
http://www.tacklehouse.co.jp/prototypefile/?p=6994
「マダイジギング専用設計?」
……いやいや選択肢がそれだけってのは、もったいないだろう。
「おもしろそう!」と直感したタックルハウスの「タイジグ」。
水深がある所こそ活躍できそうですが、港内やサーフでも無難に使えるかと。
ぶん投げてよし、底までひらひらフォールでよし、ただ巻きでもスイングしてよし。
──色々な魚が釣れそうな予感がする。
スロージギング寄りの使い方より斜めの釣りに使いたい
「タイジグ」のアクションは蛇行水平フォール。
……ようは枯れ葉が落ちる感じに、ゆっくりヒラヒラ落ちていく甲殻類を演出。
この動きはタイが大好き。
タイをルアーで狙う場合、バイブレーションのような「平べったくてブルブル震える」アクションでの実績は高く、主流でもあり進化も続けている。
船釣りは「タイラバ」が猛威を奮う。けれどメタルジグで釣れないことはない。
”本能に訴える誘い”を実現するにあたって、タイラバより他は劣ってしまうだけの話。
「なら沖でもバイブ投げればいいじゃない?」
……と考えるのは必然。
しかしバイブは引くことで能力を発揮するルアー。キャスト前提の陸っぱりで通用するが、船釣りでそれをするには水深がありすぎる。
船釣りにおいて、タイラバ以外でマダイをルアーでぽこじゃか釣りたい場合、求められるのは──
「ゆっくり落ちて、素早くしゃくれる」
そんなワガママ設計なのです。
スロージギングの設計は、それを許容した形状になっている。
全体を平たく大きくすることでフォール時間を稼ぐ。薄く流線型で抵抗を受けにくいようにし、シャクればキビキビした動きが実現できる。
「グイッ」と持ち上げ「ヒラッ」と落とし、魚を誘惑してくれるわけです。
ジギング用は「THE基本」の形状に落ち着いている。
投げてよし巻いてよしの効率化の果てだからしゃーないことだし、それで釣れているわけだから、形状の革新が訪れることはないかと思っていた。
けれど、タイジグはいままでと違うジギングを経験できるはず。
キャスティングで縦を攻める「タイジグ」のミラクルフォール
細かいスペックについては、公式のほうを参考にしてください。
メタルは比重もあり投げりゃ飛ぶから「形状の自由」はあるはずだけど、魚から脱していないきらいもあった。
魚に模さなければいけない前提のルアーで革新というのは、魚が食べる物から逸脱する必要があるのでは?
タイジグを正面から見ると見慣れないスタイル。メタルジグの新たな可能性を見せてくれそうである。

http://www.tacklehouse.co.jp/product/tj.html
船っぽい?
──なるほど、釣果を運んできてくれるってわけだな!
背中は真っ平らで、腹側は船の竜骨を想起させるよう。これはありそうでなかった形。
「投げてよし」「巻いてよし」「落としてよし」
それらは機能として当前だけど、他の製品とはひと味違う要素が、新たな釣果をもたらしてくれるかもしれない。
まあマダイが釣れれば他はなんでも釣れるでしょう。そもそもルアーで対象魚を絞るのは難しい。
ウェイトは40~120gと幅広く、陸と海上の境界線を設けるなら、60gってとこですかね。
60g以下はサーフだけでなく、プラグで届かない港湾シーバスも狙える。大河川の秘密兵器にもいいかもしれない。
青物が回遊するシーズンは、中層上の早引きに、渋いならゆっくりフォールと、静と動で必要なルアー交換が一手間減るかも。
エビのように動かすアクションで攻めてみたい
ベイトライクに使うなら、水平を維持するメリットを活かして、逃げるエビをイメージして動かしてみましょう。
簡単にいえば、ロッドをぽんぽん跳ねさせる感じ。でもフォールでラインを張るのではなく、送り込んで時間を稼ぐように。片手でスプールを抑えれる腕があれば、アクションの自由度も増えます。
重量が増えるにつれフォールも速くなるので、加減はその都度考えましょう。
サーフでフラットを狙いつつ他も──なんてこともできる。
底付近をゆっくり泳がせてヒラメを誘ったり、底をとんとん叩いてマゴチ向けに。ナブラがわけば飛距離に答えてくれるし、早巻きなら上も通せる。
なんだ、無敵じゃないか。……て感じに「ルアー1つでやりたいことを全てできる」ような万能性がありますね。
もうコイツだけでいいんじゃないかな……。
ただ巻きメインで使う場合は、「タイラバスカート」を併用するのもアリかな。
バラ売りされているし、どうにでも後付可能だから、選択も楽しみになるかもしれない。
フォール主体では邪魔になるので外したほうがいいです(正直どっちでもいいけど)。
サーフルアーメンが気になる飛距離と狙える魚
タイジグは飛ぶメタルジグよりは飛びません。これは形状ゆえ仕方ないこと。
重量さえあればあまり関係ないですけど、ぶん投げるロッド選択としては、「タイジグのウェイト+20g」を許容するロッドならいいかと。40gを力で投げたいなら60g以上を使えるショアジギロッド、とかね。
跳ねるアクションを優先するならHモデルなど硬めがおすすめ。ただ巻きなら許容ウェイト通りでMモデルなら問題ないでしょう。