“海のミルク”といわれる牡蠣は「真牡蠣」と「岩牡蠣」の2種類が存在します。
それぞれ旬が違い、真は秋から春(11~4月)まで、岩は夏(7~9月)になるので注意されたし。
店頭には「加熱・生食用」で分けられていますが、その理由は?
そして、どちらがより美味しいのだろうか。
この記事のまとめ
牡蠣には「真牡蠣」と「岩牡蠣」の2種類があり、それぞれの旬は異なります。真牡蠣は秋から春にかけて、岩牡蠣は夏に旬を迎えます。店頭では「加熱用」と「生食用」に分けられており、これは食中毒リスクのためです。牡蠣はプランクトンを取り込む際に海水を濾過し、汚れを蓄積するため、加熱用は熱処理でリスクを低減します。一方、生食用は特別な処理を経て安全性を確保しています。加熱用の方が鮮度と栄養価が高いですが、生食用はクリーミーな味わいが特徴です。牡蠣は海の浄化能力を持ち、1日に約400リットルの海水を濾過します。この能力により、海の水質改善に貢献しています。
牡蠣の「加熱用」と「生食用」の違いは?
牡蠣は「なぜ生で食べることができないのか?」を考えてみましょう。
ちなみに鮮度の問題ではありません。
貝類の生食はもともと食中毒のリスクが高い。
それは生育過程の食性によるもので、海水と一緒にプランクトンを取り込み、濾すことで食べて成長していきます。
貝自身が「フィルター」の役割を果たしているわけ。
海水を飲んで、濾過した水を排出しているので、いわば『海の浄化ポンプ』ですね。
アサリの浄化パワーについては、写真と解説つきでわかりやすいこちらのサイトを。
ようするに、貝は海の汚れが圧縮されていることになります。
だから熱処理をしない生食ほど、食べて食アタリになる可能性が高い。
貝の刺身は「ホタテ」が有名ですが、生食メインは内臓を外して提供しています。
貝類を生食するためのひとしごと
毒となりえる原因は内臓にアリ!
「じゃあ生食用の牡蠣はなんで食べれるの?」、それは簡単なことです。
アサリの砂抜きのように、腹に溜めているモノを、全て吐き出してもらえばいい。
活きた牡蠣を生でジュルン──できるのは、水質が良い証拠。
水質に毒素が一切なければ、毒を持つ生物の存在自体危ぶまれますしね。
生食用と加熱用の牡蠣はどちらが新鮮なのか?
生食用の牡蠣は、数日間絶食させたのち、滅菌消毒をしてようやく──。
処理過程で身が痩せてしまい、見た目が「べちゃあ」になりやすい問題があります。
対して加熱用の牡蠣はほぼ無加工なので、鮮度はこちらが上。
栄養面でも加熱用が勝ります。
そりゃあ数日何も食べてない減量牡蠣より、腹いっぱい食べて、栄養素を溜めているほうが旨味があっていいですよね。
加熱用のほうが新鮮なのは確か。
でも「生食用」じゃないため、加熱せず食べて食あたりすると、言い訳のしようもない。
生食用より内臓にアレが残されているので、味の純粋さとして劣ります。
そこまでして生で食べたいの?
「そこまでするほど、生の牡蠣は美味しいものだろうか」
……という疑問はあるかと。
加熱することで失われるのは、クリーミーな味わい。
牡蠣は生食できる貝類では柔らかく、海のミルクの二つ名も伊達じゃない栄養素を含んでいる。
いっぽうサザエやアワビは、歯ごたえを楽しむ刺し身が趣とされている。
綺麗な海で育った牡蠣は、内臓の苦味もあまり感じられません。
ほどよく塩気が残った身は、噛めば溢れる甘味をほどよく引き立てます。
水質の改善もあり、全国どこでも美味しい生牡蠣を楽しめる時代です。
それを実現した立役者は貝類たち。
「牡蠣の浄化能力ってどのくらいスゲーの?」は、
「ゼネラル・オイスターグループ」の取り組みを見てみるといいでしょう。
牡蠣のエサは海中の植物性プランクトン。これを取り込もうと、あの小さな体でなんと1時間に約20リットル、1日に約400リットルもの海水を吸い、吐き出しています。
牡蠣は海をきれいに浄化する貝類といわれるほど、海水の状況により牡蠣自体も影響が及びます。
牡蠣は偉大。はっきりわかんだね。
牡蠣といえば広島か宮城のアテクシ。