「日本の台所」と呼ばれ、世界屈指の生鮮市場である築地市場が、その歴史に幕をおろしました。
83年の歴史を長いと感じるか、それとも短く感じるか。
歩みを記録したドキュメンタリーは、意外と少ない。
築地市場の歴史
東京の生鮮市場の歴史を遡ると、江戸時代から続く「日本橋(日本橋魚河岸)」がはじまり。
それが関東大震災で壊滅し、市場群を移設する形で現在の築地市場が生まれました。これが1935年(昭和10年)のこと。
鉄道路線を利用した近代設備になり、それは現在でも残る弧を描いた建物配置でも垣間見れます。そして戦火を乗り越えて、高度経済成長と人口の増えた日本の食を支えてきました。
築地市場を中心とする築地の成長は、ブラタモリの築地回でも触れてましたね。
最後の瞬間まで、普通にできるところは普通に。
豊洲市場の開場は10月11日より。一般は10月13日午前10時より見学が可能となっております。
移転こそしますが、場内市場がそのまま移る形なので、関係者御用達の飲食店も利用できるようになるでしょうね。
築地より団体を迎える設備が整っているので、修学旅行の行き先に選ばれることも多くなるでしょう。
続く築地市場
移転に際して「築地市場自体が無くなる!?」と受け取る人もいそう。
卸売のメインである「場内」が終了するだけで、一般や観光客が買い物しやすい「場外」は継続します。
なので「築地でメシを食う」はこれからも大丈夫!
場内は解体されますが、都知事の宣言通りならば食のテーマパークとして再整備され、観光拠点に生まれ変わるでしょう。
世界的にネームバリューがあるので、豊洲が受け入れられるか危ぶまれるほどです。
【映画】築地ワンダーランド
2016年公開の「築地ワンダーランド」は、築地市場の姿を1年追いかけたドキュメンタリー映画。
市場内の取材は、これまでも(物理的に)難しいとされてきました。
生鮮市場は「時は金なり」を体現した世界で、鮮度が落ちることで損失も嵩んでいく厳しい世界。そんな忙しい人しかいない世界で、おまけに通路が狭く物がひっきりなしにTVクルーが降り立ったら、そりゃ邪魔でしょうよ。
築地に関わりのある証人達のインタビューは染みました。
本来ならば映画が公開された後に、移転が完了していたはずなんだけど……。
なので映像の築地は現在よりもほんの少し昔を見れます。豊洲市場の映像なんかは、まだ工事着手して間もない頃でしたね。
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新しい市場が動き出す前に、連休を利用して歴史を振り返ってみましょう。