冬は水温も下がり、魚も人間も活性が落ちる季節です。
そんな時でも釣れる魚はいるのかよ……。いるんです! 冬に元気なのがロックな奴。そう──根魚です! アングラーに休むシーズンはない。
厳寒期こそ楽しめる穴釣りのススメ
穴釣りとは、岩やテトラの隙間の”穴”に仕掛けを落とし、潜む根魚を釣りあげる釣法です。
シーバスみたいにベイトはどーだ、ポイントはあーだ──など、細かい理論は根魚に必要ありません。彼らはただじっと餌を待つタイプ。なら餌を眼前に届ければいいだけ。ね? 簡単でしょう?
ロックフィッシュゲームが冬こそ人気になるのは、これを狙うのが一番確実だからです。
身も蓋もない理由ですが、これが真実。あと堤防の影や岩場が主戦場になるため、寒風から身を守りやすい理由もあります。日が差していると地味にあったかですよ。
穴釣りロッドの選び方は強度を優先すること!
ロックフィッシュ向けのロッドは、小型ジグへッドを使うことが推奨されているため、ライトゲーム用の柔らかめが多くラインナップされています。
……そんな軟弱なロッドで大丈夫か?
柔らかいロッドは、小さい魚でも引きを楽しめる利点がある。でもそれだと、尺サイズに迫る根魚を、狭い穴から引きずり出すガチバトルに耐えることができません。ましてや抜き上げることも困難です。
穴釣りは狭い穴から引きずり出す釣りです。そのためロッドやラインシステムの強度が優先事項。岩の隙間にランディングネットなんて入らないでしょ? もし尺サイズが掛かったら、推奨ラインでそれをどう抜きあげるのだろう。
ロッドは短く強度があるものが望ましい。例えばこんなの──
長さは140〜180cmくらい。重り負荷20〜30号(80g前後)がオススメ。このスペックはルアー向けに存在せず、むしろ船用の小物とか根魚向けのスペックに存在します。
この耐久力なら尺メバルだって抜き上げることができます。実際やっていますしね。
根魚釣りのエサはオキアミが最強!
根魚は肉食なので、釣り餌はサンマの切り身や、イカ短冊がよく候補にあがります。
春・秋の水温が高めの時期だと、活性も良いのでエサが大きめでも食いがいいですけど、冬はどうしても食いが落ちます。その点オキアミはオールシーズンで使える万能さがあります。
冬は冷凍オキアミが溶けないので、半生タイプの刺し餌がおすすめ!
仕掛けは自分で作るほうが安上がり
穴釣りは根がかりリスクが最高クラス。そこにジグヘッドのような引っかかる部分が多いリグを使うと、根がかり頻発で財布がブレイクする恐れが高くなる……。
根魚はもっと雑な仕掛けで十分です。相手にエサを届ければいいだけ──。私はこんな仕掛けを使っています。
針を結ぶのなんて、スナップにリーダーを結ぶのと大して違わないから、慣れれば簡単です。
真の穴釣りは金をかけるほうが損をする
ルアータックルを使うロックフィッシュ特集を見ると、軟弱なロッドで暴れるロックの引きを楽しむ感じに見受けられます。
ただ引きを楽しむだけなら、その選択は正しい。でも穴釣りには向いていない。
穴釣りはロッドを差し込むのが困難な場所ほど釣れやすいし、大物も潜んでいやすい。だからロッドに傷がつくのを厭うような金額をかけると、神経が擦り切れて病んでしまいます。根掛かりやブレイクが頻発するので、絶対的な強度が必要です。
へにょいロッドで尺クラスを抜き上げるのは、荒磯でブリと格闘するより難しいレベルかもしれません。無駄に釣りの難易度をあげる必要性はない、私はそう思います。
とはいえ、ロックな奴らの生態を知るために、教本を読み耽ることも大事でしょう。
ショアからの根魚釣りのコツは、誰でも狙える場所以外に仕掛けを入れること。
彼らは基本的に動かないため、釣られたらそこから居なくなります。そのため、釣りがしづらい場所ほどお宝が眠っているわけですね。いうならば、宝探しみたいなのが穴釣りの魅力でもあります。
デカイ魚を想定しないなら軟弱タックルでもOK!
堤防ヘチなど根がかりリスクが少ない場所なら、ジグヘッドを使うロックゲームスタイルでいいです。より過酷な穴釣りを追求するテトリストなら、コスパを優先するのがおすすめ。
私が穴釣りで使うタックルは総額3000円かかるかどうかな物。──魚をかけて、釣りあげる強度があればいい。ただそれだけ。……引きを楽しむ? 感度? 味わってるうちに根に潜られるわ!
タックルのカタログ数値は、どれだけのウェイトを使えるかの基準が表記されているので、読めるようになると、自分でタックルを選ぶのも捗りますよ?
数世代前のロッドでも、現代と同じ魚を釣りあげていたわけですしね。