釣り業界のブレイクスルー発表会は、年初に開催されるフィッシングショーに合わせてくることがほとんど。
18年で注目されるのは、業界最高峰と名高い『18ステラ』。そして『18イグジスト』。
どちらもルアーメンにとって垂涎の品。──ですが、無くても特に困りません。
その理由を媚びずに紹介します。
スピニングリールの進化はもう限界
新製品で注目されやすいのはスピニングリールです。
冒頭であげた2機種もスピニング。なぜ注目されるのかっていうと、ショアキャスティングで使いやすいから、利用人口(需要)が業界でも特に多いから。
リールは年々、確かに進化しています。
20年前(平成初期)と比べれば、本体が軽く頑丈になったし、スプールとローターの進化で飛距離ものびました。
……でも、形はあまり変わってないんですよね。
特に進化しているのは、本体の大部分をしめる「金属」。軽く強い素材に変わっていくことで、「軽さ」は毎年更新しているんですよ。
軽さの違いをシマノ製品のリールで比べてみる
リール単体の重量差は、カタログ数値だけならそれほど差はないです。ちょろっと例を挙げると……
- 17セドナ C3000HG[250g]
- 16ストラディックCI4+ C3000HG[190g]
- 17ツインパワーXD C3000HG[235g]
- 17エクスセンス 3000MHG[215g]
- 16ヴァンキッシュ C3000HG[185g]
- 14ステラ 3000HG[265g]
価格帯による違いも少しはあるけど、年代による軽量化の革新がわかります。
ステラが唯一無二だったのは、マイクロモジュールギアが実現する「最高の巻き心地」でした。しかし現在は(2021年時点)、2万円台でもマイクロモジュールギアを使っているモデルがあります。
リール全体を評する「質」に差はあるけど、機能面に大きな違いはなくなってきました。
それだけ金属加工の技術が円熟味をまし、安く質のいい合金が手に入りやすくなったと考えます。
高いリールを使えば高度な釣りができるってわけでもない
スピニングリールの利点は、軽い仕掛けも投げれること。
近頃は、その分野もベイトに取られはじめてますね……。
ノーシンカーのフィネスタックルは、ブレーキ構造がないスピニングでこそ実現できたメソッド。まぁベイトフィネスといっても、1/2オンス(14g)のワームを投げて”フィネス”というしね。
数グラムのライトゲームをキャスティングでするなら、スピニングはいまだに現役であり、至上の選択になります。
ようするに……適材適所なわけですよ。
5万以上のリールを使っても、釣りが劇的に上手くなるわけじゃないし、魚が釣れやすくなるわけでもない。道具が助けてくれるのは、あくまで「使い勝手をよくする」程度になります。
技術革新が停滞している現在は、毎年更新される新機種を追うより、あなた自身の釣りに適した道具を見つけるべきです。
そのほうが後の釣りライフが充実しますよ。