トビウオ ~海と空を駆けるベイト~

トビウオ ~海と空を駆けるベイト~

トビウオが釣りの対象になることはほぼ無い。だがトビウオほど自然界から執拗に追われる存在もないと思う。なぜなら──空でも鳥に食べられるからだ。

YouTubeで見たトビウオ動画がせつなかったので書きました。

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トビウオ「ああ!逃げられない!!」

トビウオは、飛びます(迫真)

なぜトビウオは飛ぼうとしたのか……。外敵(マグロ・シイラ)から身を守るため、「水中じゃ敵わないから空に行こうぜ!」なノリで進化した、と考えられています。英名は”Flying Fish”、扇状に開く翼のようなヒレで空を飛ぶ魚は、唯一無二の存在であります。

トビウオの悲劇は「美味い魚」としても進化してしまったこと。

水中の敵から逃げるために進化したのに、空を自由に飛べる鳥には無力だった。あげく、人間にも狙われ食べられてしまう……。泳い~でも、飛ん~でも、食べら~れる……。存在自体が”誰かの食料”と思えなくもない運命に、ピクミンのあの歌(愛の歌)が流れてしまった。……そんな様子をご覧ください。

空中に出たほうが簡単に食べられてしまう」と、ナレでいわれたのがせつない。着水点で食べられるのもせつない。ああ、ピクミンそのままじゃないか。

海と空を育むベイトフィッシュ

追われたイワシが水面で鳥に食べられるのはよくあるけど、空中に飛び出て食べられる(不可抗力)のはトビウオだけ。もしかしたら、毒を持っていたりトゲトゲしかったら、ここまで外敵に狙われることもなかったかもしれない。むしろダツより危険度が増すのでは?

トビウオがめっちゃ美味い魚になってしまったのは、空を飛ぶために体内のある部分を無くしてしまったから

食性はプランクトンですが、胃袋が無いため体内に食べた物が残りません。栄養を吸収する効率は悪いですが、そのおかげで体が軽く、空を長く飛べるわけです。内臓はどの魚よりも簡素で少なく、雑味(生臭さ)がないからすごく食べやすい。だからこそ陸海空から狙われる存在になってしまいました。

最大40cmまで成長し、大型であるほど長距離を飛びます。100mは当たり前、映像記録としては45秒の飛行時間が最長とされています。

トビウオ - Wikipedia

トビウオは勢いあまって船上に飛び込むこともあります。1947年、ポリネシア人の民族移動の新説を実証するべく、南米のペルーから南太平洋の島まで4,300マイルを航海した「コンティキ号(筏帆船)」の漂流記には、「トビウオがたくさんぶつかってきて、ムカついたから食べるとウマかった」──みたいな一文がある。

人間にしてみれば、食料から飛び込んでくるわけだから、これも長時間の航海に必要だった栄養源だったのでしょう。ありがとうトビウオ!

コンティキ号 - Wikipedia

なぜトビウオは「アゴ」と呼ばれるのか

なぜ飛魚は「アゴ」と呼ばれるのか。それは”アゴが落ちるほどウマイから”です。

トビウオは飛ぶために筋肉が発達しており、雑味になる内臓や脂が少ないため、雑味のないスッキリとした味わい。新鮮な刺身は極上で、塩焼きやフライの加熱調理もイケるし、練り物は高級品……! とはいえ、食材よりも「アゴ出汁」のほうが有名でしょう。

「アゴ=飛魚」は日本海側の呼称。トビウオを素干しや煮干しにしたのが「アゴ干し」になります。それを使った鍋のつゆにラーメンスープなどが大人気! アゴが魚なのか何なのか、トビウオだと知らないまま食べている方も多いでしょう。

アゴ出汁を楽しむなら、パック入りの粉末出汁がおすすめ。スーパーでもよく見かけるし、味噌汁のアクセントや炒めものにも使えます。

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トビウオ料理は島根に行け!

トビウオは熱帯域に生息するため、西日本で水揚げされることが多い。鮮魚で流通するのは稀、見た目から「これ食えるの?」と思われるのも仕方ない。ちなみに幼魚から羽根があります。

島根県の県魚はトビウオで、夏を告げる魚に位置しています。現地では飛んでいる状態を網でキャッチする伝統漁法を体験できたり、お土産に練り物やアゴ干しが有名です。

あご|島根県|全国のプライドフィッシュ|プライドフィッシュ
漁師が選んだ本当においしい自慢の魚、プライドフィッシュ(PRIDE FISH)の公式Webサイトです。各都道府県のプライドフィッシュの情報や食べられるお店、買えるお店の情報、プライドフィッシュなど魚を使ったレシピ集などを掲載しています。

おそらく鮮魚として食べるなら、九州北部のほうがチャンスがありそう。東京の市場に鮮魚で来ることもありますが、家庭よりも料亭や寿司店で楽しむのが妥当でしょうね。「とびっ子」はトビウオの卵だったします。

魚釣りなら夏期のショアジグサビキで稀に釣れます。針にかかるとマジで飛ぶから面白いですよ。もし釣れたら刺身にしてみたりと、上品な味を堪能してみてはいかがでしょうか。

魚を知る
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