シェアリングサービスが流行ってますが、なぜ釣具のシェアは流行らないのだろう……。
ステラのシェアとか需要はあるでしょ──でも、それを商売にするには、難しい問題があるんだよなぁ。
釣具のシェアリングエコノミーは難しい…
一時期、釣具のレンタルサービスをはじめた釣具店がありました。
東海地方の雄、『釣具のイシグロ』である。
釣具のレンタルとはいえ少し特殊。中古販売で扱う”中古釣具”をリースする内容でした。店頭に並ぶ中古釣具なら選べるけど、”好きな物・使ってみたい物”を自由に選ぶことはできなかった。
このサービスはいつのまにか終了していた。しかし、なぜ続かなかったのだろう?
考えられる理由は、レンタルを希望する客層と、使う環境を甘く見積もりすぎていたのではないだろうか。
全ての釣り人が毎回メンテナンスをするとは限らない
釣具のレンタルが流行らない最もな理由は別にある。
そもそもアングラーであるならば、愛用のタックルを所持しているのが当たり前。使ってみたい製品はあるだろうけど、わざわざレンタルする? その理由があんまりない。
レンタルを利用するのは、道具を持たない新規が主体と考えるべきですが、このサービスが続かなかったのは、そこに問題があったのではないでしょうか。
……そもそも釣り初心者が、リールやロッドのメンテナンスをする? 釣行後に水洗いする?
それは規約で明記されているだろうけど、使ったことがない人ほど、使い方は雑になるものです。……だから道具の消耗が激しく、レンタル費用と見合わず、続けられなかったんじゃないかなぁ。
釣具は何回貸せば元が取れるのだろう
例えば高級リール、「ステラ」を貸すことになった場合。全く知らない人に貸せますか?
……1回の貸出で、ボロボロになる可能性もありますよね。その損害金はどうしたらいいのだろう……。
損害の賠償については、規約を閲覧して契約書に署名をした時点で成立するけど、向こうがゴネ続ける可能性もある。「普通に使っていただけ」とかね。
そうなれば訴訟するしかないけど、たかだか数万の損害で起こす裁判は、確実に赤字です。
結局のところ”示談”か”泣き寝入り”の二択になるわけで、示談なら「物の価値の何割+迷惑料」程度。それを何度もやられたら、病むどころじゃないですよね。
信頼に足る人に貸せてこそ、高級レンタルは成り立つ。そうでないなら、コスパ良い安物を貸すしかないでしょう。……商売ならね?
アウトドア用品のシェアリング(レンタル)サービスは多いのに…
アウトドアでもキャンプ用品のレンタルは人気ですね。
キャンプは「一度やってみたい」気持ちだけでは、揃えるまで結構な金額がかかります。道具も多いですしね。だからレンタルサービスの需要が高いし、良好な顧客もそれなりに居るのでしょう。
この分野に、博報堂DYが飛び込む!
月に3点を一週間借りることができるし、見て気になった商品を試すとか、家になるべく物を置かない、置きたくない人にとって重宝するサービスになりそう。
このサブスクは「月額500円」でレンタルできるし、配送も込みだから嬉しい。……運営側は倉庫と製品の維持が大変だろうけど。
キャンプ用品はブームの再熱もあって今が勝負どころ。
ゆるキャン見てキャンプしたくなったけど、イチから道具を揃えるのはなぁ……と思っている人には、「そらのした」のような、アウトドアギア専門のレンタル専門店もあるよ!