クロダイ(チヌ)浜名湖の潮干狩りが危機に!クロダイによるアサリ食害の現状と対策

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近年、浜名湖の潮干狩りが苦境に立たされている。

稚貝を放流したり、養生することで個体数の維持に努めている。

が……多すぎるクロダイがアサリを食べており、特に問題視されている。

はる@釣行中
はる@釣行中

「もっとクロダイ釣れよ!」

……ということだろうか。


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この記事のまとめ

近年、浜名湖の潮干狩りが苦境に立たされています。その原因の一つがクロダイによるアサリの食害です。浜名湖では、稚貝の放流や養生を行い個体数の維持に努めていますが、クロダイがアサリを食べるため、その効果が薄れています。クロダイが多すぎるため、観光やレジャーの一環としての潮干狩りが影響を受けているのです。

浜名湖は汽水域を活かした豊富な水産資源が売りで、夏には潮干狩りが人気です。しかし、撒いたアサリの稚貝がクロダイによって食べられる問題が深刻化しています。これを防ぐため、養生場所に囲いを設けて食害を防ぐ試みが行われていますが、河川の流入量減少などの環境要因もあり、アサリの生息は厳しい状況です。

クロダイは口でアサリを掘り返し、食べることができるため、食害の主犯とされています。クロダイやキビレ、他の魚もアサリを食べることが確認されており、特に浜名湖ではクロダイとキビレの個体数が多く、食害が深刻です。この状況を改善するためには、クロダイを釣る活動を強化し、協会が駆除目的の大会を開催したり、美味しく食べる方法を広めることが重要です。

クロダイのせいでアサリがヤバイ


編集:コスミック出版釣り編集部
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浜名湖は汽水を活かした豊富な水産資源が売り。

夏は潮干狩りが有名で、観光やレジャーで訪れる人も特に多い。魚釣りもメッカのひとつであり、クロダイ・キビレの数は多いし、狙うアングラーも東海地区から猛者が集まってきます。

近年、苦境に立たされているのは「潮干狩り」。全国的に縮小は進んでいるが、浜名湖はアイツが原因で減っているらしい──

https://mainichi.jp/articles/20160430/k00/00e/040/145000c

こう聞くと、

はる@釣行中
はる@釣行中

「魚がアサリを掘るなんてまさか」

と思うでしょう。でも口で掘るヤツはいるんです。

撒いた稚貝を食べられることを防ぐ取り組み

潮干狩りに使うアサリは、別の場所で養生してから回収し、潮干狩り場に戻すことで成り立っています。

アサリは通常時、砂に潜ってますが、撒いた直後にすぐ潜るわけではありません。むき出しの状態を魚に狙われると、せっかくの苦労を台無しにされるってわけ。

これを防ぐため浜名湖では、アサリを養生する場所は囲いがしてあり、食害を防ぐ試みをしています。

https://www.at-s.com/news/article/economy/shizuoka/853831.html

河川の流入量も減り、お世辞にも汽水と言い難い環境下になったため、アサリも生息しづらい状況。

でも、浜名湖の「潮干狩り」はブランドです。

夏はこれを目当てにする来客も多いわけで、観光業を成り立たせるためにも、潮干狩りを成立させることは重要。

はる@釣行中
はる@釣行中

……そして、アサリを採る漁師を守るためでもあります。

そもそもクロダイはアサリを食べるの?

アサリは砂に潜ってますが、魚による「食害」が多い。

https://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/fish_tech/5-1/01.pdf
魚によるアサリの食害で特に危険な魚たちのリスト
pdf:魚類によるアサリ食害(論文)

クロダイやキビレだけでなく、フグやカレイにも食害が認められています。……カワハギはいないな。

特にタイ系は、口でアサリを掘り返すことがあるため、食害リストとしては上位に入る模様。水底の甲殻類を食べるし、硬い口をもつからこそ、出来る芸当でしょう。

浜名湖はクロダイとキビレの個体数が多いこともあり、食害が特にひどい相手とされているようです。

潮干狩りを守るために、それらを釣りまくる行為は、アリといえるかもしれません。

はる@釣行中
はる@釣行中

協会が駆除目的に大会を開いたり、美味しく食べる方法をレクチャーしたりするのも、重要になってくるのではないでしょうか?

そもそもクロダイはどうやってアサリを砕くのか

「魚が貝を食べる」と言われても、ピンと来ない人は多いはず。でもクロダイの口の中をのぞくと、その理由がよく分かります。クロダイは顎の前方にやや尖った歯を持ち、その奥(側部)には臼歯(きゅうし)が数列ならんでいます。前歯でエサをくわえ、奥歯ですり潰す。まさに「貝を割るための口」なんですね。

食性は雑食で、二枚貝・甲殻類・多毛類(ゴカイのなかま)を中心に、海苔のような海藻まで幅広く口にします。噛む力もかなり強く、アサリくらいの貝なら殻ごとバリバリと砕いてしまう。水中カメラには、強い力で貝を砕く様子がはっきり記録されています。

さらに厄介なのが食欲。ある調査では、クロダイは1日あたり体重の約8%ものエサを食べるとされています。つまり1kgのクロダイなら、1日およそ80g。これが群れで干潟に押し寄せれば、撒いた稚貝などひとたまりもない、というわけです。

