シーバス(スズキ)は魚釣りの対象魚で大人気。
しかし、食べるのが好きって人は少ない……。独特な臭いのせいで、食べずにマズイと思い込まれている。
フレンチやイタリアンでは、コース料理のメインを務める、すげぇ魚なのに? それは向こうにとって家庭料理と等しいのに?
シーバスは西洋料理の技法を真似るだけで美味しく映える
調理の基本は世界共通で「煮る・焼く・蒸す」です。
これを踏まえて、和食と洋食──何が違うかと思いますか?
違いがあるのは調味料と水質くらいです。
調理器具は鍋に包丁があれば出来るし、食材に関しては種類こそ違えど、調理法に大した違いはありません。大きく違うのは文化の違い。
日本でスズキ料理といえば「洗い」が代表ですが、欧州だと「アクアパッツァ」などの加熱(蒸し)料理が基本。加熱するだけで寄生虫リスクは減るし、生臭くないようにハーブなどで下処理もできる……。
なぜリスクを犯して、刺身に拘る必要があるのか──。
フレンチとイタリアンは難しいと思い込んでない?
「フランス料理とかイタリア料理は難しそう……」と感じてしまうのは、家庭で味わう機会が少ないため。
どんな料理も、家庭なり郷土から生まれたのであって、同じ材料を用意すれば、世界中の料理は(真似て)作ることができます。
”ただ作るだけ”なら、「煮込みに数時間」「食材を寝かせるのに──」などの手間も必要ありません。
つまり、本格フレンチ・イタリアンでも、家庭料理感覚なら30分以内で作れるわけです。
……いつまでスズキ(シーバス)を、「刺身にしたいけど生臭いから無理」と見向きをしないの? 加熱調理の欧風スタイルを覚えれば、こんなに映えて美味しい食材もないよ?
スズキ料理はポワレとアクアパッツァを覚えるだけで劇的にレパートリーが増える!
「ポワレ」はフランス料理の技法で、「アクアパッツァ」はイタリア料理の技法になります。どちらも加熱調理。
ポワレを簡単に説明すると、切り身をフライパンで焼くだけな。アクアパッツァは野菜やハーブ(ニンニク)と一緒に煮込むだけ。
……こう聞くと、「簡単そう」と思いませんか?
実際めちゃくちゃ簡単だし、他の魚にも代用できるから、一気にレパートリーが増えますよ! どちらもレシピサイトで検索すれば、いろいろな魚でできることがわかります。
スズキのポワレで勘違いしがちなこと
レシピサイトを見ると、「ソテー」「ポワレ」「ムニエル」が混同しています。
ざっくりいえば全て焼き料理になりますが、違うのはフライパンに入れてからの調理法。ポワレは素材をできるだけ動かさないことが特徴で、ソテーは素材を動かすことで火を入れるなど、微妙な違いがあります。
日本では表面をカリッと仕上げる手法をポワレと呼ぶ傾向が強い。この手のウンチクを調理した人にいうと、大抵キレるので注意しましょう。
スズキのアクアパッツァで注意すべき点
アクアパッツァは日本でいう煮魚になります。決めてはスープ(出汁)なので、使用する具材がとても重要。
用意すべきは、アサリ・ハマグリ・エビ・カニなどの海鮮だしがでやすい物が必須レベル。香味野菜やトマトは、臭みを和らげたり、彩りを与えるためのもの。

アクアパッツァは必要材料が多くなりやすいため、「今から作ろう!」と思いつきでやると、足りない物が多くなるのが悩みどころ……。具材がなければ水煮と変わらないしね。
その反面、ポワレは油とワイン(酒)があればいいので楽です。
調味料を揃えてリストランテ気分を家庭でも楽しもう!
料理に国境はありません。今は世界中の具材に調味料を、ネット販売で買い集めることも可能です。
外国の料理が難しそうと感じるのは、触れる機会が少ないため。
味噌汁なんて10分もあれば作れますけど、向こうの人は味噌がないから作りようがないでしょ? ──でも西洋料理に使う物は、日本で手に入らないことがまずないです。
業務スーパーなら、他国籍の材料に調味料が揃いやすいから、外国の料理を作りたい時にありがたい存在。
また、有名シェフのレシピ本も数多く出版されているため、真似やすいことも特徴。
料理店はいいお値段を支払う必要もあるし、格式高く感じるので足が遠のきやすいですが……。レシピなら真似て作ることができるし、なんだか出来る気がしませんか?
それに、西洋料理を家庭で作るのは、テーブルマナーを学ぶための食育にもいいのです。
お子さんが「初めてのちょっと良いレストランのデート」で恥をかかないためにも、パパアングラーがこういう料理法と提供法を覚えて、ナイフとフォークの使い方を教えるのも、教育だと思いませんか?