カワハギ釣りにハマった人を「カワハギ病」と呼ぶらしい。
一度罹ると抜け出すことが難しく、休みで船が出せるとなればすぐ出港! 自分の生活をかなぐり捨てるくらいストイックなアングラーになってしまうほど、かなりヤバイ病気らしいぜ……。
アングラー特有の疾患「カワハギ病」とは?
まあ、ひとつだけ言えることがある。
ある魚だけを追い続ける人は、大抵どこかぶっ飛んでいるので驚きません(経験則)。
ここで語る「カワハギ病」だけではなく、他には「マグロ病」「ヒラメ病」「ブリ・カンパチ病」「バス・シーバス病」「メバル病」「ビルド・クラフト病」など、重い病を患った方は何人も存在します。わかりやすくいうと、ただの魚釣りオタクのことです。
ヲタ会話では「Aこそが至高」「なにおうBだろうが!」「C推し以外は非国民」みたいな論争が行われています。そのワードに引っかかり、参戦したい人ならヲタの素質があります。全く興味がない人にとって、熱すぎる主張は「キモ」だけで切り捨てられるのが世の常。
というわけで、重度のカワハギヲタはどのような思考をしているのか、分析してみました。
カワハギ釣りをちょっとバカにしていた人ほど重症になりやすい
カワハギは魚釣りの中でも屈指の人気対象魚です。
小さな口で餌をツンツン食べる仕草がまずかわいい。「餌取り名人」の悪名はツンデレに置換することで萌える。水中でホバリングするその姿は愛らしい。釣るのが難しいほど釣り人は燃える。その達成感でアドレナリンだぱぁを体験してしまうと──もう戻れない。
眺めてヨシ! 釣ってヨシ! 食べてヨシ!
──尊くないですか?
1匹釣れて潜伏、釣れるようになって発症
カワハギは普段のボーっとした泳ぎに似合わず、針にかかると強烈な引きが襲います。
この見た目と裏腹な積極性に、グッと来ちゃう人は多い。釣りの醍醐味は、狙った獲物を捕ることと、相手との綱引きにあります。
カワハギはどこの海にも居るし、沿岸でも手軽に狙えます。陸と船で楽しむことができ、それぞれアプローチが変わるから攻略しがいもある! 引き味は最高級クラス、食べてめちゃ美味しい! ホンカワハギの肝はフォアグラよりも価値があるし美味しいです。
ほら、完全無欠の対象魚でしょう?
エサを貢ぐ立場から釣具に貢ぐようになると末期
カワハギを釣るコツは2通りあります。
- 感度の良い専用タックルを金で揃える
- 相手の全てを知り技術で釣る
この違いは、好きな相手を「金で口説くか」「言葉で口説くか」の違い。最終目的はどちらも変わりませんし、違うのは至るまでのアプローチだけです。
言わずもがな後者は「カワハギをテクニックで釣る」ことですが、正直いって限界があります。※(ただしイケメンに限る)のように、素のタックル性能も問われるからです。
カワハギ専用の高価なタックルは、感度を優先した設計に作られています。ホバリング状態でツンツンされても感じることの出来る敏感な棒(ロッド)なら、手元に頼らずともロッドが針を咥えさせてくれるようになります。これは大きなアドバンテージですよね?
腕とコレが揃うとまさに敵なし! だから釣り人は道具に拘る! そして金も遣う!
それは当人にとって命の洗濯。だが他所から見ると”やべぇヤツ”にしか見えません。
カワハギ病を和らげるにはどうしたらいい?
カワハギ病は同じ価値観で話し合うと余計にこじれやすい。
この場合、別の事例を用いて、当事者を客観的、そして俯瞰で見つめ直させること。そのいい例として、コンテンツに浪費するタイプのオタクがハマります。
ある魚を一途に追いかける釣り人は、推しを追っかけるタイプのヲタと思考が似ています。
きっとお互い「一緒にするな!」と息が合ったツッコミをしてくれるでしょう。そんな浪費型ヲタにおすすめしたい書籍があります。
『一生楽しく浪費するためのお金の話』は、オタク女子フェイナンシャルプランナーが監修しています。自身の体験から、浪費するオタクをタイプ別に分けて、上手いこと資金をやりくりする方法を、やんわりわかりやすく書いてあります。同族には刺さりやすい内容でしょう。
推しメンのコンサート1回にかかる費用と、5万くらいの高感度カワハギ専用ロッドの値段は、当人たちにとっては等しいのです。
でもお互いは「無駄じゃね?」と感じてしまう。だから人の価値観は面白いし、面倒だと思っています。互いにけなし合うのは愚かなこと。ほら……だから、ね? 新しいロッド買ってもいいよね?(5万)
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