月曜日、浜松はおだやかで過ごしやすい日和だった。
「釣りをすると宣言したのに、珍しく晴れているな…(恐怖)」。しかし、夜に近づくにつれ、もくもくとしてくる空。「大丈夫?雨、降らしとこっか?」と囁く存在。
──大丈夫ダイジョウブ、こういう時はね。
ほら、爆風だろ?(ドヤ顔)
おヒラ様調査には絶好の日和
駿河湾が近づくにつれ、そこらのノボリが「俺を見ろ!」と主張していた。
視界の隅で激しく動く何かには、目を惹かれてしまう。「エロマンガのウェブ広告…。いや、ポップアップする『ウイルスに侵されてますよ!』的な広告みたいだな」。……最近は、中学生の頃なら間違いなく押しているであろう広告が、まとめ系サイトで目立つようになった。
それはそれとして、天気予報さんの言う通りに、こっちは爆風だった。
こんな風と時間(0時頃)でも先客は片手で数えれる台数いる。
おそらく”タチウオの魔力”だろう。私もその1人で、「てかLINEやってる?」と、社交辞令な挨拶を交わしにきた。
港内は風波でだぱだぱ。ゴミは少なめ……。うん、これは釣れそう。
長潮の下げ始め。水色クリア……。これはダメそう。おまけに寒い。
グローブを持ってこなかったことを少し後悔する気温17度。うーし、やるぞー。
大丈夫、(身体が)覚えてる
満潮一杯の潮止まり。流れはなさそうだし風があるので、バイブから投げようと直前まで考えていた。
瀧くんはドラマチックにアッサリ忘れたけれど、私は「面倒だからシンペンでいい」と、過去の組み立てをノリで上書きする。
水深はもちろん、石がどこにあるかも勝手知る場所なので、比重のある『レイジースリム』を上から下まで流し込む。
──反応ナッシング。
あれ、やばない? まーだ居着いてないんですかねぇ。
「これで来なければバイブでネチネチやな」。ここでかけた数はなぜか多い、『ワンダースリム』にチェンジ。
遠くにポーイと投げて糸ふけを取り3秒。更に流し込むためにメンディングをしようと竿を上げたら、違和感。
根掛かりする地点じゃないし、ゴミならそれはそれ──とりあえず合わせる。
「んん? んんん~?」
下に突っ込まれるので魚なのは確か。けれど正体がわからない。この時点では”ボラのスレ”だと感じていた。
あまり下に行かれると手前で擦れちゃうので、とにかくポンピンポンピン!
横に動くのでタチウオじゃないだろう。久しぶりなのに身体は覚えていてくれるものだ。安全ラインまで寄せて、タモを手にかけようとしたら「ビチチチ!」と水上で跳ねる。
シーバスくんやん?
銀ピカで肉厚。外洋住まいの綺麗なヤツ。手尺で40cmは超えているぽい(実寸45cm)。
ここではいつものサイズ。やっぱりスレていたけれど、最後のエラ洗いで、顎付近にもかかってたリアが外れたんだろう。あそこでようやく”らしい”引きになったし。
落ちてくるルアーを咥えようとスカって引っかかっていた所に、合わせたら刺さっちゃった……感じかな。
にわか雨がこなかっただけでも救いはあった
横風が流れと反するので、ルアーを流れと平行に落とせるから、”小魚を模す”感じではマッチする状況。
本来は、そうだけど……。長潮の弱い流れでは完全に負けてしまっている。バイブでもちょっと辛い。
うーんこれは、下げきらないと全部は探れないっぽい。それに当たる7時まで待つ理由としては薄いから、もう帰ろう。
他の候補は────なんか更に風強くなってません?
最近は晴れ続きだし、風で荒れているだけだから、サーフシーバス狙いのほうが向いてそう。とはいえ、ここでは向かい風になるし心が折れる。
もうちょっとやりたいなー。
そう、思っていたけれど。
帰り道のバイパスで、あっちにフラフラ、そっちにフラフラ。ブレーキパカパカの普通車に翻弄されておこなので、素直に帰ることとなった。
眠いのか、車内でエロいことをしているのかは定かではない。
近寄るともらいそうなので、車間ガン空けしてトラックにライトアップされている私の身にもなってほしい。
浜松に戻ってきたら、2車線で軽バンが並んで加速競争していたり。
深夜の道路は何かとカオスで、話題が尽きない。