、段階に分けて決める必要があります。
- 対象魚を選ぶ
- 釣りたいサイズから重量を予想する
- ポイントの状況により強度を増すか考える
重要なのは以上の3点──しかし、これから始めたい人向けの説明じゃないですね。
よりわかりやすいように、「ここで釣りをすると、こんな大物が来る可能性もある。それも釣り上げたいなら強度はこれだけ必要だよ!」という感じで分類別してみました。
【ショアキャスティング】岸から狙える魚の最大重量は10kg程度
ショア(陸っぱり)で狙う魚は最大重量が10kg前後。ということは20lbもあれば十分ですね。ちなみに対象魚で考えると以下のようになります。
- 1mのシーバスは腹パンパンじゃない限り平均9kg
- 1mの座布団ヒラメは8~10kg
- 1mのブリで平均9kg。ワラサ(60~80cm)だと6kg前後
ショア主体のルアー雑誌やブログのタックル紹介では、「PE0.8~1号(20lb)がオススメ!」と書かれていることが多いと気づきませんか? その理由は、10kgを超える魚が掛かる可能性も低いから。
ロッドとドラグを有効活用すれば、それ以上も釣りあげることは可能ですからね。
ショアキャスティングでおすすめのPEラインはYGKの「G-Soul」。
1号ならランカー相手でも、30kgのエイが相手でも、メインラインから切られるシーンはないでしょう。
【ライトタックル】堤防小物釣りでは1号以下でOK
メバル・カサゴなどの根魚は、”尺サイズ”といわれる30cmでも500g程度です。
PEラインなら0.6号以下でもオーバースペック。数値上ならたった1kgに耐えるだけでいいですが、PEラインは摩擦に滅法弱い特性があります。細すぎるラインはガイドの摩擦でも切れることがあるし、魚のヒレが「チョン」と触れただけで切れる恐れも……。
細いラインを使うほうが釣れやすい、といわれます。でも細いラインは釣りが下手なほどコスパが悪くなります。それはメーカーが得をするだけなので、理由もなしにわざわざ細いラインを選択するのは、得策じゃありません。
メバリングもアジングもPE1号で十分成立します。さらに最適化するならば、堤防ヘチ狙いならPE0.6号、テトラなど岩礁帯があるならPE0.8号……など、使い分けるのがベスト。
【磯】10kg以内を狙うか、それ以上を狙うかで選択する
岩しかない磯はラインが最も切れやすいポイント。
走り回る魚を力で制御するため、タックル全体の強度を上げる必要があります。磯のライン選びは、対象の重量より余裕を持たせること重要。その指標は以下の通り。
- ヒラスズキは最大10kgくらい。だからPE1号で十分! でもルアーは重いし岩礁帯でラインは擦れるし……を考慮すると、PE3号が基準になります。
- 20kg近いヒラマサ・カンパチ狙いは、最低でもPE5号以上は欲しいところ。
- 20kgを遥かに超えるマグロや底物を狙うなら、PE8~10号以上になります。
……まあ、PEの選び方に困っている人がやる釣りじゃないですね。後述しますが、磯ではx4(4本撚り)を選びましょう。メーカー問わず3号を使うのが無難です。
【船】船の釣りは船長に聞け!(合理的)
船上の釣りは漁協や船によってルールがあります。ラインシステムで悩むくらいなら、船長に「仕掛けはどうすればいいですか?」と聞きましょう。行く海域も狙う魚も決まっていますし、過去の実績から最適解を教えてくれます。
船釣りのメリットは、ラインが何かに擦れることがほぼないこと。磯より1号細くすることもできるし、水深次第では海流の影響を減らすため、細くせざるを得ない状況もあります。
ラインのしなやかさとは無縁の釣りですので、選ぶPEは安さと長さを両立したのコスパ重視でOKです。
中深海なら200m以上使うこともあるし、タチウオ釣りは、棚の中間で「スパッ」とやられるリスクもあるため、200m巻きのスプールを複数用意しておくと安心。
マグロキャスティングならPE10号が必要になりますが、ジギングで100kgを狙う場合は、潮流次第でPE8号を使わざるをえないこともあります。人気のタイラバなどライトゲームならPE1号で十分ですし、ブリジギングでもPE3号が一般的。
狙う魚と大きさ、そして海域が関係するため、船上のライン選びは船長か同行者とよく相談しておきましょう。
【おまけ】PEラインの撚り本数「X4・X8」の特徴
PEラインの「X4」「X8」などの表記は撚り本数を表したもの。
PEラインは極細の繊維を撚って1本の紐にしています。それを更に4~8本撚り合わせて1本に仕上げたのがPEライン。そのためナイロンやフロロカーボンよりも、しなやかになるのが特徴です。撚り本数は「Xn(数字)」で表示されています。
撚り本数が増えるほど、集合した1本に含まれる繊維量は増えます。単純に考えれば、限界強度は増すことになりますよね? でも同じ太さで撚り本数が増えると、繊維1本1本は細くする必要があります。なので全体の強度としては落ちる──はずなんです。
図で説明するとこんな具合に。
x4は1本当たりの繊維を太くできるため、同じ太さでも強度は上になります。その反面しなやかさが失われ、ゴワゴワした質感になります。x8は繊維を細くしなといけないので、1本あたりの強度はx4に負けてしまいます。その代りにしなやかさは増します。
つまり、どちらもメリットがあり、デメリットもあります。
磯のヒラスズキ狙いでは、分かっているアングラーは4本撚りのPEを使用しますね。軽いリグを使うライトゲームはしなやかさが重要だからx8を選択する……。無闇に「x8の方が強いだろ」と選ぶのではなく、釣種で選ぶのが賢い方法です。
ちなみにPEの本数で感度が増すはプラシーボ。PEよりナイロン・フロロのほうが感度は上ですので、勘違いはしないようにしましょう。