予定していた釣行が豪雨で中止になったのなら、収まった後すぐにでも行きたい! それが釣りキチというもの。
だがちょっと待って欲しい。
災害まで至らなくても、大雨後の釣り場には危険がいっぱい。それを知ってなのか知らずなのか、わざわざ行って不運になる人も少なくないから、ここで気をつけるべきことをまとめます。
この記事のまとめ
大雨後の釣りは危険が伴います。この記事では、釣行を再開する前に注意すべきポイントを解説しています。まず、大雨後は川が濁流となり、土砂や流木が海にも流出します。増水した河川や河口付近は特に危険で、流木が川底に溜まりやすいです。海や湖でも流木やゴミが浮いており、船がそれに乗り上げると危険です。増水時は魚が流れの弱い物陰に隠れるため、釣りポイントを絞りやすくなります。海水の塩分濃度が下がることで魚の行動も変わり、真水を嫌うタコは深場に移動し、根魚やヒラメはあまり影響を受けません。雨が降っている時は釣りやすいと言われますが、注意報や警報が出ている場合は危険です。普段から気象変化に対する知識を持ち、釣行前には「雨雲レーダー」を確認することが大切です。
大雨後の釣り場に潜む厄介ポイント
大雨になると川は濁流となり、それは海にも流出します。濁流は多くの土砂と流木を抱えているため、大雨後に釣りをすることは、それらを回避できるかがポイントです。
────まあ、すぐには無理だよね!(諦め)
増水した河川で釣りをするのは論外。オオサンショウウオが落ちてないか確認するといいでしょう。海は低気圧の影響で波高になり、釣りがしづらくなります。ここで目立つゴミは河川が運んできた物が大半。
そんなわけで大雨後に回避すべきポイントは、河川や流れ込む河口近辺になります。
濁流が落ち着いても川底には流木が潜んでいる
川は蛇行しているため、そのカーブ地点に流木が溜まりやすい。敷石やテトラなどで護岸整備をしている箇所は、流れが当たりやすい場所の印みたいなもの。
なので雨後はそういう場所を回避すると、多少は根掛かりのリスクが減ります。ちなみに海底は駆け上がりに留まりやすい。
河口付近は流速も弱まるため、流木が多く沈みやすいです。そのため重いルアーや仕掛けを投げ入れるのは注意しましょう。
船は浮いている木に気をつけないと転覆チャンス
海も湖も、川から流木やらゴミが流れ込むため、水面にそれが浮いていることが多々あります。
これを速度を出した船で乗り上げると、船体に穴があいたり、大きいとライドオンしてぶっ飛ぶこともあります。スクリューだとプロペラが破損したりね。
金銭的な打撃と水難の危険が高まるため、安全な速度で目を光らせて航行しましょう。
増水時の良い(?)ところはポイントをさらに絞れること
増水している時、魚たちはどこでやり過ごしているのでしょうか?
海も川も荒れた時に魚が逃げ込む場所は、流れが弱まる物陰に隠れています。それは岸壁のくぼみだったり、沈んだ大岩だったり……。河川の増水時に凹凸がある護岸なら、その凹部分に魚が溜まっていることもあります。
この話はこちらで詳しめに書いてあるので、参考にしてみてください。
海水魚と淡水魚は同じ塩分濃度でも共存できることは意外と知られていない
釣り人脳だと、雨後は「海水の塩分濃度が──」を気にしている人が多い。
海水魚も淡水魚も、体内に塩分を取り込む必要性はあります。違うのは、それを排出する体の機能であり機構。海水魚は余分な塩分を体外に排出し、淡水魚は塩分を取り込むような構造をしています。
どちらも塩分は必要とするわけで──。それなら人為的に調整することで、共存させることも可能と考えますよね。
ようは「海水魚だろうが淡水魚だろうが、体液を同一の塩分濃度にできればいい」てわけ。これは水族館の企画展でもたまにあるようです。
海の塩分濃度が下がることで魚への影響はあるの?
真水は塩水より軽いため、雨後の海水は上層が「真水」、下層が「塩水」という考えでだいたいあっています。
なので雨後は、順応性が高い個体ほど浅い場所に現れ、それを苦手とする個体ほど深場に逃げる構図になります。タコは真水を嫌うので、普段は浅かろうが深かろうがどちらも居ますけど、雨後は深場に居ることが多い。もともと水底にへばりついている根魚やヒラメは、雨が降ってもあまり関係ない。
そんなわけで魚の習性を知れば、おのずと雨後の生息地も絞れます。
図鑑に目を通したり、特定の魚をネットで検索して情報を得たりするだけでもいいと思います。
雨が降っている時は釣れやすいけど限度ってものがある
「雨が降っている時は釣れやすい」……これは嘘じゃありませんが、注意報・警報が出ている状況でやるのは他人に心配をかけるだけ。自己責任と論点をズラすのも、見苦しい言い訳に過ぎません。
低気圧が近づくと、感じる空気が変わり、風向きが変化するので、その都度「雨雲レーダー」を確認するといいです。
特に山間部は発生地点となりやすいので、渓流アングラーの方々は気をつけるようにしましょう。海のアングラーは落雷に注意してください。場所によっては逃げ場が皆無なんてこともあります。
普段から気象変化は肌で感じれるように知識を得ておくと、いざという時の行動が早くなります。