静岡県はほぼ全域の沿岸で、許可を得ない伊勢海老(イセエビ)の捕獲は密漁になります。それは”偶然釣れても”同じこと。それを知ってか知らずか、テトラがある堤防ではイセエビを狙ってそうな人も見かけます。
釣るための仕掛けを売る店もアレだが、実際に釣るほうもどうかと思う。
なぜかGW中に多い伊勢海老(イセエビ)の密漁
静岡県内でのイセエビ漁は、県の許可を得て操業する必要があります。
漁業権で採捕が禁止されているため、許可がない漁師や釣り人に何も知らない一般人でさえ、採捕することは違法になります。
まあ……だいたいの堤防に「密漁禁止!」の立て看板があるので、知らないじゃ済まされないんだよなぁ……。
ところが漁業権に含まれない地域もあるわけで、そこで捕まえても罪に問われない人たちが、「地元で釣れないから遠征してみた」──をして、お縄になるケースが非常に多いです。逮捕者い”愛知県”が目立つのがその理由。
漁業法違反容疑などでの摘発は一月から五月六日までで九人。そのうち大型連休中は四人いた。九人中、七人が愛知県からの遠征だった。十五日から九月十五日は資源保護のための禁漁期間。漁業権の有無にかかわらず漁は禁止で、御前崎海保は警戒を強めている。
https://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/tokai-news/CK2018051102000090.html
愛知県の一部の沿岸では、イセエビが漁業権の対象になっていないんですよね。だから某魚の買取店でも対象になっています。わざわざ教えるのもバカらしいので、各自でググってください。ポイントならすぐ見つかるよ。
地元で釣れないから、隣県にいったり新島にいったりしているんだろうけど、静岡県内は海保の巡回で摘発されているケースが多いです。
私も一回遭遇したことがありますが、クーラーボックスには「ウツボ」が入っていたので、逆に「なんスかこれ?」といわれたことがあります。お前! 引きも強く味もいいウツボ様を知らないってのかよ!?
その時後にした堤防には、明らかにエビ狙いの人がいたので、その後どうなったから知りたいものですね。
イセエビを釣ってもいい場所を調べるには?
全国の沿岸に設定される「共同漁業権」を調べるには、「海洋状況表示システム(MSIL)」がとても有能です。例えば静岡県沿岸の漁業権エリアを調べると──
海の状況を知るに便利な項目は”レイヤー”で表示できます。
左にある”共同漁業権だけ”を選択すると、画像のように沿岸に緑の線が現れます。
これが定められているエリアってわけですね。
もしも遠州サーフで偶然にも奇跡的にも……イセエビが釣れた場合、持ち帰っても罪には問われません。
それでもモラルには問われるでしょうけどね(ニッコリ)。
MSILは誰でも利用できます。海上のハザードマップみたいなものですし、釣行の際に天候や危険が迫っていないかなどを確認するにも向いています。
イセエビと似た味がするカニがいるらしい
イセエビを捕まえると違法ですが、イセエビと似た味がするカニなら罪に問われません。
外洋に面した岩礁帯なら、わりとどこにでもいる「ショウジンガニ」というカニがいます。まるでクモのような見た目で素早いですけど、丸ごと煮るといい出汁が出て、それがイセエビとほぼ同じ味なんです。まあ見た目の色もけっこう似ているからかなぁ(適当)。
ショウジンガニはテトラの穴釣りをしていると、よく脇からエサをさらうので、釣り針でも釣れやすかったりします。陸上におりたつと素早いので注意してください。
高級エビっぽい出汁をとるだけなら優秀です。身は無いレベルだから期待しないように。ブイヤベースの切り札として使えるかな、程度ですかね。
イセエビってそんなに高いか?
イセエビの市場価格はピンキリで、小さい300g以下なら3000円程度、中堅の500gで5000円いくかどうかってところ。
大型に入る600g以上ともなれば、1尾1万円もくだらないそう。
──だけど、ヒゲなどが折れると価値がさがり、かなりお安くなるようですね。世知辛い。
試しに食べてみたいのであれば、そういう「ワケアリ品」を狙うといいです。
1匹から数人に提供できる量もないので、”単価”としては高く感じるかと。一度活きを捌いて食べてみましたが、私の舌は「……エビやん?」と結論づけました。そらエビだからな。
個人的には、業務スーパーなどにある冷凍のオマールエビとか、グリルにボイルと使い放題的な安価で十分だと思います。活イセエビは三重か伊豆の温泉旅館で頂きたいですね。雰囲気的にも。