夏の投げ釣りでよく釣れる「ギマ」は、三河湾と浜名湖ではメジャーな釣魚。
市場に姿を現すことはほぼないため、全国における知名度はほぼ皆無。でも最近……一部の界隈でギマの人気が沸騰中。
学名でも”三脚”といわれるその姿は、愛嬌もありSNS映えもする。しかし、めちゃくちゃ美味い魚だと知る人は少ないと思う。
ギマは、三河湾と浜名湖でよく釣れる夏の魚で、その愛嬌ある姿とSNS映えする特性から、一部で人気が急上昇中です。市場にはほとんど出回らないため、全国的には知名度が低いですが、その美味しさは知られています。学名でも「三脚」と呼ばれるように、背中と腹のトゲを使って三点倒立する姿が特徴で、「tripod fish」としても知られています。このため、写真映えすることから、SNSでの「いいね」を狙う釣り愛好家に人気です。
釣り場として有名なのは三河湾エリアと浜名湖で、特に愛知県の投げ釣り(キス狙い)の外道としてよく釣れます。ギマは見た目のユニークさだけでなく、その味も絶品で、特に刺し身と肝醤油が美味しいです。しかし、市場に出回らない理由は、漁網を破る厄介者であることや、粘液や臭いが強く、捌くのが面倒だからです。
捌く際は、最も厄介なトゲをニッパーで切り落とすと、皮剥ぎがスムーズにできます。下処理をしっかり行えば、ギマの刺し身はホンカワハギと大差ない美味しさになります。
ギマの名付け親は浜名湖である
ギマは「 スズキ系フグ目モンガラカワハギ亜目ギマ科ギマ属 」で、姿形はウマヅラハギに似ています。
名前は「銀馬」からもじられ、名付け親は浜名湖ってマジ?
特徴は背中と腹にあるトゲ。英名はなんと「tripod fish」。
このトゲで三脚のように立たせることが可能なため、画像検索すると、倒立している写真がたくさん出てくる愛らしい魚です。
ほら、wikiもこうやって紹介しているから、ギマは三点倒立させることが、もはや当たり前なんだよ!
ギマを立てて写真を撮ると「いいね」がもらえる
さて、写真映えすることで一部に人気のギマですが、釣り場で最も有名なのが三河湾エリア。次いで浜名湖です。
専門で狙う人は愛知県に多く、投げ釣り(キス狙い)の外道としてよく釣れます。
Googleで「ギマ」を画像検索すると、1ページ目の時点で15枚中9枚が立っている画像。これは知らない人が見ると、「こいつは陸上で歩く魚なのかい?」と思い込みそう。
むしろこの状態から動かないから、並べやすいんだけどね。
このような動画があるくらい人気。
ギマの写真映えには、堤防に立ててローアングルから攻める写真が好まれるかもしれません。「この魚は立つんだよ!」アピールなら1匹でええやろ(真理)。
ギマの魅力は味にアリ
ギマの味ですが──ハッキリいって、美味です!
じゃあなぜ市場に出回らないのか。それは、網を破る厄介者のため、漁師に嫌われるから。
表皮からは粘液を出すし、独特な臭いがするし、トゲも皮も硬く捌くのも面倒だから、釣魚としても人気がありません。むしろマスコットキャラなのでは?
捌くのもコツをつかめば簡単。最も厄介なトゲをニッパーで切り落とすと、皮剥ぎまでの作業がスムーズにできますよ。
自ら大量に捌いた結果、産まれた記事がこちらです。
ぬめりを取るために水を多く使うので、ビニ手がないと手荒れしやすい難点があります。
くれぐれも指紋認証のデバイスなり、会社のゲート認証に指紋を使っている人は注意してください(戒め)。
一番ウマイ食べ方は刺し身と肝醤油!
同類で最も人気なホンカワハギは、肝が絶品だし釣る難しさもあって、国内でも屈指の人気対象魚。
味はギマも負けてはいません。
ギマはホンカワハギより血が残りやすいですが、血抜きなり下処理をキチンとすれば、無臭でホンカワと大差ない刺し身を造れます。
肝は”本物”より血が多いため、味は落ちますが、甘みに大差はありません。……騙されたと思って食べてみて! きっと世界が変わるから。
何の魚かいわずに知らない人に食べさせれば、「なんだこの美味い魚は!」と驚くかもしれません。
そしたら三点倒立した写真をスッと出せば、オチも完璧です。
もしギマを飲食店で食べたいのなら…
「ギマを食べてみたいけど、釣れる場所がないし、どこにも売ってない。どうしたらいいの?」
──とお嘆きなら、ギマを扱っている飲食店を探せばいいじゃない!
生鮮市場近くの店は雑魚(市場価値が低い魚)を取り扱っていることもあるため、そこに聞いてみるのも手でしょう。三河湾周辺なら、食べることのできる店は無いことはないです。