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海が綺麗すぎても魚は棲めない

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海が綺麗だと喜ぶのは、泳いだりする観光する人くらい。

綺麗すぎる海の実態は、微生物も生息できないほどの環境なんです。プランクトンが飯を食えない海で魚が豊富にいるわけがなく、漁師や釣り人にとっては非常に厄介。

 

かつて沿岸の生物をすべて殺す一歩手前まで汚し、その対策で綺麗な海は取り戻しました。

ところが副作用で、栄養の貧困化が問題視されています。

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人間の排水が綺麗になりすぎて海が綺麗に

ここでいう”海綺麗”は、水質のことをさしています。今回の話にゴミ問題はあまり関係はありません

 

知っての通り自然界は、「食物連鎖」で生命が支え合っています。

海中もそれと同じく、まず視認できるかできないかの微生物が存在し、それを小魚やエビなど小さな生物が食べて成長します。今度はそれをスズキやタイなど中・大型の生物が食べ、それらの出す糞や死骸は微生物のエサとなり、食物連鎖が成立しています。

 

ではここで、海が綺麗すぎて困っている大阪湾漁業者の記事をご覧ください。

【特集】大阪湾が『キレイ』すぎて…地元漁業に『深刻なダメージ』。一体なぜ??(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
今、大阪湾で意外な問題が明らかになってきました。タイにアジ、ヒラメにタコ、タチウ - Yahoo!ニュース(関西テレビ)

経済成長期による汚染のピークは1980年代あたり。それまでは企業だけではなく、家庭排水からも化学物質やら重金属に油などが排出されていて、たびたび魚がプカーっと浮いていたほどです。

現在はそういった物質は微塵も含まれていません。

 

でも無菌に近い水って、栄養となる成分も存在していないことにならない?

海に栄養を与える手段が減っている

そんなわけで人間の排水は真水レベルになりました。かつて汚した海は、その時よりも綺麗になりました。めでたしめでたし……。

でも浄化作戦で一番活躍したのは、人ではなく海藻や貝類たち。

 

広島の牡蠣が有名になったのは、多数の河川が流れ込む湾があり、ミネラル分が豊富で濃厚な個体が育ちやすいところがありました。

貝毒が発症するリスクはありますが、海が汚れるほど貝の浄化機能は働き、大きく育つので味は増すんですよね。

 

海に栄養素が流れ込みにくいのは、河川に備えられたダムの存在があります。

ダムがあると水量が少なくなり、海への流入量が減ります。それは同時に送られる栄養素(ミネラル)が減ることに繋がる。雨で土砂が流れ込むのも、草木が沈むのも、全てに意味があります。

それらは食物連鎖の最下層にエサを届ける重要な役目を果たしているわけ。──今はどうか? 土に触れるのも難しいくらいですよね。

 

貧栄養化は都市開発が促進して、綺麗な水にも栄養を残さなかった人間のミスでしょう。

釣り人も無視できない海が綺麗すぎる問題

沿岸に栄養が少なくなるってことは、魚が寄る(棲む)理由がなくなります。

陸っぱりアングラーにとっては死活問題で、漁師はもちろん潮干狩りにもダメージがあります。

てことは……海のレジャー全体が貧弱になってしまうわけですね。

 

瀬戸内海の貧栄養分布

http://www.jfa.maff.go.jp/j/koho/pr/pamph/pdf/eiyoushiokanri.pdf

 

去年あたりに生活排水の安全基準をわざと下げて、海に栄養を送る実験をしていた記憶があります。

海苔養殖は色落ちや貧栄養の改善を目指す研究が盛んで、それが急務かつ重要事項だとわかります。

 

排水の安全基準を下げて流すほうが、海の健康に繋がるわけなんですが、現在の世論がそれを許すだろうか……っていう。

豊洲市場では化学物質が出ただけで大騒ぎ。別にそれを飲むわけでないし、飲んでも問題ないのに、”無菌しか許さない”みたいな流れが、海藻を養殖する業者を苦しめていることになります。

純粋に育てるため「温室育ち」にするのも、いいことばかりじゃないってことですね。

水が綺麗すぎても生物が棲めない

ここまでを簡単にまとめると、水が綺麗すぎても魚など生物が棲めないことになります。

とはいえただ排水を垂れ流すと、過去を繰り返すただのお馬鹿さん。なので現在は、排水で栄養をコントロールする研究が盛んですね。

 

論文 ノリ色落ちと内湾域の栄養塩動態|2008年度日本海洋学会秋季大会シンポジウム
リンク 瀬戸内海の貧栄養化について|兵庫県立農林水産技術総合センター

 

これらの資料は目を通して頂きたいです。

 

全国の湾内では同様の問題を抱えています。もちろん浜名湖も。

イケス程度の狭い世界をコントロールするのは容易でも、地球の面積の約70%を占める海は難しい。

その栄養素を調整できるようになれば、豊穣の海が再び戻ってきてくれるかもしれません。

藻塩を撒けば丁度よさそう(能天気)。

地域ニュース
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海釣りがメインで、たまに淡水もやります。2018年は身近な浜名湖で、ポイントを転々と釣り歩いてマッピングしたい所存。

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とある浜松アングラーの一生