【映画】「カレーライスを一から作る」から知る大切なこと

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ドキュメンタリー映画、「カレーライスを一から作る」という作品がある。

観てはいないが、これが「命について学ぶ」ための、教材になることは確信できる。

何気なく口にしている食べ物に、どれだけの人が、どれほどの時間をかけているのか──

はる@釣行中
はる@釣行中

それを知ることで、感謝の気持ちは自然に沸くはず。

一杯のカレーライスができるまで

映画「カレーライスを一から作る」こんな映画です

この授業をはじめた関野吉晴氏は、「理論より体験で納得させる系」の大学教授。

法学部を卒業してから、探検家になる過程で人類学を学ぶ。旅先で「人の役に立ちたい」と医師にもなり、同時に大学の教授でもある。

どこかの映画の主人公みたい(小並感)。

「カレーライスが食べたい人! よし君たち、野菜を作りにいくぞ!」

そんなノリではじめたのがこの授業です。

9ヶ月で学ぶ「モノ」の原点

カレーライスはレトルトを買うか、デリバリーを頼めば、数十分以内で食べれる物。

種類はなんにせよ、具材からスパイスまで、世界中の人々が作り出し、気の遠くなるような時間をかけて、”カレーライスがそこにある”ことは、あまり理解されないし知られない。

「カレーは畑から生えてくる」考えの子供も、あるところにはいるかもしれない。

魚は切り身で泳いでいると思っているケースもあるしね。

料理は作ろうと思えばすぐ作れる。

材料を買うことも、お金さえあれば難しくはない。でも作るための”材料”は、どこからやってくるのだろう。

野菜や肉などを販売する店の前に、生産者がいることで商品がそこにあるわけですが……。

そのありがたみが希薄になっている

カレーライスを一つのモノとし、それを分解していくと──

  • カレー粉
  • 具材

にザックリと分けられる。

そこから更に分解して、「カレーライスとは何か?」の答えは──

  • カレー粉(カイエンペッパー・胡椒・ニンニク・ショウガ・クミン・コリアンダー・クローブ・シナモン・ナツメグ・ターメリック・サフラン……などスパイス類)
  • 米(水稲栽培なら田んぼが必要で、苗から収穫・精米までおよそ7ヶ月)
  • 具材(ジャガイモ・ニンジン・肉・タマネギ)

これらをゼロから作りはじめ、揃えるのに9ヶ月かかった体験をしたのが、カレーライスを一から作る授業

「それを言葉で伝えられないのならば、実際にやらせればいい」

単純だけど体験することで、わかりやすい授業だと私は思う。

マンガ「銀の匙」から学ぶ生命を頂く大切なこと

著:荒川弘
¥3,500 (2022/03/17 17:58時点 | Amazon調べ)

コミック2巻から4巻くらいまで続く「夏の巻」

主人公の八軒くんが、実習で育てる豚に名前をつけ、自らその肉を買い取る──という話がある。

誰も答えをくれない難題に、自らのエゴを押し通すこの話は、生命の倫理観についてご高説する人たちに読んでもらいたい

八軒くんは農業畑で育ったわけではなく、一般すぎる普通の人として描かれている。

農業畑で育った他の生徒は、家庭の手伝いで「命を頂くこと」について自然と学んでいるため、一般からすると「ぶっ飛んでいる」ように見える齟齬が要かもしれない。

「生命を奪うこと」に葛藤する様は、一般の考えらしいところがある。

成形された命は食べれるのに、自ら成形すると「かわいそう」と躊躇する人は多く、少年マンガでは度々描かれていますね。

それも子供に教えるための冴えたやり方かもしれません。

その魚、何年生きてきたと思いますか?

「キャッチ&リリース」は美学とされている。

けれど、魚が成長する速度によって、「食するか逃がすべきか」の明確なラインが決められていない。

それは漁業の資源管理にも現れている。

ヒラメは成長が早いといわれ、全長1mに迫る大型に育ちますが、長い目で見ると1年で10cmしか成長しません

1年目で30cm近くなるけど、座布団サイズの70cm↑になるには、7年以上が必要

キープサイズと呼ぶ大きさ(40cm↑)は、なんと3年ほどかかって産まれた魚なんです。

論文 マアジの成長と年齢

この論文にある表を見ると、大アジと呼ばれる30cm以上に育つまで、およそ3年が必要。

「その大きさになるまで何年かかるのか」

「卵を産めるまで何年かかるのか」

それらを考え知識として共有すれば、おのずと釣ってはいけない大きさがわかるのではないでしょうか?

釣り人が「デカイ!」と感じる大きさは、「子供が小学校へ入学して卒業するまでの期間」くらいかかっています

生命が成長する時間を体験しなければありがたみはわからない

育成にかかる時間に比べて、料理なんてほんの一瞬。

一瞬だからこそ、生産者の想いを乗せた一皿は、人種を問わず心に響くもの。

丹念に育てた野菜を、適当に焼いて焦がして「まずい」といわれれば、生産者は身を切られる思いでしょう。

どちらで愛情が欠けても最高の味にはならない。

「料理を美味くする秘訣は愛情」は、生産者から調理人までの共通項であるし、正しい表現だと思います。

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