東京五輪の暑さ対策で発表した「かぶる傘」が話題です。
「やっぱ東京はすげぇや!」という話題ではなく、記者会見も”失笑”せざるをえない内容でした。日本には”すげ笠”というかぶる傘があるのに……。
暑さ対策に「かぶる傘」が発表される
「かぶる傘に衝撃走る」と見出しにありますが、ネット上に衝撃が走りましたね。
東京五輪の開催まであと1年ちょい。間に合わなくなっても知らんぞー! って時期に、完成品じゃなく、試作段階で発表してきたのがコレ。帽子でよくない? なぜ誰も止めることができなかったんだ!
……「かぶる傘」が叩かれている所以は他にもあります。
もう先駆者がおるやんけ!
会見後はAmazonのアウトドアランキングで、かぶる傘が急上昇してきました。君ら本当にコレ買うの? 大丈夫? 企業がインフルエンサーを抱える理由がわかりますね。
訪日観光客が求めるのは日本らしさのモノ
訪日観光客が求めているのは”風土”であり”文化です。日本国内で特に京都が人気なのは、古都だから日本らしさを体験できる、の理由が強いでしょう。
発表されたかぶる傘は、安めのコストで大量生産できる対策としては優秀。税金を使用した最善かつ最安の手段、だから国民の求めているイメージを具現化しただけの話。……まあデザインが不評ですけど、コスト安とUDを考えると、落としドコロはここしかねぇと感じます。
個人としては開発陣に同情します。おそらく最初は「工芸の傘を使いましょうよ!」と提案したけど、作っているうちに予算が厳しくなって、上から「単価高すぎない? もっと安くして」と言われた結果、工場生産が可能な物になったのではないでしょうか。
会見でモデルの人が死んだ目をしてたのが印象的です。
日本に昔からあるかぶる傘を採用してみては?
アジア圏は今でも笠が現役な地域もありますし、日本には伝統工芸レベルの「すげ笠」が存在します。
植物のスゲを利用したすげ笠”は、「農作業でかぶる帽子といえばコレ!」と浮かべるおっさんホイホイな品。どちらかといえば麦わら帽子のほうがグローバルな気がしないでもないが、「すげ笠をなぜ使わないんだ」という意見をよく目にしました。
いくら開発陣が無能でも、さすがに伝統工芸は”いの一番”に浮かんだでしょう。それでも実現しなかったのは、どう考えても採算がやばすぎるからだろうね。予算を削ってもいいことなんてありませんよ。
暑さ対策なんだから無料で配らないと意味がない
そもそも暑さ対策で生まれた発案だから、押し付けないと意味がありません。
日本の暑さがヤバイのは知っての通りで、五輪期間は「ジャパンファッキンホット」なことを知らない人が世界中から集まってきます。そういう人なら、わざわざ日本円に替えてすげ笠を購入するかもしれない。ちなみにお安くて1500円ほど。工芸品なら3000円くらいしますね。
……あれ? 値段があんまり変わらなくない?
すげ笠をかぶる人といえば鮎釣り師を思い浮かべます
渓流釣りといえばすげ笠のイメージだった。今では涼しいメッシュ帽がメインですけど、上流にいくほど、古き良きスタイルを貫いている釣り師が多い気がします。
遮光・通気性はいいんですけど、風が強い日は首が痛くなります。あと幅広なので、キャスティング多用する釣りには向いてません。なので渓流だったり、サビキだったり、投げ釣りにベストな笠といえます。