クロダイの「貝を食べる」装備役割
前方の尖った歯エサをくわえる・はがす
側部の臼歯(数列)硬い殻をすり潰す・砕く
強い噛む力アサリを殻ごと粉砕
雑食性+旺盛な食欲貝も海藻も食べ、1日体重比約8%を捕食

「浜名湖だけの話」じゃない 全国に広がる食害

クロダイの食害は、じつは浜名湖固有の問題ではありません。近年は全国の沿岸で、似たような被害が報告されるようになっています。背景にあると指摘されているのが、海水温の上昇。クロダイは比較的暖かい海を好む魚で、水温上昇とともに分布域が広がり、個体数も増えていると考えられています。水産庁も、海水温の上昇などによりクロダイの分布域が広がっている、と説明しています。

とくに深刻なのが養殖海苔(ノリ)の食害です。東京湾や有明海、瀬戸内海沿岸で被害が報告されており、クロダイが海苔網の下に群れて食べてしまう映像も記録されています。たとえば千葉県産の海苔は、平成14年度に約5.1億枚あった生産が、平成28年度には2億枚を下回るまで落ち込んだとされ、その一因にクロダイの食害が挙げられています。被害はノリだけでなく、養殖のカキやイワガキ、そしてアサリにも及びます。

つまり浜名湖のアサリ問題は、全国規模で起きている「クロダイ増加」という大きな流れの一部。地域ごとに事情は違うので、自分のフィールドの最新状況は地元の漁協や水産試験場の情報を確認するのが確実です。

各地で進む対策 「防ぐ」と「獲って活かす」の両輪

対策の方向性は、大きく分けて2つあります。1つは物理的に「防ぐ」、もう1つは積極的に「獲って活かす」アプローチです。

「防ぐ」の代表例が、ネットによる防御。千葉県の富津漁協では、クロダイ対策用に改良した網で海苔養殖場を囲む取り組みを2020年11月末から段階的に導入し、クロダイの侵入を防いで海苔が順調に育つことを確認した、と報告されています。浜名湖でアサリの養生場所に囲いを設けているのと、考え方は同じですね。

もう1つの「獲って活かす」では、まず実態を知ることから始まっています。千葉県の新木更津市漁協では、2023年4月から東京湾漁業研究所の指導のもとでクロダイの捕獲調査を開始。捕まえた個体の胃の中身を調べ、何をどれだけ食べているかを確かめる地道な作業が続けられています。そして獲ったクロダイをただ捨てるのではなく、フライやムニエルに調理して提供したり、地域の子ども食堂や飲食店に回したりして、値段がつく魚にしていこうという動きも出ています。

アプローチ具体例
防ぐ食害対策ネットで養殖場を囲う/アサリ養生場の囲い
調べる捕獲しての胃内容物調査(食害の実態把握)
活かす食用利用・ブランド化、子ども食堂や飲食店への提供

釣り人にできること チニングで「食べる駆除」

ここまで読んで、「じゃあ釣り人は何ができるの?」と思った人もいるはず。答えはシンプルで、クロダイを積極的に釣って、持ち帰って食べることです。

近年はルアーでクロダイを狙う「チニング」が一気に普及しました。ボトム(底)をズル引きするワームの釣りや、表層を巻くクランクなど、スタイルもいろいろ。タックルも手軽で、引きも強いので、ゲームとしての人気はうなぎ登りです。アサリやカニを模したルアーで反応するあたり、まさに「貝も甲殻類も食べる雑食魚」らしい狙い方と言えます。

この遊びが広がること自体が、結果として食害対策の追い風になります。たくさん釣られる魚は、それだけ干潟やアサリへの圧力が下がるからです。もちろん、漁協のルールや禁漁区・期間は守ったうえでの話ですが、釣って・食べて・楽しむことが、めぐりめぐって干潟のアサリを守ることにつながる、というのは悪くない構図ではないでしょうか。

「リリース前提」で楽しむのもアリですが、食害が問題になっているフィールドなら、おいしくいただくところまでがワンセット。次の章で、その「おいしく食べる」コツに触れておきます。

クロダイをおいしく食べるコツ 臭み対策がカギ

クロダイは「臭い」と言われがちですが、それは半分本当で半分は下処理しだいです。クロダイは内湾や汽水域、河口に居着く個体が多く、こうした環境やエサの影響で、泥臭さや独特のにおいが出やすいのは事実。浜名湖のような汽水の内湾で釣れた個体は、とくにこの傾向が出やすいと言われます。

逆に言えば、ポイントを押さえれば化けます。コツは次のとおりです。

  • しっかり血抜き:釣った直後に血を抜くと、生臭さがぐっと減り、鮮度も保ちやすい。
  • 血合いを除去:腹の中に残る血合いを包丁などで丁寧に掻き出す。ここが臭いの温床になりがち。
  • 塩締め・マリネ:切り身に塩をして締めたり、酒・塩・レモン汁などで短時間マリネすると、においが大きく和らぐ。
  • 熟成させる:居着きの個体でも、適切な下処理+家での熟成で食味がぐっと上がる。

季節も味方につけましょう。一般に水温が下がる冬場のクロダイ(いわゆる寒チヌ)は脂がのって身質がよくなるとされ、塩焼きや刺身でもおいしくいただけます。食害という困りごとを、食卓の楽しみに変えていく。これも釣り人ならではの貢献の仕方だと思います。

※具体的なさばき方やレシピは、当サイトのクロダイ(チヌ)料理完全レシピ集もあわせてどうぞ。

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