シマノの業界最軽量リール「19ヴァンキッシュ」が発売され、

「んほぉ〜このリールたまんねぇ〜!(恍惚)」
と悶える変態の感想をよく耳にします。
ハイエンドモデルのため、目立つ欠点がない良いリール。でも買う前に考えてほしいのは、全体のタックルバランスです。

重いロッドに合わせるとチグハグになっちゃうのさ。

最軽量リール「19ヴァンキッシュ」に潜む罠
ヴァンキッシュはシリーズを通して、業界最軽量のリールを貫いています。
一方で、軽すぎることが弱点にもなります。
ルアーロッドはすべからく軽いですが、キャストする時はテコの原理を活かすため、手元(グリップ部)に重心があるほど振りやすくなります。そのためグリップエンドに重り(バランサー)を装着しているロッドがほとんど。
リールはその役目も担っているので、”軽くしすぎる”のもキャストしづらくなる原因になります。
タックルの重心は手元にあるほうがロッドを振りやすい
ルアーフィッシングはとにかくキャスト回数が多いので、疲れにくい(振りやすい)タックルバランスが重要です。もちろん魚に耐える「強度」や、「柔軟さ」も必要です。けれども、疲れないタックルは何よりも「楽しい」が勝ります。
ヴァンキッシュはかなり軽いリール。
1万円前後の同型リールと比べれば、数十グラムの差があったりします。
今までリールが重いことが丁度いいバランスを保っている場合、ヴァンキッシュに変えたとたんに振りにくくなった、と感じる人もいるでしょう。これに多いのが廉価なロッドを使っている場合です。ハイエンドのロッドならもともと最軽量クラスだから、軽いリールにすると丁度いいバランスになるんです。
だからヴァンキッシュに適したロッドは、ロッドだけでも片手で振りやすいことが前提になります。
19ヴァンキッシュの買いどころ
ソルト・フレッシュ問わず、ライトゲームのカテゴリでは最高峰のリールでしょう。
マスの管釣りやアジングを視野にするなら、2000番を基準にするのがいいかと。スプールを追加すればフレッシュ・ソルト問わず使うこともできます。それらに使うロッドは安くても軽いし、ヴァンキッシュなら丁度いいバランスになります。

19ヴァンキッシュをはじめて持ったときは、「なにこれほんとに持ってるの?」と感じました。”この大きさだとこのくらいの重量がある”──その概念が崩されることは間違いない。
4000番を使うならステラかツインパワーでよくない?
19ヴァンキッシュは4000番でも2万円台の1000番と同等の重量です。

軽いリールは確かに疲れにくくはなりますが、ロッドが長くて重くてゴツいタックルに合わせる必要は必ずしもないと思います。特に10ftをこえるとティップ寄りに重みを感じるほうが楽だから、手元の軽さは気にしなくなるんですよね。
……そりゃテスター達が使っている、最新ハイエンドロッドならバランスも合うだろうさ。ちょい古い道具を使わざるをえない一般アングラーに、それを「どうぞどうぞ」と勧めるのはいかがなものだろう。
いっそバランスを考えて、「ロッドとセットで◯万円!」みたいに、釣具屋とテスターがジャパネット風に売り出したらどうだろうか。……いつもやってるか(自己解決)。