まず、インターラインとは、ロッド内部にラインを通す特殊な技術のこと。
ただし人気はない……。メリットがあるから市場にあるわけですが、使うユーザーの発するデメリットだけが強調されすぎていて、どうにも陽の光が当たらない残念なロッドになっています。

ただ実際使ってみると……、その印象もガラリと変わりました!
この記事のまとめ
インターラインとは、ロッド内部にラインを通す特殊な技術のことで、一般的にはあまり人気がありませんが、実際に使用してみるとそのメリットが見えてきます。デメリットとしては、準備や片付けが面倒で、内部のメンテナンスが必要なこと、摩擦抵抗が増えるため軽いリグでは飛距離が落ちることなどが挙げられます。しかし、インターラインロッドには、ライントラブルがほぼなくなる、感度が向上する、風の影響を受けにくくなるなどのメリットがあります。特に、エギングや投げサビキ、ウキフカセなどの釣りに向いています。エギングでは、軽いエギがラインに絡まりやすいため、インターラインロッドの感度の良さが役立ちます。投げサビキでは、針がラインやガイドに絡まるリスクが減り、手返しが良くなるため、釣果を伸ばすことができます。インターラインロッドの選び方としては、自分の用途に合わせて、9ft前後の長さのモデルや、オモリ負荷3号以上の磯竿がおすすめです。
よくいわれるインターラインのどうしようもない欠点
ロッド内部にラインを通す技術は、特許なり商標の関係か、釣具製造会社によって呼称が違います。

西の大手は「インナーガイド」。東の大手は「インターライン」。……両方ともロッド内部にラインを通す構造は同じなので、性能に大きな差はありません。本記事ではインターラインで統一しています。
よくいわれる「デメリット」については、聞いた話通りのもあるし、実際使ってみてわかったこともあります。簡単にまとめると次の通り。
- 準備と片付けが面倒
- ラインが通る内部のメンテナンスが面倒
- 摩擦抵抗が増えるため、軽いリグだと飛距離は落ちやすい
準備と片付けなど使用以外のメンテナンスが面倒すぎる

「内部にラインを通すにはどうやるのだろう?」
と、使う前に思っていました。
それには付属のワイヤーを使います。ラインを結んだワイヤーを、ロッド内部にカテーテルのごとく滑り込ませるだけ。畳んだ状態でできるから簡単ではあります。外に出ているロッドガイドに通すより面倒なのは間違いない。ワイヤーをなくすとロッドを捨てたくなることでしょう。
インターラインは内部に濡れたラインが通ります。中は撥水処理こそされているものの、水分が乾燥しにくく、ラインが張り付きやすくなるため、軽い仕掛けほど飛距離も落ちやすくなってしまいます。
内部のメンテナンスに関しては、こちらを参考にしてくださし。
使うとわかるインターラインのメリット
──とまぁ予想されたデメリットは、概ねその通りでした。でも使いみちによっては化けますね、これは。
外にむき出しのガイドにあるデメリットをもろもろ排除できるため、条件次第では最善のロッドになりえます。特に目立った利点は以下の3点。
- ライントラブルが起きる可能性がほぼ無くなる!
- 感度が良くなる!(らしい)
- ラインが風の影響を受けにくくなる!
ロッド自体がガイドの役目を果たすため、むき出しのガイドにラインが絡まって「ウヲァーッ!」となる恐れがなくなります。ルアー回収時に、ラインに絡まって「ムカッ」とした経験は誰にもあるでしょう。その心配が全くなくなるのは強い。
感度向上もメリットとされていますが、魚をかけていないのでなんともいえません。魚の信号(振動)を手元で捉えるためには、先端ガイドとラインの接触が重要です。インターラインはロッド本体に触れるラインが通常の倍以上になるし、振動をキャッチしやすいから、”感度が良い”のは間違いないでしょう。
むき出しのガイドより、風の影響を受けにくくなるのも良いですね。実際に強風下で使ったため、その違いもわかりやすかったです。
インターラインのロッドに向いている釣りの種類
- エギング
- 投げサビキ
- ウキフカセ
エギングロッドにはインターラインモデルをよく見かけます。
なぜかといえば、エギは地味に軽いため、しゃくって巻く度にラインがたわみやすく、ガイドに絡まったりトラブルが頻発する恐れがあるから。──とはいえ、気をつければなんの問題もありません。一番のメリットは風の影響を受けにくいからですね。感度がいい特性も、イカがエギに触れる感触を見抜けるレベルに達することができるかもしれません。
インターラインが向いている釣りは、おそらく投げサビキが一番じゃないかな。
針が複数ついている仕掛けだから、ラインやガイドに絡まったり引っかかりやすい。魚の群れが入り、鈴なりチャンスの度にトラブルで時間ロスしてしまうと、煩わしさで「ムキー!」となった人もいるのではないでしょうか?
