魚を捌くために必要な道具といえば?
「包丁は絶対に必要!」
……うんうん、包丁1本あれば捌くのに困りませんね。
──でも、絶対に必要ってわけじゃないよね。
キッチンバサミひとつあればいいんです。
この記事のまとめ
この記事では、魚を捌くためにキッチンバサミの利用を推奨しています。包丁は一般的な道具ですが、キッチンバサミの方が安全で便利な点が多いのです。特にトゲやヒレを簡単に切り落とせるため、怪我のリスクが減ります。また、毒を持つ魚の場合、ヒレを落とすことで安全に取り扱えるようになります。
キッチンバサミでの魚の下処理方法も紹介されており、クロダイを例にした具体的な手順が説明されています。魚の頭をハサミで切り落とし、内臓を取り出す方法が簡単に実行できます。さらに、カーブキッチンバサミを使えば、アジのなめろうなどの料理も簡単にでき、まな板を使わずに済むため洗い物が減る利点もあります。
釣り場で使うなら、特に強度があり魚の捌きに適した「いちころバサミ」がおすすめです。ただし、衛生面での注意も忘れず、魚・肉と野菜用に別々のハサミを使うか、使用ごとに洗うことが重要です。
キッチンバサミは包丁よりも安全に魚が捌けるアイテム
魚を捌くために使うキッチンバサミは、コンビニや100均ショップで売っている物で十分。
なるべく大きい物がベスト。理由は力を入れやすく、刃も強いから。
キッチンバサミを使うメリットは、トゲやヒレを楽に切り落とすことができるからです。トゲやヒレは包丁でも落とせますが、けっこう力がいるんですよね。
魚に尖っている部分がなくなると、安全に手で持つことができます。
キッチンバサミはヒレがヤバイ魚を捌くのに欠かせない
魚の中には、ヒレに毒を持つのもいます。
例えば「アイゴ」や「オニオコゼ」は、ヒレに毒があり、刺さると激しい痛みが襲います(死ぬわけじゃない)。
……が、刺さらなければ無害です。
切り落としてしまえば、素手で持つこともできるので、包丁で捌くときもやりやすくなります。釣ったそばからヒレを落としてもいいしね。
グレ・チヌ狙いで釣れやすいアイゴは、非常に鋭いヒレとトゲを持っており、毒も兼ね備える厄介者。でも切り落としてしまえば無害です。
ヒレを落とした流れで内臓も抜けるため、キッチンバサミがあれば、アイゴの下処理も簡単になります。やり方は別記事にあるので参考にしてください。
キッチンバサミで魚の下処理(締め)をするコツ
魚を締め方のコツとは、体の構造を理解することです。
魚の内臓はエラと繋がっているため、頭を落とせば締めはだいたい完結します。包丁みたいに腹を開く必要は、実はありません。
キッチンバサミで下処理する手順を、クロダイを例にして説明します。
キッチンバサミで切る部分は、赤線の部分を切るだけで完了。
魚を綺麗に食べると、頭の骨と背骨が残りますよね。身の部分は柔らかく刃が入るため、赤線の部分にはハサミも簡単に通るんですよ。
そこをジョキっと切り込みを入れたら、頭部を腹側に折り曲げると、首の骨がポキつ外れます。その状態から頭を引き抜くと、内臓もついてきます。
そうしたら後は、三枚おろしを待つ状態が完成します。簡単でしょ?
キッチンバサミだけで刺身もできないことはない
キッチンバサミだけで魚の下処理をするのは簡単ですが、刺身など”造る”工程は不向きです。
ハサミは「スーッ」と真っ直ぐ切れないため、刺身をやろうとすると、切り口がギザギザになってしまいます。これじゃあ見た目も食感も悪くなります。
……とはいえ、魚を捌くのに最適なハサミもあります。料理に使うなら「カーブキッチンバサミ」がおすすめ!
カーブキッチンバサミならハサミだけでアジのなめろうが作れる!
カーブキッチンバサミは肉や魚を切る作業に向いているハサミです。
下記リンク先の動画では、カーブキッチンバサミだけでアジのなめろうを作っています。
ハサミだけで料理をするメリットは、まな板が要らなくなることですね。洗い物が減るのはありがたい。
なめろうを作るなら、ボウルを用意して、アジをチョキチョキ切ったそばから入れていくだけ。これならまな板はいりませんし、作業スペースも少なくてすみます。
マグロの柵をサイコロ状に切ってサラダとか、雑でも薄切りにしてカルパッチョ風にもできます。
「包丁が苦手でもハサミなら……」
な人に、カーブキッチンバサミはおすすめです!
魚釣りにもっていくハサミなら「いちころバサミ」がおすすめ
釣り場で魚を捌く目的なら、魚を捌くことに特化している、「いちころバサミ」がおすすめ。
100均のでも構いません。
なぜ”特化”を選ぶのか。……やはり、魚のヒレを落とすには強度が必要ですし、硬い物を切るための握りやすさも忘れてはいけません。
いちころバサミと名前は不穏ですが、釣具を扱うメーカー製だけあって、魚を捌くことに適した形と強度があります。
先端が少し斜めで鋭いから、三枚おろしもこれでできないことないです。
ハサミを使っても衛生面での注意点は忘れちゃいけない
注意点として補足すると──
食中毒防止のため、魚・肉と野菜で、別々のハサミを使うか都度洗うようにしましょう。
加熱調理するのであれば構いませんけど、動物性の脂が野菜につくと、茹でたり蒸したりする調理では、わかる人にはわかる臭さは残ります。これは包丁とまな板を使ううえで基本です。
せめて「肉類」と「野菜類」の2本を用意しましょうね。