お得な情報は待つだけじゃ入ってきません。あなたがもし困っているのであれば、その”困りごと”を解決する手法が「ビジネス」です。
農水省はインターネット販売推進事業により、販売面でダメージを負っている業者を助ける施策を試みています。
農水省の「インターネット販売推進事業」とは?
かいつまんでいうと、メルカリの代行みたいなものです。
高級食材はインバウンド(外国人旅行者)に対して売上があったので、コロナ禍により渡航者がほぼゼロになりました。しかし内需(国内消費)は落ちこみはしたものの、生活者がゼロにならない限り、需要は残り続けます。
農水省はインターネットを利用し、個人生産者の販売と宣伝を代行する形で、農林水産業の下支えをしたい──という流れ。
ようするにECサイトの販売場所を提供すること
制度の仕組みはこんな感じ。
農林水産物をネット上で個人売買するには、HPかSNSで宣伝し、取引をする必要があります。「それが無いから困ってるんだよ!」て人にうってつけなのがこの事業制度。
インターネット販売推進事業は、専用ECサイトの”場”を提供してくれることが最大の強みです。
ECサイトをスタートするうえで最大の悩みは「初期の集客」。事業提携を結ぶと、大手ECサイトに販売ページを紹介してくれるため、見込み客数は、サイト開設業者にン十万かけて開設するよりも遥かに多くなりますし、即効性があります。
ちなみに提携するECサイトはAmazon・楽天・Yahooショッピングなど、販売と広告面でも業界最大手となりますね。
もともと利用者が多いサイトを経由するので、商品に魅力がありさえすれば勝ちとなりやすい!
販売ページの開設など、”販売するための資金”に補助が入るため、ゼロから始めるよりかは圧倒的に得ですね。
対象品目ガイドラインを遵守できるかどうか
ECサイトで販売するのだから、購入者に物を送る必要があります。
生鮮食品は「鮮度」と「衛生」がなにより大事なので、食中毒など衛生面の懸念が最重要課題となります。各ECサイトで販売する際には、サイトに準じた”決まりごと”があるため、最低限守らなければ販売することは叶いません。
特に悩みどころが梱包でしょうね。
今は「美味しい物を速く安く」が心がけられていますが、それを守ろうとすると、肉はともかく魚が大変です。注文を受けてから出漁できるかもわからないし、採れる保証もないから、難しいところですね。
販売個数を限定し、先着順にすればいいだけ
販売数を無制限にすると、毎日必要数を採る必要が出るため、手間が増えます。
その対策として、例えば牛1頭から取れる部位を販売するのであれば、各部位を○人前に分類して、先着順にすればいいだけ。食肉業者と協力すれば、1頭からどれだけ取れるかは判断しやすいでしょう。
数を制限することでプレミア感が出るし、必要な時に仕事をすればよくなるので、働き方の改革にも繋がります。
チルド品なら品物を限定するのではなく、”詰め合わせ”の体を取るのもいいでしょう。珍しい魚が入っていれば、それはそれで新たな味の探求もくすぐられるものです。
冷凍ならより安心ですが、問題は冷凍技術など設備があるかどうかの懸念。それに関しては、もしかしたら補助がでる可能性もあります。
これからも事業を継続していくのなら助成金を頼る道も
新型コロナウイルスの経済対策では、各事業を垣根をこえる助成金や貸付の制度があります。
これが多種あるため、全てを把握することは難しい……。
インターネットの販売事業を促進する形であるなら、「IT導入補助金」を受けれる可能性が高い。ネット回線からPCなどの設備まで、ITに関することならお金をある程度出してもらえます。
運転資金が欲しいのであれば、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を利用するのも手。
これは最大で8000万円の融資を受けることもでき、据置期間も15~20年と長く、無担保で受けることができます。ただし事業の収入が前年よりも”コロナ禍のせいで”減っていることが条件です。
あなたの困りごとを解決するビジネスは、この世のどこかしらに存在します。あきらめず、何が原因でこうなっているかを明瞭にし、誰かに相談することが大事です。
制度を利用してECサイト運営のノウハウを吸収するのもアリ
インターネット販売促進事業を利用せずとも、メルカリを使う手はあるし、既に「ポケットマルシェ」のようなCtoCのプラットフォームもあります。
農水省の推進事業は、販売サイトが化け物の集客を誇っているため、ちょっと目立つサムネなり、魅力的なコスパを提示すれば、ぼろく売れるかもしれません。
サイトでは、全国で先月特に売れた商品を見れるページもあります。
9月は全国で「宮崎県のウナギ」がバカ売れしたらしい……。
ネット販売のメリットは、全国のどこにいても、全国の美味しい物を取り寄せることができること。──ただし、それには送料がどうしてもかかりますよね?
推進事業では送料の補助もしてくれます(有効期限アリ)。
これまでネット販売を考えてこなかった個人・事業所も、農水省のサポートを得ながら、ECサイト販売のノウハウを学んでみてはどうでしょう?
インターネット販売推進事業の登録期限について
プラットフォームの締め切りは11月20日まで。
事業ポータルサイト関連は11月30日まで(事業者登録・サイト情報登録・事業協力に関する承諾書)。
事業ポータルサイトの商品登録は12月11日まで。
各種ECサイトの販売特集ページの掲載期間も決まっているため、登録はなるべく早く済ませるようにしましょう。クリスマス前までの年末商戦を戦うには、12月上旬までの商品登録が期限です。
申し込みをする前には、サイトにある「よくある質問」を熟読してから、自分にできるかどうかを判断して、相談の電話をするようにしましょう。
終わりに──タダでお得な情報が貰えるとでも?
お得な情報って、待っているだけで来るほど都合よくないですよね。
新型コロナに関する給付金は、定額給付金と持続化給付金が特にクローズアップされていますが、他にも1年返済無しで20万借りれるのとか、感染症対策をするための設備補助とか、紹介した事業貸付など、給付対象も数え切れないほどあります。
そこから”あなただけが必要とする”基金を、メディアが都合よく伝えてくれることは稀でしょう。
経済産業省の支援策だけでも、こんなにあります。
お金に困っているなら、生み出せばいい。生み出せないのなら、生み出せる努力をすればいい。
そんな前向きの気持ちを持っている人に対しては、政府の援助は力強い物がありますよ?