新型ステラの越えるべきハードルを上げたヴァンキッシュ’16

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フィッシングショーのスピニングリールカテゴリで、話題をかっさらったのが”ヴァンキッシュ”の新モデル。

陸からの(中小型)ルアーフィッシングにおいては、現状で最高峰のリールでしょう。

それに伴い、今回は”ハイエンドモデル”に焦点を合わせたお話。

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真の”欲しかった物”を叶えるのがハイエンドモデル

ルアーフィッシングにおいて、何故”ステラ”がもてはやされるかというと──、いろいろ要因はあるが、「巻き心地」に集約される。

スローからファストまで滑らかに動作し、ハンドルを回すだけで他のリールとは”何かが違う”を教えてくれるのがステラ。何度も投げて回収する必要のあるルアーフィッシングでは、巻くためのレスポンスが軽やかなのは、ひとつのストレスを解消してくれる。

ここが”気持ちいい”だけでも、ルアーはかなり楽しくなります。

スピニングリールの構造上、回転を軽くするためには、ローターとスプールの軽量化が効果的

ギアやベアリングもひとつの要因であるが、そもそもリールの回る部分がそこなので、樹脂製にすれば更に軽くはなる。けれどラインとの摩擦があるし、ドラグをしょっちゅう出される大物相手では排熱も考慮しないといけない。

そんなわけで耐久も考慮して、金属製にするしかないというわけです。

各社ともリールの軽量化が進み、「(巻きの)レスポンス向上」を強調したモデルが様々に登場しています。

その中でも、現状で最高峰なのが「ヴァンキッシュ’16」になります。ぶっちゃけ過去のステラより性能は上になりました。

カタログ見たり、メディアアングラーのレポートを見ると、それは理解できるかと思います。

ハイエンドモデルの元祖ともいえるスノーピークのテント

アウトドアブランドのスノーピークは、性能と耐久を重視したアイテムがユーザーの支持を得て、業界トップブランドになりました。

この方向を決定付けたのが、16万円のテントです。

仮にキャンプをはじめるとして、初手に16万もするテントを買いますか?おそらく買わないでしょう。

それが完成するまで、市販のテントは1万円以下の物だけでした。アウトドアブームもあり、少なからずも需要こそありましたが、ヘビーユーザーとしては物に対しての不満があった。

そこで現在の代表取締役である山井太氏が、「自分が本当に欲しいテント」を作った結果、16万円もするテントが完成しました。

このテントを販売するにあたり、「こんな高い物、売れないだろう」と他の人間からいわれましたが、本人も驚くほどこれが売れたわけです。

よく使うからこそ、長持ちする物が欲しい」……それを叶えたのが16万円のテントでした。ヘビーユーザーにこそ、耐久と居住を備えた良い物が求められていると、この時気付かされ、確信へと昇華したのです。

それと同様にフィッシングでも、ハイエンドモデルに興味があるのは、現在のタックルを使いながらも「これ以上の物を──」と感じた人達でしょう。

とはいえ「本当に必要か?」を考えると、微妙──?

シマノのリールは数多くありますし、「巻き心地はシマノ」といわれるほど、レスポンスは業界屈指

けれど、複数のリールを目隠しして”巻き心地”だけで判断する場合、マイクロモジュールギアが入っているモデルは「おぅっ?」と感じるでしょうけど、それらの中から判別をするとなると難しい。各社のリールで比べても、スタンダード以上のモデルでは差異を見つけるのも難しく、大きな違いといえばスプールの形状とドラグ音くらいでしょうか。

ベイトリールほど性能自体に大きな違いが生まれないのも、スピニングリールの特徴ともいえます。

道具にお金をかけると何が変わるのか

これは”軽さ+耐久値”が目醒しく体感できます。

例えばシマノ製で例にすると──

ロッド部門では[ソルティーアドバンス]の10ft(220g)と、シーバスモデルではハイエンドな[EXSENCE]の10ft(162g)を比べると、同じ長さでも60gの違いがあり、価格も5倍以上違います。同様にリール部門では、[エアノス4000番]と[ヴァンキッシュ4000番]を比べると100gほどの違いがあります。

廉価モデルの組み合わせと、ハイエンドモデルの組み合わせでは、「あ、ちょっと重いわ」と感じるスマホ程度(160g)に重量が違います。

車の燃費を手っ取り早く良くする方法は、アクセルコントロールは二の次で、内装剥がしたり椅子を取っ払ったりする”軽量化”だったりする。

釣りのタックルにおける100gという軽量化は、キャスティングを繰り返すルアーフィッシングにおいて、アングラーへの負荷を和らげる効果があります。

いうなれば、自身の燃費向上ですね。特にこれは振る動作をするロッドのほうが恩恵を感じやすい。

ハイエンドモデルの効果は、スタンダードに慣れてこそ実感する

初心者にハイエンドを進める商魂たくましい業者も存在します。しかし最高峰であるからこそ、最初にそれを使い、不満を感じてしまうのはいただけない。

雑に扱えばどんな物だって壊れやすく、大事に扱えば長持ちします。

個人的にはスタンダードを使ってメンテナンス方法を一通り学び、それを1年以上保たせることができてから、ハイエンドに手を出してほしい。

ステラやヴァンキッシュのようなリールは、年に1回オーバーホールに出す場合、修理の度合いにもよるけれど、それだけでワゴンセールのリールを買えるレベルになります。物は高くなればなるほど、維持費がかさみます。年収一千万以上かそれ以下の所得税の差みたいなもんですね。

ある一定のラインを超えると、維持費はかかりやすくなるものです

とはいえ”新しく買い直す”よりは安く済みます。でも道具である以上、”消耗していく物”という認識は持っておいたほうがいいです。

「保証」という魔法の言葉もありますが、「適切な使用方法下」のみ適用されることが常識。

まずは”維持する方法”を覚えてから、そういう物に手を出すと、将来的に投資する金額は減るわけです。

「これを超えるために次のステラはどうなるのか」を考えると来年が楽しみになる

おそらく来年あたりにモデルチェンジすると思いますが、新型ヴァンキッシュを触った後に感じるのが、「次のステラってこれ以上になんの?ヤバない?」という小並な感想。

軽くて強度のある金属となると、もう宇宙船の技術を使うレベルになりそう。

わりとアナログな釣具が今後どのように進化していくか──、私にはそういう楽しみもあったりします。

IoTが釣具に導入されると、アングラー間でのテクニックの差も、かなり縮まったりします。

家電業界に負けず劣らず、デジタルなところも取り入れていって欲しいですね。

現状でハイテク()の最高峰は、漁船なんですけど……。

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