釣具のインプレション(impression:印象)をするブログは多い。
私もそのうちの1人だけど、1つだけ貫いている流儀がある。
それは「デメリットありきで、良さはついでに語る」こと。
結構ボロクソにいっているインプレほど、検索で上位になるのは未だに謎である。
「ソレをコウ使うと釣れすぎてヤバイ──」
ユーザーを釣るための記事はいくらでも書ける。
そういった方向のタイトルは集客できるし、売れやすい。
それはなぜかをブロガー目線で書いてみた。
「時間ねぇ~」からこそ惹き付ける短い言葉
ブログは小説などとは違い、文章は流し読みされやすい。
近年は写真を添えて短文投稿が主流です。
10年くらい前のインターネット黎明期は、長文が好かれる傾向がありました(テキストサイトともいう)。
それは何故でしょう。
その時はデスクトップPCがメインで、腰を据えるから長時間の閲覧も余裕だったし、ネトゲ廃人も多かった背景があります。
今はモバイル端末が主流で、どこでもネットに接続できる便利さが魅力的。
でもそれを見ている時って、手持ち無沙汰で「隙間時間を埋めたい」時に使ってませんか?
過去より現在では「1サイトに留まる時間が短くなる」ことになりやすい環境があるわけ。
例えば電車を待つ時、暇だからスマフォ取り出すでしょ? 乗る前から降りる時間なんて、せいぜい数分からが多い。
そんな時間で1000文字近い記事を読むのは、時間が足りないし、内容も覚えきれません。
そのため、「ブログでアクセスを増やしたい!」対策には、「記事タイトルと見出しに拘れ!」という答えが返ってきます。
本文を読ませるために、まずは目につきやすい物を利用して、閲覧者を釣る必要がある。
反作用として、似たようなタイトル多くなる事態に。
それが今の状況ですね。
単純な言葉ほど伝わりやすい現代
釣具はですね、要は釣れればいいんですよ。
・例1
「あらゆるシーンにアジャストするこのルアーロッドは、まさに現代のアーティファクトである。そのスリムなブランクスからは考えられないほどのパワー。あらゆるフィッシュイーターを逃がさないフレキシビリティ。オールシーズンでベストなパフォーマンスを発揮し、テスターからも絶大なトラストを得たこのロッドは、あなたとビートゥゲザー。ウィッシュでウィンウィンです」
──後半すっごく面倒になって適当になりました。
メーカーの紹介なんて、まあだいたいこんなもんです(偏見)
アホっぽく横文字ばかり使うと、かなり読みづらく感じてしまいます。
何をいいたいのかまでが長いし、「(よくわかんないけど)すごーい!」てことだけ。
一方で先の例を極限まで圧縮し、集客しやすいブログ向けに書き直すとこうなります。
・例2
ブツ持ち写真ドーン!
「このロッドじゃないとコイツには出会えませんでしたね!(ドヤ顔)」
どうです? 説得力はあるでしょう。
たったこれだけでも、釣れたことはわかるし、何が重要だったかは伝わりやすい。
写真の魚がデカければデカいほど、ロッドの耐久力も証明されます。
証明する物さえあれば、感想なんて「やったね!」と一言だけで十分になるわけです。
「例1」は読むのにどのくらいの時間を費やしたでしょうか。
「例2」なんて、目に入れた瞬間でわかるのではないでしょうか。
現代は忙しい人しかいないので、ウンチクを読まされるのは時間の無駄と思われます。
安いロッドを売りたいなら、「これが日本で一番安いし、色々釣れますよ!」が効きます。
大物を仕留めるロッドを売りたいなら、「こんな大物も余裕ですよ!」と写真を見せれば一発です。
とあるアイテムが欲しいフレンズには、メリットを単純明快にひとつだけ紹介するのが効果的。
信頼を得るためには腹の底を見せること
そんなわけで、アフィリエイトで商品を売るだけのブログなら、多少バカっぽいほうが売れると説きました。
これを学ぶには「キャバクラ嬢の作法」という書籍がオススメです。
アフィブログも、売り込みをしなきゃいけないし、持ち上げるような記事を書かなければいけない。
魚を釣りあげた時に「すごいね!」といわれれば悪い気はしないし、それが大げさな喜び方であろうと、こちらにも伝播する何かがあると思う。
「けものフレンズ」が話題になったのは、一説によると『キャバ嬢語』に近いから、らしい。
一時期、「すごーい!」とか「たーのしー!」と、IQが下がりまくったフレンズが増える現象が起きました。
私なりの考察だと、「年々増える設定が無駄にこったアニメを見ることに疲れすぎて、脳を使わずに見れてたーのしー!」のではないかと。
脳はそのくらいの記憶をすることは造作もないですが、同じ内容ばかりだと飽きてしまいます。
だから多くあるアフィサイトは内容も似たりよったりで、つまんないですよね。
なので私の場合は、まずデメリットありきで書きます。
単純にいうと、「製品についてバカ正直な感想を述べているだけ」が、ここのインプレの特徴かなと思います。
10のうち9が正しくても1の間違いがあれば全体をボロクソに叩く風潮
日本の製品は「ダメな部分」が露出すると、必要以上に毛嫌いするところがあります。
でもそれは本当にダメな部分なのだろうか?
そもそも完璧な製品なんて、この世に存在するのだろうか。
切れない釣り糸!(だから結べません)
折れないロッド!(だから曲がりません)
絶対釣れるルアー!(釣れないとは言っていない)
世にあるヒット商品は、デメリットを上回るメリットがあるからヒットしている。
世のブログは褒め過ぎて気持ち悪いと思う。
悪い部分は必ずといっていいほどあるのに、頑なに隠すのはなぜだろう。
ロッドやリールのインプレなんて、毎年ネタにされるボージョレー・ヌヴォーの感想みたいなもんですよ。
「20年に一度ならまだわかるが、100年前の味を知っているのかねチミィ」みたいなね。