所持するタックルを貸し出して、お金が貰えるサービスがあるとしたら利用します? 小遣い稼ぎにはなるだろうけど、私はなるべくやりたくない。
アングラーはもっと楽に、初期投資ゼロでも売れる物があるじゃないですか。
釣具のレンタルサービスは何故流行らないのか
釣具のレンタルが流行らないのは、塩水のメンテナンスが面倒なところでしょうね。
ユーザー間のレンタルサービスは、「シェアリングエコノミー」として認知されています。あなたが所持している”物”を貸し出すだけなので、新たに投資することもないし、副業にも丁度いい。車を持っているけどあまり乗らないのであれば、カーシェアで貸し出すことで、整備や車検の代金を稼ぐこともできます。
一番の問題は、みんながみんな綺麗に使ってくれるとは、限らないこと。
モノを扱う以上、基本的に”消耗品”として考えることは必要。釣具のレンタルが流行らない、新たに生まれてもすぐ潰れるのは、「使った後のケアが不十分だった」ことが想像できます。
管理釣り場はレンタルがあるじゃない?
管釣りにレンタルセットがあるのは基本。業界で唯一、レンタルサービスが成立しています。
それはなぜだろう。
使った釣具をその場ですぐメンテできるから──でしょうね。
その場で使うから、使った後にすぐ返却される。海水ならすぐ洗えばいいし、糸が切れているかどこが壊れたかがすぐわかるし、受付の合間でも直せる。もしレンタルが配達だとしたら? ……輸送中に乾燥して塩が浮く可能性はあるし、海で使った物ならサビが浮くかもしれない。
「人から借りたなら、より大切に扱おうと考えるのでは?」
万人が自分でメンテをしてくれるわけじゃないし、「自分のじゃないから」とぞんざいに扱うことだってありうる。利用者全員が水洗いのちに乾燥してくれれば、箱を開けたらリールが塩で真っ白! ……なんて問題は発生しない。けれど、現実はそうじゃなかったから、釣具のレンタルが定着しなかったのでしょう。
これを防ぐには、「壊した場合は損害請求」「使用後は必ず水洗い、乾燥させること」を規約にすればいい。でも”縛り”をガチガチにしたところで、長過ぎる規約文に全て目を通す人も少ないでしょう。
と、いうわけで……、釣り道具を見ず知らずに貸し出すのはリスクが過大であり、20万円のタックルを開始1時間で破壊される恐れもあります。なので物をシェアすることは向いていない。
でもアングラーにはアレがあるじゃないですか。物ではなく、知識を売ればいい。
アングラーは「釣らせること」をシェアリングエコノミーにできる
フィッシングガイドが職業としてあるように、アングラーの経験や知識には資産価値があります。
毎回釣っている凄腕なら、写真を投稿するたびに「どこで釣ったんですか!?」と返信が必ずくるでしょう。そこで「ジュース1本おごってくれたら教えます」と返答して「それでOK」となった時点で、ビジネスが成立します。
ここで考えて欲しいのは、あなたが持つ”毎回釣れるポイント”を教えることは、「これがジュース1本分の価値でいいのか?」と自問すること。どーしても釣りたい人なら、「移動費は持つしメシもおごるよ!」と、条件を上げてくれるかもしれない。となれば、1つの情報が3000円くらいで売れたことになる。それを上手く組み合わせれば、日給1万を超えることもできる。
このモデルが行き着いたのが「釣り船」。特定の魚を釣らせる代わりに、燃料代と生活費を乗船するアングラーからいただく形。船長の手腕がいいほど口コミで周知されていくから、他の船より腕がいいほど収入は安定していきます。
それと同じことを、いちアングラーでも出来る環境が、今は整っています。
自費出版で釣りポイント本を出す手もある
SNSで直接連絡でもいい。ブログでもいい。「note」で投げ銭記事もある。「ココナラ」で販売してもいい。雑誌に売り込んで1コーナーもぎとる道だってある。……可能性と選択肢は、意外と転がっているものですね。
はじめにめっちゃ苦労して、後は楽してお金が入るようにしたいのであれば、特定地域のポイント紹介本を作るのもアリ。例えば北海道の全港を紹介するこんな本みたいに。
ポイント本は想像で作ることも難しくはない。それが不信感が生まれる理由でもある。
だから実際に釣った写真を交えたり、メソッドも併記すれば説得力が増します。水深とか水底の状況なども記録すれば、出版社が出すポイント本よりも詳しくなるし、それだけ価値もあがります。今まで費やしてきた時間にリターンを求めるなら、これが最善かもしれません。
今ならnoteで「どこそこでなになにが釣れました。方法はこうで証拠はドーン」を有料記事設定にするのが、一番手っ取り早いかなと思います。登録と利用は基本無料だし、サービス人口も伸び伸びだから需要はあると思う。アウトプットの場としては最適です。

