「こんな時、どのルアーで何の色を使えばいいんだ……」
ポイントに着いた時、そう困ったことはありませんか? 私はしょっちゅうあります。
選択に正解はないけど、限りなく正解に近づけることはできます。
参考になる論文を見かけたので、ぜひ参考にしてみてください。
論文「異なる背景色によるスズキのルアー色の選択」
今記事で引用させていただく論文は、
「異なる背景色によるスズキのルアー色の選択(岡本一、川村軍蔵、田中淑人)」です。
実験内容は、「水槽に入れた10尾のシーバスに、5色5個ずつの擬餌を同時に投入し、それぞれの色別に捕食行動を行った回数をまとめてみた」という内容。
擬餌は『透明・白・赤・緑・青』の5色を用いており、ルアーでもよく使われる色ですね。
水槽の背景色には『白・赤・緑・青』を使っています。
実験結果からシーバスが好きなカラーは白だと判明する
この実験によって、シーバスの好みは一体何色と判明したのでしょうか。
実験結果は、スズキが特定の色の擬餌に選択的に食いついたが、選択される擬餌の色は背景色によって異なることを明瞭に示した。
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11075720_po_ART0003572752.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
最も捕食行動をとった擬餌の色は白と結果がでました。
重要なのは、”選択される疑餌の色は背景色によって異なる”という点。
詳しい解説は実験結果を眺めながらしていきます。
反応が高かった擬餌は「白・透明・緑」で、どの背景色でも安定した反応を引き出しています。
背景色と疑餌が同じ色だと効果が薄く、互いの色が反するほど効果が高いとの結果になりました。
背景と疑餌の色に違いをもたせると、魚にとって見つけやすくなると証明されたわけです。この結果はカラー選択のセオリー通りですね。
人間と魚では見える色が違いますが、モノクロ映像に濃淡があるように、ルアーカラーの”濃さ”は認識していると思われます。
驚くべきことは、アングラーのセオリーがそのまま結果に現れていること。
トライ&エラーで培った経験は、科学に勝るとも劣らないことも証明されました。
魚には見えないはずのクリア系が最強カラー?
実験結果を見ると、「透明色」に反応が高かったとわかります(Tansp.の数値がそう)。
これはルアーでいう「クリアカラー」に相当します。
確かに透過カラーは実績もあります。ナイトゲームで使用されますが、
「夜なのに透明でなぜ釣れる?」と疑問に感じた人も多いでしょう。
答えはおそらく、人間には見えない光をルアーが吸収しているから、魚には見えているのが理由でしょう。
「ケイムラ」は紫外線に反応して発光します。
紫外線は人間には不可視ですが、魚は紫外線を見ているといわれています。
夜でも月明かりがあれば、わずかでも紫外線は届いています。それが水中に届いて反射すると、人間には漆黒に見えても、魚にとっては「動いている何かがいる」と視覚できていると考えられます。
人間の目を信じるより、水中にどんな光が届くかを考えるのも、最適なルアーカラーの選択をする一歩だと思います。
ルアーカラー選択のベストプラクティスとは
今記事のルアーカラー談義をまとめると、「状況によるカラー選択は、メディアアングラーが提唱している選択で一向に構わない」で大丈夫です。
先の表をじっくり見ればわかる通り、それぞれの状況で大きな違いはありません。まったく食わない状況がないですから。
もし”最適なカラー選択”を追求するなら、水色とカラーにコントラスト差を与えることに意識すべきでしょう。
どこでコントラスト差を意識するべきかっていうと、”濁り”ですね。
本来、水は無色で透明です。光線が微生物や汚れに光が反射し、人間の目には水色が視覚しやすいからそう見えます。
ベストなカラー選択は、実際にポイントまで行かないと、答えは出せません。ようは購入時に釣れるカラーだけを選ぶのは無理ってこと。
もしそこで迷うなら、他の実績や好みで選ぶべきだと思います。
よくある質問とその回答例
Q1: どのルアーカラーを選べば良いか迷っています。何を基準に選べば良いですか?
A1: ルアーカラーの選択は、釣りの状況によって異なります。背景色や水の濁りを基準に考えると良いでしょう。例えば、濁りがある場合は派手な色、クリアな状況では暗色や反射色が効果的です。経験や実績に基づいて選ぶことも一つの方法です。
Q2: クリアカラーのルアーは夜間でも効果がありますか?
A2: はい、クリアカラーは夜間でも効果があります。これは、紫外線を吸収して発光するためで、魚は人間が見えない光を視認することができます。夜でも月明かりがあれば、クリアカラーは有効です。
Q3: ルアーカラーを選ぶ際に、特に注意すべきポイントは何ですか?
A3: 水中のコントラストを意識することが重要です。ルアーと背景の色が反対であるほど、魚にとって見つけやすくなります。また、水の濁りや天候によっても適したカラーが異なるため、現地の状況に応じた選択が求められます。
Q4: 同じ釣り場で使うなら、どの色のルアーが一番おすすめですか?
A4: 一概には言えませんが、白や透明、緑のルアーはどの背景色でも安定した反応を得られることが多いです。ただし、釣り場の水の色や透明度、時間帯によって最適な色は変わるため、複数の色を試すのが良いでしょう。