水深がある堤防のヘチ(縁際)は、意外と見落とされる良ポイント。
そこを狙いやすいロッドは発売されているものの、「◯専用」と限定するより、”ヘチ釣りに向いているロッド”を選ぶほうが賢いし、種類も多くなる。
そういうロッドは中古で探すと、安くてお宝もあります。
主観にはなりますが、見極めるポイントをまとめてみました。
ヘチ釣りに向いているロッドの条件
特に重要なのは、ロッドが短いこと。
足元を狙うのに5mくらいの竿を選ぶ理由はありません。
手返しが面倒になるだけです。
「バッカお前、人間が仕掛けから離れているほうが釣れやすいに決まってるだろ!?」
……なんて意見もありそうですけど、足元を狙うなら死角に入りますし、どうあがこうと仕掛けは魚に見られるので関係ないです。
どうせならいっそ13kmくらい伸ばしていただきたい。
次点がロッドの調子にオモリ負荷。おまけが使うリールの選択ですね。
足元を狙うに操作しやすいリールは、主観だとベイトリールor太鼓タイプ。
地面に置きやすいのと、竿尻を短くできやすいし、糸の放出がスピニングよりひと手間ないし巻くだけだから簡単──などの利点があり、総合すると真下の釣りに向いている。
向いている調子は? オモリ負荷は?
エサとルアーで竿の調子は表記が違います。
ざっくり相対表で説明するなら、以下のようになります(ルアーはシマノタイプ)。
胴調子 | 5:5 | M(H) |
先調子 | 7:3 | L(ML) |
本調子 | 6:4 | ML(MH) |
この「A:B」の数値は、ロッドを曲げた時、10等分したポイントのどこまで曲がるかを大雑把に表しています。個人的には”負荷をかけるべきポイント”として認識しています。
ダイワのラブラックスAGSで見た、この表を見るほうがてっとり早いかな。
http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/salt_rd/labrax_ags/index.html
等分と曲がりの関係性を細かく考えるとハゲるレベルなので、参考程度にしておきましょう。
オモリ負荷も同様に──。
~30号 | 0~112.5gまで | 柔らかめ |
30~60号 | 112.5~225gまで | 張りがある |
60~90号 | 112.5~337.5gまで | カチコチ |
この中から”ヘチ釣りに向いている竿”を、組み合わせで選ぶとすれば、「先調子で30号以内」が妥当なライン。
次は長さについて説明しましょう。
長さを選ぶならせいぜい3m以内
竿には長さを示す数字が書いてあります。
下の表は、「竿に”106”」と書かれていた場合の例です。
エサ | ルアー |
106(cm) | 106(10ft6inch) |
たまに「2310」などと4桁あったりするのは、先頭が”継ぎ本数”を示しています。2なら2本、1なら継ぎ無し1本。23mじゃないです。
身長を超えるくらいが扱いやすいので、平均すれば180~260(5~8.6ft)くらい。
継ぎ本数は2本でも3本でもいいですが、継ぐ箇所によって調子が変わります。振り出しタイプもご丁寧に継ぎ本数が表記されている製品もあります。
堤防ヘチ釣りに無難なロッドは「180cm」「~30号」「7:3」
このくらいが扱いやすいし、堤防から先をヒョコっと出して置き竿にするにも良い。
流れもない港内なら、オモリは10号以内で事足りる。オモリ負荷は数が少ないほど、ロッドも柔らかくなるので、15号くらいが汎用的ですね。
先調子を選ぶ理由は、食い込みがいいのと、穂先でアタリがわかりやすいところ。
魚の反応が悪く、置き竿放置でゲームに勤しんだりする際にも、先調子は役に立ちます。
胴調子だと全体が柔らかくなるので、
「竿に出るアタリってなんだよ」
て人には向いてない。
中古でヘチ釣りに向いているロッド探すなら
振り出しで300・30号以内の竿は、導入セットもあるため、中古だと球数は多いほう。
ルアーロッドならシーバス向けがヘチ釣りに流用しやすい。メバルなどライト向けでは柔らかすぎるし、ブリなどショアジギングでは硬すぎます。
ヘチ釣りに向いているロッドは、「船釣り用」が圧倒的に多い。
まあ使い方が似ているしね。
その中でも「カワハギ用」と、「五目(ライト)用」が特にオススメ。
これと似たロッドを探せばハズレにくいです。
カワハギさんはエサ取り名人なため、専用のロッドは先調子でソリッド、感度・食い込み優先の設定だから、ヘチで突いてくる小物を「キャオラッッ!」と超反応で釣るにはもってこい。
船用だとそれなりにブランクの耐久もあるため、テトラの穴釣りで大物をブチ抜くこともできます。
船の五目はサビキの吹き流し釣りなどが主体。対象魚はアジやイサキなどの、30cmを超えるけど口が弱いヤツ向けに作られている。
本調子が多くなるけど、大した問題じゃないので、長さと負荷で選ぶといい。
ロッドは魚種専用でも適材適所
ヘチ釣りで狙いやすい魚は、ちょっと多すぎるので絞りきれない。
人気物だけでいうなら、「クロダイ」「シーバス」「カワハギ」「メバル」「カサゴ」「メジナ」「イシダイ」「クエ」などなど。
エサを変えれば魚種も増えていき、なんでも釣れます(釣れるとはいってない)。
ロッドのリールシート近くには、「長さ・オモリ負荷・調子」が書かれている物が大半なので、メーカーがよくわからない中古でも、性能は特定しやすい。
なので、数字から性能が読めるようになると、ロッド探しも捗りますよ。
対象魚種に限定した紹介は、需要のある人気魚種に向いている造りではありますが、”◯カでもわかるように”してある意味合いが強いのではないかと。(辛辣)
「ナニ釣リタイノ? カワハギ? ジャーコレカワハギヨウ、オススメネ!」
やっぱね、世界に売り込むためには、わかりやすい基準を設けなきゃね。