年頭恒例のフィッシングショー。2021年の「大阪フィッシングショー」はすでに中止が決定。でも「釣りフェスティバル」はオンライン開催が決定!
FSをオンラインでどのように見せるかが注目ポイント
『フィッシングショー(FS)になぜ人が訪れるのか?』──その答えは単純ながら、人によりけりだから難しい。
最新の釣具を目で見て実際に触れる。それも1会場で多くの企業で試せる。著名なアングラーも参加するため、ファンとしては会いたい嬉しい。プロアングラーのトークショーなど、企業ブースでこぼれ話を聞くこともできる。メーカー品をアウトレット価格で手に入れることもできる。プレゼント企画や参加アイテムなど限定品もある。
……などの理由があるけど、オンラインで同様に実現できるのは何があるのだろう。
「その手で触れることができない」
──発売後に釣具店でやればいいだけの話。
「著名アングラーに会えない」
──YouTubeなりインスタライブをやってくれれば、何もFSじゃなくていつでもどこでも会える(見れる)のでは? トークショーはライブ配信にすればいいし、回線負荷を考えれば録画なりアーカイブでいい。
「企業ブース巡り、プレゼントがもらえない」
──各企業のページに飛んで、入場者トークンを入力後に厳正な抽選でプレゼント送付でいいのでは。限定品も個数を決めておいて販売の体にすればいい。
……うん? 別にオンラインでもよくね?
最大の難関は人の回遊ルートと探しやすさ
FSのオンライン化は、ぶっちゃけ、参加企業のHPをずらーっと並べるだけでも完結する。
好きなメーカーがあれば優先してクリックするし、時間があまればランダムに他を選ぶはず。でもそれって、ただのリンク集じゃない? 無料ブログを借りて本を読めば誰でも作れる代物に、わざわざ閲覧料を支払うだろうか。
オンラインの難しいところは、自分を知らない人に興味を持ってもらうこと。
会場ならテキトーに歩いて、興味をひく何かを探すことができる。オンラインはその「テキトー」が難しい。VR空間にブースを作れば、実際のFSと同じようなことは可能だけど、ウェブページで同じことをすると、クリッククリッククリックを繰り返すハメになり、途中で面倒になってブラウザを閉じることになる。VRでも「何これ~」で触れる必要はあるけど……。
展示会のオンライン化で重要なのは、ワードではなくグラフィックで勝負することだと考える。
釣具の質感や使用感をバーチャルで知るためには
VRを使えば実際のスケールで体感することは可能。だけど質感なり”重さ”を実感するのは難しい。会場開催の魅力は、よく知らないメーカーで聞いたこともないアイテムに触れて、惚れ込んじゃうところにあると思う。それをオンラインやバーチャルで体験するのは難しい。
ありそうな話だと、新製品のモニター優先権販売とかは考えられる。送料負担がメーカー側にあっても、広告塔が増えつつ当人が購入すれば販売経路が増える。
FSの本体はトークショー説もあるくらいだし、プロアングラー同士の会話は一般にとって貴重な情報ソース。ならライブ配信を有料にすればいいし、スパチャを投げれるようにすれば、出演するプロ達も動画参入に積極的になるかもしれない。
販売ブースは普通に専用EC化すればいいだけの話だし、FS用に限定品なり特売価格設定にするだけで、セール品目当ては大量に釣れると思う。
地方アングラーにとって最大のメリットは、向かう交通費などが必要なくなること! なんなら食事しながらでも見れるし、風呂でも見ることができる。隙間時間でちょいと参加できるのがメリットだと思っている。
最大の敵は出展側の「めんどい」
オンライン化する基盤は揃っている。あとは主催と出展側のやる気次第。
会場集客とオンラインの違いは「実際に触れるか触れないか」だけ。ブースに釣具を綺麗に見やすいよう並べて来客を待つ──のはどちらも同じ。オンラインだと”試しに持ってみる”が購入になるため、敬遠されやすくなる。そこをどうやって攻略してくるかで、参加企業がオンラインマーケティングにどれだけ力を入れているかがわかるので興味深い。
先行販売とかモニターの権利が手軽かなぁ。トークショーは大物がVtuber化するのも面白そう。ボイチェンでスパチャを投げ合わせるのだ!