それは先週の出来事だった。
魚を散らす男、海釣り公園に降り立つ
思い返せば、大半の釣行予定日は天候不順が続いている。
年末は築地の海神にカイゼンを願った。初詣は健康を願った。でも、神に祈ることは前年もやったな。7回参りくらいで飽きたが。
それでも治らないのは、不徳が成すのだろうか、または運命なのだろうか。
「君だけが釣れないストーリー」ではなく、「君がいると誰も釣れないストーリー」。
無論、”君”とは私のことを指している。
「魚はどこだ! どこに居る! ────そこかぁっ!(殺気)」
……ふむ。前向きに捉えると、私は魚から恐れられているのかもしれない(真顔)。
この回でも触れているが、「今この魚が釣れているよ!」的な情報を何度も覆えしてきた。
「釣果情報なんてそんなものだろう?」、そう一言に吐き捨てるのは簡単。自然はそうあるモノだろうとわかってはいるし、情報なんて半日も過ぎれば腐ってしまう。
ただまあ、私の場合。……恐ろしいほど間が悪い。
それを再確認したのは自分。
「そんなこといってるけどネタだろ?(笑)」と、心優しくネタで済ましてくれていた友人も、この時ばかりは私の能力に戦慄したであろう。
着いた時は鈴なりに釣れていたイワシも、私が開始すると同時に誰も釣れなくなったのだから……おおコワイ、コワイ。
【検証】魚が散らす男が釣りに行かない場合どうなるのか
──先週土曜日は釣りに行く予定だった。
そう決めてからというもの、台風が近づいて海が荒れ気味になったり、天気が不安定で朝から雨が降ったり止んだり……。
それも私にとっては、いつものこと、だった。
「いつ雨が降るか──」ていうか、ほぼずっと降っていたし、前日の酒が抜けず体調がイマイチだったので釣りは断念した。
友人は釣りに出かける。私は断念する。
……すると、雨雲レーダーから雨が消えていくではないか。
私が釣りに行かない決意を固めた時点で晴れてきた。
「まさか、これが俺の能力《チカラ》なのか?」と思いながら、FGOで種火周回をしていた。
すっかり雨が降らなそうな天気になり、私はよくわからない達成感を得たところ、友人からメールが来る。
「ありがとう」
画像添付もなく、ただその一言だけだった。
普通の人なら「なんなのコイツ」と訝しむところだが、文系忖度の権化である私は、それだけで理解した。
「あぁ……爆釣しているんだな……」
私が釣りに行かないことで、1人の釣り人が、幸せな時間を過ごしていることは間違いなかった。
こちらはこちらでFGOを進めているのだから、どちらも「winwin」な関係に違いない。
「(君のおかげで)イワシがたくさん釣れたよー」
あれ? もしかして俺って、(ベクトルが違うけど)すごくない?
ワイ釣り人、「雨男」「魚を散らす男」として友人認定される
「雨男」は以前から自覚している。ちなみに彼は「晴れ男」。
なので2人が一緒に釣りに行くと──、「釣りが出来ないことはないがやりにくい天候」が待ち受ける。
週末の釣行は大抵一緒なので、過去記事を振り返るまでもなく、なんとなくお互いが察しているだろう。
今まで口には出さなかったが、最近は特にヒドイので、たびたびネタにされている。
先々週の出来事で「魚を散らす」ことを証明し、先週のことでそれを体験していただいた。
火曜の朝に浜名湖でトップルアーで遊ぼうと考えていたら、台風が再接近する予報になったし、現実となった(とくいげ)。
……いやほんと、行けるタイミングはずっとそんな天気なんですよ。
なので買ったものの、(使うタイミングが無く)眠るルアーも多い。
世間も夏休みがはじまったじゃないですか。
スタートの山の日は別として、盆明けには行きたいところなんですけどね──?
フーーーースッとしたぜ。この展開は予想してたけどな!
しかしこのままでは、顔バレをした場合、釣り場で見かけたら──
「あっもしかして……さししさん、ですか? やっぱり! いつもブログ見てますぅー」
の前に、石やら砂やらゴカイを投げられそうである。
釣りに行こうと考える→天気が急変する→その先を読みたくなる→天気に詳しくなる
こうして私は自然と天気図が読めるまで至ったのだった。