アキアミをサクラエビと偽り、露店販売していた人が怒られる事件がありました。
「その2種は食品偽装できるほど似てるの?」
……そう疑問を持つ人もいると思います。
知っている人なら違いがすぐわかるので、それぞれの特徴を覚えて詐欺に備えましょう。
この記事のまとめ
この記事では、静岡県でアキアミをサクラエビと偽って販売する事件が発生したことを取り上げています。サクラエビは静岡県の特産品で、漁獲が許可されているのも静岡県のみです。そのため、サクラエビは駿河湾産が多く、輸入品は台湾産が主流です。一方、アキアミはサイズがサクラエビより小さく、色も薄いため、見分けるのは容易です。偽装が発覚したのは消費者の通報とDNA鑑定によるものでした。食品偽装は景品表示法違反や詐欺にあたりますが、特産地のブランド力を利用して利益を上げるために行われることが多いです。この記事では、アキアミとサクラエビの違いを知ることで、偽装に備える重要性を強調しています。
国産サクラエビは静岡県の特産品
サクラエビ漁が認められているのは静岡県のみです。そのため流通している”国産”は全て駿河湾産のみ。生息地は東京湾・相模灘・五島列島沖でも確認されています。ちなみに輸入品は台湾産がメイン。
サクラエビは中深海(200ー300m)に生息し、活動的になる夜間は50m↑まで浮上シてくることも。体長は5cmに満たないほどで、たった1匹を探すのは困難な大きさです。
赤色の色素を持つため、ピンクの桜色に見えることから「サクラエビ」と名付けられました。富士山を背景に天日干しされているビビッドな赤い絨毯は、桜の開花と同時期なので、静岡県の風物詩です。
静岡県内でアキアミをサクラエビと偽って販売すればバレるやろ
アキアミをサクラエビと偽って販売した男性が、景表法違反で注意を受けました。それも特産である静岡県内で……。
アキアミとサクラエビで明確に違うのは大きさです。
アキアミはどう頑張ってもサクラエビの大きさに届きません。
こっちがあみえび。
それなのに、本物を見飽きている静岡県民を相手に、偽って販売するのは強引すぎるバカとしかいいようがありません。
ちなみに偽装が発覚した流れはこんな感じ。
とある男性は仕入れた中国産のアキアミを、わざわざ静岡県の河津町で2月10日から3月8日にかけ、サクラエビと偽って販売した。後ほど消費者から「あれサクラエビじゃなくね?」と情報提供され、DNA鑑定から別種と判明し、偽装が発覚した。
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035149191.html
さすがに本物を知る県民は騙せないやろ。
サクラエビと他の小エビを見分けることは難しい?
サクラエビは名の通り「サクラエビ科」に属しています。
一方アキアミは……実はサクラエビ科なんです。
アキアミは最大で3cmほどで、サクラエビと比べると一回り以上小さいため、違いはわかりやすい。赤の色素も弱く、乾燥させると薄い桃色になります。味の違いは──サクラエビを何度か食べている人だとわかる程度。それを知らないのであれば、本物だといわれても違いがわからないので、試食で騙される可能性もあるでしょう。
偽装を見抜くには、本物を知らないと比べようがありません。
国内だと静岡県内はどこのスーパーでも見かけるレベルの流通量ですし、静岡県民を騙すことは難しいと思います。県外で販売すれば”猶予”はあったかもしれませんね。
偽装は産地表示の穴をついた事例が多い
今回の偽装が発覚した時の言い訳は、「グレーゾーンと思ってやっていた」とのこと。
ここまで潔い供述をする偽装主はそうそういないでしょ。
食品偽装による罪は主に『景品表示法』と『詐欺』が該当します。今回のケースは「アキアミをサクラエビとして販売」しているので、表示法の優良誤認に該当しますが、詐欺です。
産地のブランドは強力。国産表示するだけで市場価格は上がります。おまけに本物を知っていても違いがわかりにくいため、販売側のリークがないと発覚しにくい側面も。
食品偽装が減らない理由は、そう簡単にバレないから──でしょうね。
釣り人すらあまり知らないアミエビとオキアミの違い
アミエビはエビ。
オキアミはプランクトンです。
「えっマジ?」と思う人もいるでしょう──
オキアミは蛋白質やビタミン類を多く含み、魚肉ソーセージなど加工食品の原料になり、朝鮮ではキムチの発酵に添加される。しかし風味にクセが強く、また漁獲後すぐ劣化するため、人間の食用としての消費はきわめて少ない。釣りえさ用として販売されているオキアミは鮮度や製造の衛生管理が食品加工法規の適用外であり、また食品に適さない薬品が添加されている可能性もあり、食べないほうがよい。
wikipedia|オキアミ
海の生命を支えるオキアミが、釣り餌として使われはじめたのが1970年代と最近のこと。冷凍できるし、なんでも釣れるし、ウケを狙った商品名も多く、人気の釣り餌です。
「オキアミで釣れない魚なんているの?」くらいの万能エサ。
でも柔らかくエサ取りに弱いため、投げ釣りができない難点もあります。投げたいなら硬めに調整した専用オキアミか、模したソフトルアーを使いましょう。
アミエビはサビキ釣りのマキエでポピュラーな存在です。サヨリ釣りだとエサに使われますね。
しかしエビよりも、プランクトンであるオキアミのほうが大きいのも面白く感じるし、神秘だったり謎な世界だと思います。