春と秋はアオリイカシーズン。開始とともに、何も知らない無垢な小イカが沿岸に訪れ、アングラーの毒牙(エギ)にかかります。そう、年間通して最も釣れやすいタイミングですね。
釣れやすい時期だからこそ、やるべきことがある。メソッドは正しいのか? どんなアクションが有効なのか? イカを見ながらそれを試せる時期。だからエギングの基本を学ぶいいシーズンなのです。
秋に訪れる新生アオリイカたんを毒牙(エギ)にかける
アオリイカの釣りシーズンは「春」と「秋」。この時期は産卵期に当たり、なるべくなら見守って頂きたい所ですが、最も沿岸に寄るタイミングだしチョロいしで、釣りシーズンとなっております。漁と釣り人に慈悲はない。
ちなみに”春・秋シーズンのはしり”は、自然を勝ち抜いてきたぴゅあぴゅあなアオリイカたんが、多く沿岸で遊ぶ姿を見ることができます。微笑ましい。
そう──、純粋だからこそチョロ(釣れやすい)いんです!
見える魚を釣れずに見えない魚を誘うのは難しい
春と秋のはじまりには、漁港などにかわいいアオリイカが集結します。天国かよ!
透明度が高すぎると見つけるのが難しいですけど、濁っていると「妙な動きをするクラゲだな」程度に判別できます。黒っぽい何かが漂っていれば、枯れ葉orアオリイカです。
アオリイカは越年しないため、”スレ”の概念がほぼありません。
そのため画一されたメソッドが通用します。それは「エギをいかに魅力的に動かすか」だけ。なぜそうしなければならないのかは、対象の捕食習性と視力の話になります。
知って得するアオリイカの捕食行動
魚類は側線をセンサーのように使い、”音”を頼りに獲物を探します。一方アオリイカは側線を持たないため、視力が発達しています。だから図体の割りに目がマンガチックなんですね。
とはいえ、視力がよくとも色覚はほぼありません。いくら派手な色をしたエギも、イカちゃんからは”動く物体”にしか見えません。なので「エサだ!」と判断するキッカケは、背景と比べて”動く物体かどうか”に集約されます。だからエギングは積極的にシャクってる(動かす)わけですね。
……「シャクリ(アクション)」といえど、数種類のテクニックがあります。
イカちゃん指南本は、その引き出しを教えるのが”飯のタネ”──ですが、根幹にある「なぜシャクる必要があるのか?」について指摘するする本は見かけたことがないくらい。
それは非常にシンプルな答えで、「イカに(エサとして)認識してもらうためにエギを動かす行動」こそが、シャクリの極意です。
- サイトフィッシング(見ながら釣る)でイカが追ってくるアクションを身につける
- シャクリは何回? その幅は? フォールの速度は? レンジはイカに対して上か下か?
- サイトで釣れれば自信になるしエギがどう動いているかわかるため、ポイントの水深に対してのアプローチも想定しやすくなる
1年生アオリイカと遊んでシャクリマスターに!
アオリイカシーズンのはじまりは、新入生がメインのため、スレという穢れを知らない”釣りやすい個体”が主流。その分サイズは小さいですが、数釣りが可能なので、練習するには最高の条件となります。
エギをシャクるコツとしては、逃げるエビを想像すること。あとイカがエギに乗るのはジャーク中ではなくフォール中です。
エギのアクションは「ジャーク(集イカ効果)」「フォール(RIDE ON TIME)」のセクションに分かれています。エギが鋭く動くことで、アオリイカが「あれはエサか!?」と興味を示し、フォール中に「チャンスだ!」とライドオンしてくるわけです。
なのでエギアクションで重要なのは”ダートアクション”になります。この時、左右への振れ幅が大きいほど、イカちゃんにアピールできる範囲が広くなります。ダートの幅を広げることは、ボトム付近の”見えないイカを寄せる”ために重要です。
ちなみに──若く活性が高いほど鋭い動きに反応しやすく、晩秋など活性が落ちた時期はゆっくり大きく動かすのが効果的。
エギはアオリイカの活性に合わせるべき
イカエギは「号数」によって、本体の大きさと重さが大体決まっています。形状はダートの振れ幅が変わるくらい。
エギは大きくなるほど(ジャークの)動きは鈍くなり、重くなるほど早く深く沈みます。大きいエギは深いポイントを攻めつつ、活性が悪い状況で有効。対して小さいエギは軽快なアクションで誘い、フォールの調整で食わせる基本タイプです。
活性が高い走りのシーズンなら、”小型の3.0号以内”がおすすめ。カラーは水色に対して選ぶ必要はありますけど、ピンクと黒っぽい色が主体の2種類あれば、おおよその場面に対応できます。それよりもダートアクションが重要なので、ぴゅあなアオリイカを狙うのであれば、スリムなエギを選ぶといいです。
エギはセット売りも豊富だし値段も安めだし、種類が多いにこしたことはありません。
産卵は海藻にするため、その習性的に地磯なり沈み石など、イカちゃんは岩が多く沈むポイントに寄ってきます。ボトムからギリギリ離すエギングを身につけるためにも、まずは砂地が多い漁港から練習をはじめましょう。
なぁに秋シーズンの走りなら、大抵の漁港で小アオリイカたんを見ることができます。もちろん浜名湖でもね。
—–参考サイト—–