「どんなサーフならヒラメが釣れる?」の答えは……

わりとどこのサーフでも釣れますし居まぁす!
としかいいようがない。……だけで終わるのは、いささか説明不足すぎる。
より細かい”釣れるポイント”の絞り方について。

ヒラメはあんな所やこんな所にまで居る

ヒラメのルアー釣りといえばサーフ。
エサ釣りといえば船が定番でしょう。「じゃあそれ以外は?」が本件の軸。
答えをいうと、”日本全国わりとどこにでも居る”が正解。
ヒラメは北海道から沖縄まで、太平洋と日本海の海域に満遍なく分布しており、全国のどこにでも居るし釣ることも可能なレベル。沿岸から狙えるかは別の話。
地域によって釣れる平均サイズが変化しますが、それは「適正水温」が関係するため。
ヒラメの適正水温で生息する平均サイズも変化する
ヒラメの適正水温は18度前後といわれています(15~20度)。
ヒラメ釣りといえば沖合になるのは、海底は年中適正水温になりやすいから。そして沖なら55cm前後が平均サイズになります。
対してサーフを含む沿岸の浅瀬は、天候と季節による水温変化が顕著。南に下るほど平均水温が上がるため、沖縄になるとヒラメが棲みにくい環境になります。
水温によって釣れるサイズが変化するのは、ヒラメは小型なほど高温に適応しやすいため。水温が年中高めな四国以南の太平洋側は、沿岸で座布団クラスが出にくい傾向があります。
そのため全国のサーフでヒラメが狙えるタイミングは、水温が18度前後になりやすい春か秋がベストシーズンになりやすい。
沿岸でも(地域により)年中狙えるのがヒラメ。サイズを狙うならベストシーズンを選ぶべき──といった感じ。
ヒラメがいつから砂地だけに居ると思った?
ヒラメにカレイやマゴチなど、海底にべったりしている魚は砂地に居るイメージが強いでしょう。
ヒラメは岩の上(磯)にも居ることがあり、カレイやマゴチは砂地だけを好みます。これは食性が関わっています。
ヒラメは上方にエサを見つけたら飛びつくタイプ。
いっぽうカレイやマゴチは、砂地を掘ってエサを探すか、歩いているエサを食べるタイプ。
ヒラメにルアーを見つけてもらうには、ボトムより上を通す必要があります。マゴチはボトム付近でアクションさせるのが有効。だからヒラメはミノーで釣れるけど、マゴチは釣れにくいわけですね。

遠州灘が「サーフルアーの聖地」たる理由
遠州灘サーフが”聖地”となった理由は主に2つ。
- ヒラメが生息しやすい水温が年中継続していること
- 砂地のサーフが全域にあるためポイントが多いこと
ざっくりいえば、年中通っても等しくチャンスはあるってこと。
水温が安定しやすいのは、黒潮の分流が影響しやすいため。冬季でも15度を下回ることは稀ですし、名産のシラスと成長したイワシがベイトになりやすく、河川の流入が多くて栄養が豊富!
魚たちにとって遠州灘は、エサに困らないし、楽園であるといえます。──釣られたり採られたりしない限りは。
他には、日照時間が多く天候が安定しているのと、遠浅メインでサーフルアーがやりやすい、もしくは敷居が低いことも大きいでしょう。

日本海側はサイズが落ちるが居ないわけじゃない
日本海側のサーフはフラットより、青物にシーバスなど回遊タイプがメイン。ヒラメも居ないことはないですが、太平洋側より平均サイズは落ちます。沿岸よりも沖合の船釣りが盛ん。
海流が弱い地域のため、そもそもサーフと呼べる箇所が少なめ。それは大河川付近にあるくらいですね。
岩場が大半を占めるので、ロックショアをやりつつラッキーパンチで釣れるほうが多い。
でかいヒラメを釣りたければ東北エリアに行け!
東北エリアのヒラメ平均サイズは全国屈指。ちなみに青森県の県魚もヒラメ。
特に有名なのは宮城の仙南サーフ。フラット以外にもシーバスにオオニベが狙えます。
サーフ自体は多くないものの、ベストシーズンが風裏(追い風)になりやすいのがメリット。親潮の恩恵で魚の入りやすさと種類も豊富! でも水温が一気に下がりやすい地域柄なので、(ヒラメは)時期を逃すと来シーズンまで「サヨナラ~」もあります。
水温が下がる時期は、水深があるポイントを狙えばいいだけ。沿岸でも磯なら10m超えもあるし、港内を狙う手も。
堀田光哉おすすめ全国サーフガイド!
シマノのサイト「FIELD PASS」には、全国でヒラメをハントしてきたホッティの厳選サーフを見ることができます。「ここならサーフルアーができる!」の指標として利用しやすい。
各ポイントごとにオススメの対象魚やシーズンも記載されているので、参考にして全国を巡るのも悪くない。ヒラメはある程度どこにでも居ます!!

