ワームがかじられた! バイトの証! ここに魚が居る!!!
……ちょっと考えていただきたい。
かじられたワームはどこにいったんだ?
この記事のまとめ
釣りで使用するワームが環境に与える影響について考察しています。ワームが魚にかじられると、その欠片はマイクロプラスチックとなり、海洋汚染の一因となります。また、魚がワームを食べた場合、消化不良や健康被害が生じることもあります。さらに、水底に蓄積されたワームが水質悪化を引き起こし、悪臭の原因となることも指摘されています。近年では生分解性ワームが開発され、自然環境への負担を軽減する取り組みが進んでいますが…?
かじられたワームはどこへ行く……?
ルアーフィッシングで使うワームは、合成ゴムなり天然ゴムなりのプラスチックで作られています。
ゴムを使うのは「柔らかさ」を実現するため。
柔らかければ水中でも小さな力で動くし、自然の魚(ベイト)に近い動きを表現します。よって食べる側の警戒心が弱まるから、釣れやすいルアーのひとつですね。
昨今はSDGsなり環境投資など、自然環境を今より破壊しないために、改善もしくは維持する動きが活発です。
海洋では「マイクロプラスチック」が問題視されていますよね。
そう……かじられたワームだって、マイクロプラスチックになるわけです。
釣り人はゴミとなる物を投げ入れてる自覚が欲しい
釣り人は釣具を水中に投げ入れています。
それは魚釣りをするために必要な行動。しかし、人によっては環境破壊を促すゴミを捨てているようにも見えます。
互いの価値観に違いはあるし、決して歩み寄れない事柄でしょう。
釣り人は、水中にゴミとなるものを捨てない努力をするべきです。
ワームを食べると魚もワーム臭くなる
もし魚がワームを食べた場合を考えましょう。
ワームは体内で分解されないため、消化不良として内臓にたまります。その量が多くなるほど、魚への健康被害が出ることはわかっています。
人間がクサイと感じるワーム(ゴム製品)だから、魚に臭いがうつることで、食味が悪くなるし、売れない魚となってしまうでしょう。
生物が分解できないゴム製品は、何年何十年、それこそ数百年も水中に残り続けます。
自然が分解しきれないものだから、年月を重ねるほど、水中にあるプラ製品の量は増えていきます。もし人間が減らす努力をしなければ、海溝がプラ製品で埋まるなんてこともあるかもしれない。
海水・淡水で根深いワーム問題
バス釣りができる湖沼は、一部の管理下で「ワーム使用禁止」の措置がとられています。
バスアングラーは「なぜ禁止にするんだ!」と憤ることが多い。
憤るだけじゃなく、「なぜ禁止になったのか?」を考えて欲しい。
ワームだけでなく、ルアー類は基本的にプラスチック製品なので、水中に残りやすいんですよ。
フックは金属なので、錆びてなくなることがほとんど。
でもプラ製品のルアーは残り続けます。特にワームは臭いを発するため、湖底にたまりすぎることで悪臭を発し、水質悪化の原因となっています。
魚釣りで「○禁止」となるのは、環境へあきらかな悪影響があるからです。
自然分解プラスチックがアングラーを救う?
近年は水中で自然分解するワーム(ゴム製品)も増えましたね。
パワーイソメは生分解性!
釣具でもワームなどルアーに採用され、生分解プラ製品のみ釣り大会で使用可能な規則を作るなど、ECO製品として認知されはじめています。
生分解プラスチックは、水中にいるバクテリアが食べることで、自然に無くなっていくプラスチックのこと。
しかし、すぐ消えるわけではなく、数ヶ月から数年かけて分解していきます。水に入れた瞬間に溶けちゃったら、釣りにならないでしょ?
生分解ワームは、「バークレイ」と「エコギア」が積極的に取り入れています。
釣り大会でも認可されているため、ワームを使う釣りをよくするアングラーは、これらのメーカーから選ぶといいでしょう。
ゴミは捨てない持ち込まないの努力を
自然にゴミを放置しないためには、「ゴミはゴミ箱へ」を守ればいいだけ。
しかしながら、それすらもできない大人が多いことが残念でなりません。
SNSでは釣り人が捨てただろう大量の釣り糸や、放置された釣具で怪我をした人も少なくありません。影響力のある人がそういう投稿をすれば、釣り人の立場は一気に弱くなります。
根がかりはテクニックで外すことが出来ます。引っ張ったり緩めたりを繰り返すとか、位置を変えてみるとか、あとは「回収機」を使うのも効果的。