インターラインなら、ガイドに針が引っかかる恐れもなくなります。煩わしさをゼロにできるため、サビキ釣りの手返しが抜群に良くなり、釣果を伸ばすことができるはずです。
インターラインロッドのおすすめは──。
自分の用途に合わせるのが一番でしょうけど、あえて出すなら9ft前後の長さを選ぶのがいいかな。これだけの長さがあれば、ルアーに投げ釣りに使えるし、エギングモデルの硬さがあれば、大抵の釣りに汎用することができます。
投げサビキに使うなら、オモリ負荷3号以上の磯竿が無難。
磯竿なので5.4mモデルもありますが、その長さで遠投すると苦行なだけだから……。5m近くなら堤防サビキでもいいし、イカのエサ釣り(泳がせ・ヤエン)でも使えるし、なんなら投げでもいいから、釣りの幅も広がりますよ。
中通し(インターライン)と外ガイドを項目別に比べてみた
「結局どっちがいいの?」という話になりがちなので、よく比較される項目を一覧にしておきます。どちらかが全勝するわけではなく、釣り場の条件や狙いものによって正解が入れ替わる、というのが正直なところ。表のあとに補足を足しておきます。
| 項目 | 中通し(インターライン) | 外ガイド(アウトガイド) |
|---|---|---|
| ライントラブル | ガイドが無いので絡み自体がほぼ起きない | ガイド絡み・穂先絡みが起きうる |
| 感度 | ロッド本体に触れるラインが長く、潮や根の情報を拾いやすい | ガイド経由でも十分実用的 |
| 飛距離 | 内部摩擦が増えるぶん、特に軽い仕掛けで不利になりやすい | 軽いリグでも素直に飛ばしやすい |
| 重さ | 近年は軽量化が進み、外ガイド並みの自重のモデルも増えた | もともと軽量なモデルが多い |
| メンテ性 | 外側に加えて内部も洗浄・乾燥・撥水処理が要る | 基本は水洗いと拭き上げで済む |
| 強風・夜釣り | ラインが風に取られにくく、暗がりでもガイド絡みを気にしなくていい | 風が強いとライン暴れやガイド絡みが増えがち |
| ラインナップ | 機種が限られ、選択肢は少なめ | 各メーカーから豊富に出ていて選びやすい |
ざっくり言うと、トラブルの少なさと悪条件での強さで中通しが効いてくる一方、軽い仕掛けの飛距離と手軽さ・選択肢の多さでは外ガイドが有利。昔は「中通し=飛ばない」というイメージが強かったけれど、内部構造の進化でその差はかなり縮まりました。それでも軽量エギのような繊細なリグでは、外ガイドのほうがわずかに伸びるという声は残っています。
結局エギングで中通しは「アリ」なのか
本文でもエギングでの利点には触れましたが、「買って後悔しないか」がいちばん気になるところだと思うので、もう少し踏み込んで条件を整理します。
中通しが向くのは、こんな場面。
- 風の強い日が多い釣り場。横風でラインが弧を描くとアタリも取りづらいし操作も鈍るけれど、中通しはその影響を受けにくい。
- ナイトエギング。暗くてガイド絡みに気づきにくい時間帯ほど、絡まない構造のありがたみが出る。
- 足場が悪い磯やテトラ。ライントラブルの復旧に手間取れない場所では、トラブルレスがそのまま安全と手返しにつながる。
逆に、相性がいまひとつなのはこういうケース。
- 2.5号以下の軽量エギをメインで遠投したいとき。内部摩擦の影響が出やすく、飛距離で少し損をしやすい。
- とにかく手間を増やしたくない人。釣行のたびに内部洗浄まで付いてくるのが、人によっては地味にストレス。
言い換えると、秋イカの数釣りで軽いエギをひたすら遠投する、みたいなスタイルだと外ガイドのほうが噛み合いやすい。一方で春のデカイカ狙いや風裏の少ないオープンエリア、夜メインなら中通しの強みがそのまま釣りやすさになります。「主力をどちらか一本に絞る」より、状況で使い分ける前提で一本持っておく、くらいの距離感がちょうどいいかなと。
ラインの通し方と、塩噛みを防ぐメンテの実際
本文では「ワイヤーで通す」とだけ書きましたが、ここでは通し方の細かいコツと、中通しでいちばん面倒な内部メンテをもう少し具体的にまとめます。やることが分かっていれば、思っているほど身構える作業ではありません。
ラインの通し方
基本は付属のワイヤーに道糸を結び、後ろ側(リール側のエントランス)からワイヤーを差し込んで穂先側へ送り出すだけ。竿を畳んだ状態でできるので、現場での仕掛け作りも落ち着いてやれます。ポイントは次の二つ。
- ワイヤーは絶対に無くさない。これを失くすと通す手段がなくなり、竿が一気にただの棒になります。スペアを一本キープしておくと精神的に楽。
- 結び目はできるだけ小さく。コブが大きいと内部で引っかかりやすいので、余分なラインはカットしてスムーズに送り込める形にしておく。
釣行後の塩抜き・水抜き
放置すると内部に塩の結晶が残り、ラインの通りが悪くなってトラブルの原因になります。海水で使ったら、その日のうちに内部を洗うのが理想。流れとしてはこんな感じ。
- 各節をばらして、ぬるま湯(熱湯はNG)で内部の塩や汚れをふやかす。穂先側に栓をして十数分ほど浸け置きすると塩が緩む。
- 後ろ側から流水を通し、穂先から勢いよく水が出てくればOK。これで内部の塩分を押し流す。
- 水分を切ったら、竿を立てた状態で日陰干し。内部に水滴が残りやすいので、息を吹き込んだりエアダスターで飛ばすと乾きが早い。
洗剤やお湯(高温)は内部コーティングを傷めかねないので避けるのが無難。乾燥が不十分だと残った水分でラインが張り付き、放出が渋くなります。
撥水処理(専用スプレーと代替)
内部は撥水コーティングされていますが、使い込むと効きが落ちてきます。そこで定期的に撥水処理をかけ直すと、水滴が抜けやすくなってライン放出のベタつきが軽減されます。手順の一例。
- 内部をしっかり乾かしてから、専用の撥水スプレーを軽く竿を回しながら穂先方向へ数秒吹き込む。
- 竿を垂直にして軽くトントンと落とし、コーティングを内部に均一になじませる。
- そのまま十二時間以上、しっかり乾燥させてから使う。
頻度の目安は、エギングロッドなら六〜八釣行ごと、磯竿なら八〜十釣行ごとくらい。専用品としてはインターラインロッド向けの撥水スプレー(八十ミリリットル前後、定価で三千円台)が定番ですが、こうした専用スプレーは廃盤になっているものもあり、その場合はフッ素系やシリコン系のスプレーで代用している人もいます。ハイパードライ系の高機能ロッドだと専用品でも効果を感じにくかったり、逆に一般的なインターラインだと撥水剤が早く剥がれることもあるので、まずは自分の竿の取扱説明書に目を通しておくと安心です。
向いている人・向かない人
ここまでを踏まえて、中通しロッドが合う人と、たぶん持て余す人を分けておきます。買う前の自己診断にどうぞ。
向いている人
- ライントラブルの復旧でテンポを崩されるのが何より嫌いな人。手返し重視派。
- 風の強い釣り場やナイトエギングがメインの人。悪条件ほど恩恵が大きい。
- 仕掛けが絡みやすい投げサビキや、足場の悪い磯での釣りが多い人。
- 釣行後のメンテをむしろ「手入れの時間」として楽しめるタイプの人。
向かない人
- 軽量エギの遠投性能を最優先したい人。飛距離のわずかな差が気になるなら外ガイドが無難。
- とにかく手間ゼロで、洗って拭くだけで終わらせたい人。
- 機種の選択肢の多さや、レビューの豊富さを重視して選びたい人。
まとめると、中通しは「条件がハマれば最高、合わないと面倒なだけ」という尖った道具。自分の通う釣り場と狙いものを思い浮かべて、上のチェックで向いている側に多くチェックが付くなら、一本試す価値は十分あります。



